23-7. 「イカゲーム」「パラサイト」、韓国の世界で人気になったドラマから考える、地政学的文化評価⑤ ネロナムブルと事大主義
23-7. 「イカゲーム」「パラサイト」、韓国の世界で人気になったドラマから考える、地政学的文化評価⑤ ネロナムブルと事大主義
道徳的優位性は勝者が持っていて、敗者は嘘を語るペテン師扱いされるというのが前回の話。
ネロナムブルは自ロ他不であり、自分ならロマンス、他人なら不倫という言葉で、自分だけ一方的に有利なのだ。
ルールに従って、自分が有利になるなら納得するが、全く同じ条件で勝手に判定勝利する「ネロナムブル」は、どの国でも嫌われるだろう。
この事象自体は、韓国人も理解し、それはズルいと思っている。だが、自分の損得が関わってくるとこのネロナムブルは良く発動する。利益のために、自分が優位に立ち、道徳的優位性を持っている(と思い込む)。
ネロナムブルは事大主義と華夷思想(中華思想)の影響が大きい。
「長い物には巻かれろ」という日本のことわざがある通り、力ある者には従うのが得策という考えである。
これ自体は、何の問題もない。むしろ競争社会においては、これは重要である。
問題は、過度の序列社会であるということだ。細かい所は端折るが、韓国では儒教(中国の朱子学)が上下管理に都合がよく、上層部が取り入れた。両班の生まれは両班であり、奴隷の子は奴隷で従う宿命という考えである。それを魔改造して都合よく解釈して広めたのが半島の歴史である。
身体能力や知識があれば、試験を受けて這い上がれるという能力社会とは真逆である。
それ自体を悪として否定するつもりはない。集団で管理し活動するには、土地や文化に適したものが存在する。広くて他民族の中国大陸でローマや日本の民主主義は適さず、独裁権力集中が適しているのと同じである。
大陸の支配(属国)と島国との中継点で軍事的価値が大きい半島は、いつも戦争の発生地になる(被害者)。ロシアと日本の戦争でも、半島は壊滅的な被害を受ける。さらに前の日清戦争でも、秀吉の大陸侵略についても、半島はいっつも被害を受けている。これに関しては、半島の性質上、悲しいけど受け入れるしかない。
これらの地政学的特性ゆえに、大陸の上様に従い、生き残るために弱者の島国や弱小国には強気に出る。これを「ジャイアンの後ろ盾を持つスネ夫」、虎の威を借る狐ともいう。
事大主義(長い物には巻かれろ)が極端になると、事大先が崩壊するたびに半島内は混乱し、新たな事大先に媚びて、どれに事大するかの派閥争いが起きる。これは、高句麗の時代から、日韓併合、半島独立後の南北分断までいっつも同じことになっている。
さらに言うと、今の中国急成長から、中国事大している政府に対して、市民は不利益のため反発し、じゃあアメリカか日本のどれに事大するか!?というジレンマがある。
政府は中国オールインで、朝鮮族3割によるメディア支配(コメントで反日誘導)に騙され続ける市民が洗脳されているため、まず解ける事はないだろう。
だが、中国の住宅バブル、金融崩壊からの習近平体制の崩壊、共産党崩壊まで10年以内に起きた場合、再び「韓国の事大先の内部闘争」が再発する(50年ぶり3度目)。
中国から裏で大きな後ろ盾と支援を受けているうちは、韓国政府は裏で中国への事大を続けるだろう。下手に反発すれば、人外な報復をもって3回頭を地面にたたきつけることになるからだ。
しかし中国崩壊でいつもの「属国の半島に構っていられない!」状態になると、事大しても相手にされなくなり、いよいよ路頭に迷うことになる。現代人でいうなら、スマホ見たらアンテナが無く通信できない心理と同じである。
事大できないと大きな不安になるのである。
ネロナムブルが可能になるのは、この魔改造朱子学から生まれた強烈な序列社会であり「道徳的優位性」がここで効いてくる。
韓国人からすれば、人類皆平等で一方が不当に有利になることは許せない、と思うだろう。
だが、ウリ(自分や自分ら)の利益になるのならソレは別と考える。敵国の評価が下がる不当であっても同じく要求するだろう。要は、自分の利益と敵の不利益なら「人類皆平等」は外して良いと考える。日本人は、ソレは割とおかしくない?ダブスタでは?と冷静に考える事ができる。
なぜ韓国人はこの「ネロナムブルずるい!え、自分の利益、敵の不利益?ならオッケー!」になるのか次回考える。




