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23-18. ドッペルはお前だ! ~点対象の鏡のオレが7日監禁生活で脱獄死する~

23-18. ドッペルはお前だ! ~点対象の鏡のオレが7日監禁生活で脱獄死する~


 あらすじ: 河野雄介こうのゆうすけはムーバーで稼ぐ大学生だ。ひょんなことから高収入バイトに応募してバスで集団睡眠拉致にあう。起きた彼は、食事と水が自動配給される白い部屋で7日間生存する実験説明を受ける。スマホネットは見るだけならOKで、時々簡単な問題を解くだけの簡単なお仕事である。3日目にベッド正面の窓が開いていた。まるで鏡のように自分が写っている。だがおかしい。左手を上げると鏡では逆の法の手が上がる。そして、叫ぶと同じ言葉が向こうから聞こえてくる。お前はドッペルか!?

 部屋が中心を軸にした点対象であちらも同じ構成だった。同じ行動、同じ反応、まるで道を歩いて左右にお互い避けたら同じ方向でぶつかっちゃうアレの最大級である。わざと変な行動をしたり、話を止めたり、ぜったにマネできない事をやろうとしても、お互いが同じ思考であるため点対象の鏡でらちが明かない。5日目までは食事も全く同じカロリーメイトで、わざと鏡に投げても、同じ位置で衝突して落下先も同じになる。6日目、カロリーメイトの色が赤と青で違っていた。二人は手持ちの色を叫ぶ、違う!!だがそれ以外の行動は全く同じである。すさまじい実験だが、あと1日終わる。

 最終日、俺のほうだけいつもの食事がこなかった。



 オチ: 空腹で同期が取れなくなった俺たちは、鏡の呪いが解けて一緒に脱出の相談をする。言葉を出さなくても、思考がお互い丸わかりなので、目のやり取りだけで安心感がある。一人指相撲の感覚だ。知略を練ってプリズンブレイクネタで脱出するが、これも想定内。34と血で書かれた数値を見てゾッとし、そのまま俺たちは射殺された。二人は手を握って赤い血に沈んだ。





 唯物論とは、物質主義であり、心も自我も意識も脳のシナプス全てに集約されているという思想である。

 死んだ兵士が遠く離れた地の幼児に乗り移って前世を語るという幾多の報告例は、唯物論としてはありえない話である、全てうそになる。

 死んだ人の脳から伝染病や電波のような観測できる物質を経由せずに、赤子に記憶が宿るのは唯物論ではありえない(二度目)。


 このストーリーは、唯物論絶対主義の視点で見た「哲学的ゾンビ実験」である。自分は支持しない。



 彼がバス内ガスで眠らされていた時に、物質を完コピできる装置に入れてクローンを作った。そして、上から見て円型のドームハウスを2つに分けてベッドに寝かせた。中の二人は中央の1メートル四方の透明版以外は全て点対象で全く同じ配置と配給がされる。

 最初の数日は、窓を閉じたままで好きに行動させる。

 完コピできていたのであれば、起きてから全ての反応は点対象で同じになるはずである。ほじったり、屁をする行動も全てである。

 3日間は同じ料理と水分であるため、空腹のタイミングもミリ秒違わず同じになる。スマホで自由に検索することも、同じになる。厳密には、完全に同じユーザーIDとタイミングでウェブページにアクセスすると色々エラーとか問題起きそうだが割愛する。もし、掲示板やツイッターに書き込みが許可されてしまうと、二重投稿に近いことが本人に分かってしまい、点対象ミラー実験が失敗する恐れがあった。だから、見るだけなのである。


 3日目に起きたら、目の前に空いた窓には自分が遠くに映っているはずである。最初は鏡だと思うだろう。反応や手ぶりや降りる動きが全く同じだからである。

 ここからがホラーで面白い所。漫画では1話目の引きとして最高の見せ場だ。


 「あれ?何かおかしい。右手を上げているのに、鏡の先ではこちらの左側の手が上がっている」


 本来なら、挙げた手の方が鏡も挙がるはずである。でもミラーになっていない。



 ゾワっ

 







 「おい!! これ鏡じゃないだろ!(ドン!) えっ…あっちからも声が… えっ…」


 普通の人がもしこの体験をしたら、戸惑って動けなくなるだろう。そして、窓の先の相手も全く同じ反応をする。ここからは性格が出るが、自分なら「自分以外じゃ絶対にやらない行動をしてみる」である。


 それも、相手は全て同じ思考で行動する。途中までしゃべって、いきなり早口にしたり、突然だまりこんで振り向いたり。それも全てミラーで返される。不気味すぎて、自分なら吐きそうになる。


 あ!これツイートしたらバズりそう!パッシャ!(でも送信不可)


 どっちも同じフラッシュでウオマブシ!となる。映ったスマホの写真を相手に見せると、全く同じであり、スマホを持ち換えて自分で見ても、相手が撮影したものと同じである。


 最終的に、1時間格闘して諦めた。これはお互いに諦めるタイミングも同じであり、何やっても対策仕様がないのだ。窓は透明で叩くことはできても、直接二人は触れる事はできない。


 もしかしたら、触れたら法則が乱れて宇宙が消滅してしまうかもしれない。


 そう考えて脳が疲れきってそのまま寝落ちしてしまう。気づいて4時間後に飛び起きたら、あっちも同じであった。もう白旗である。とりあえず、お互いをチラ見しながらいつも通りの実験を繰り返した。全て同じスコア、同じ行動になった。

 6日目まで食事も同じで、空腹や満腹タイミングも同じである。だが6日目にいつものカロリーメイトの色が違った。青と赤だ。お互いに見せあって喜ぶ。何か変化があるのではないかと。1時間格闘したが、決着つかず。最後に持っている色でしりとりをしようとお互いに気づいて叫ぶと、窓が閉まってできなくなった。7日目また窓が開いていて、食事が片方だけない状態になる。


 これによってお互いの同期が崩れ、別々の行動ができるようになる。



 最終的に、オチ通りに殺されてバッドエンドである。実際は、集めた人たちを円型の部屋に同じように隔離し、実験データを回収しては殺し、失踪扱いにしてもみ消していた。

 血で書かれていた34は、前にミラーされた人が破片で刻んだものであった。つまり俺たちは35人目の被験者であり脱出者だった。



 こんなマンガだれか書いてくれないかなぁ。と妄想しつつまとめに入る。



 こんなミラー実験ができるのは、この世界が唯物論の世界である前提条件がある。一卵性双生児を出産後に今回の実験と同じように隔離して乳児から同じ条件で教育したら、同じ結果になるはずである。

 何故なら、同じDNAを受け継いであるから。(正確には10万分の1の突然変異があるが)


 人権無視してこのような実験を1万人実験したとしよう。自分はミラーになるとは思っていない。

 前世が違うからだ。


 遺伝(DNA)は車、心(前世)が運転手と例えている。DNAという車が全く同じなら、同じアクセルで踏み込めば全く同じ推進力を得る。パソコンで同じプログラムを組んだら、疑似乱数でブレない限りは同じ結果になる。だが、運転手=心が生まれた時点で別々である。踏み込むアクセルのタイミングも度合いも、前世の感性や知識の影響を受ける。だからミラーは成立しない。


 今までは、現代なろう転生もりあげてこー!のためのエッセイを書いてきたが、今回は敢えて自分が支持しない説のルールでネタを考えてみた。




 まとめ


①唯物論者からすれば、前世や転生、幽霊などはありえない


②物質マルコピー装置ができたなら、心も反応も全く同じミラーリングができるはず


③自分は唯物論を支持しない。宇宙人やタイムトラベルを否定するが、転生は肯定する

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