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23-16. ★耳噛みやめてよ春藤さん! ~異世界転生までのASMR49日~

23-16. ★耳噛みやめてよ春藤さん! ~異世界転生までのASMR49日~


 あらすじ:なろう大好きの浅村裕也あさむらゆうやは子供を助けて轢かれて死んだ。従妹の春藤一家が葬儀を全て請け負うことになり、裕也の遺体は49日間、美女に膝枕されながら耳元ででささやき(バルト・トドゥル)を聞くことになる。それは、異世界になろう転生するための必勝法であり、迷える魂を導く攻略本であった。


 オチ: 春藤の三姉妹に膝枕されながら、聞いた通りに進む裕也の魂。失神したり、フィギュアが競売されたりと惨事を乗り越え、異世界に到達する。「これが異世界か。三姉妹のたすけのおかげだな、ありがとう」




 チベットは現代に生きる転生における最先端の国家である。ダライ・ラマとパンチェン・ラマの二人の高僧が交互に転生を承認することで、3才児という若さで前世自覚に達する事ができる。

 そして、選ばれた後継者は3才から親を離れて国家の長となるべく英才教育を受ける。現在のダライ・ラマは前世を自覚し、引き継いだうえで私生活を捨ててチベットという国のために身を尽くしている。


 チベットの市民は、死者の書バルド・トゥドルという本を代々継承することによって、死者を弔っている。6世紀から広まったインドの仏教は7世紀以降、中国チベット日本に伝わった。チベットはチベット仏教として定着し、いま中国に弾圧されてつつも仏教を維持している。


 一般の学生なら、「フリーチベット(チベットに自由を)」という言葉で、中国からの過剰な弾圧を糾弾する運動を思い出すだろう。だが、なろう転生との関連を知る人は1%もいないはずだ。


 NHKスペシャル チベット死者の書を買って読んでみたが、自分が求めていた答えの一つが書かれていた。それは、今の仏教における、解脱(転生の苦難ループを脱する)の方法がわかりやすく描かれている。自分は死んだのだと早めに自覚させ、来る初見殺し(もう死んでる)に対する的確な回答を事前に伝えている。現代のコンシューマーゲームにおける、攻略wikiそのものだ。

 転生を何度も繰り返して継承者を選び続けたダライ・ラマとパンチェン・ラマの2人は、死後に「どうすれば同じ国=チベットに時系列通りに転生できるか」を魂がおぼえている。

 戦争で苦痛のまま死んだ場合や、恨みながら自決した場合は、次の転生の時期が数日と早かったり、数年怨霊として彷徨ったり、はたまた関係ない国の子に乗り移ってアザや悪夢を作ったりと不安定になってしまう。

 ラマ2人は、生まれた高貴な魂の時点で、次どう死に、どう再誕するかを理解している。転生リピーターであり、カイジでいう船井ポジである。

 死者の書バルト・トドゥルは、初見エスポワールに乗る前にルールや攻略法を教えてしまう不正行為のようにも見える。


 チベットでは国民を弔うためのトドゥル、ラマたちの仏教研究と救済のための転生の儀を行っている。ビジネスでも何でもなく、個のためである。



 これをもし、日本が粛ラマによって転生と前世を属人化せずに仕組み化できたとしたらどんな未来が待っているのか?


 パンドラの箱を開けてしまうのかもしれないし、何も変わらない転生のない40年後になるかもしれない。

 でも最後に、自分はステータスオープンぜんせこうかいがしたい。自分がわからないのであれば、前世保全して、次の後継者に動画と情報を託したい。



 まとめ


①チベット仏教はすごい! ダライ・ラマとパンチェン・ラマはもう200年転生している!


②なろう流行と海外評価は、この転生の仕組みの解明の予兆だと考える


③チベットのような俗人的な転生方法ではなく、再現性の高い転生承認方法が実現したらどうなるかは予測できない


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