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22-13.  ヴィンランド・サガ考察 もし太平洋の日本寄りに人のいない資源豊富な大陸があったなら?

22-13.  ヴィンランド・サガ考察 もし太平洋の日本寄りに人のいない資源豊富な大陸があったなら?


 ヴィンランド・サガの漫画とアニメは面白い。

 ヴァイキング時代にトルフィンという青年が、新しい土地を目指すが帰ってくるという話だ。



 カナダの上あたりの島に着くが、先住民がいて、結局折り合いがつかずに戻るという結果が残った。


 これは正解なのか?というのが今回のテーマだ。

 大航海時代における領土拡大と、世界大戦時代における領土拡大の最善手を考えてみる




 もし日本の南東500キロ先に無人で石油豊富で広大な土地があったらどうなるか?

 2000年ほど前の地震で大陸が浮き上がり、ガラパコスのような鳥の楽園のようになっていた。他国から海路で行こうにも、海流の影響で新大陸にはたどり着けず、ペリー来航の前あたりで日本人が大陸の発見と領土を獲得したとしよう。



 人がいないのであれば、そのまま土地を国が管轄して支配すればよい。これが理想である。



 だが実際は、どの大陸にも人=原住民は住んでいる。元は1つの大陸プレートから分離し、氷河期による大陸移動と海水水位の変化で歩いて行けたりする。新大陸を見つけた時には、大体は先住民との争いになる。




 その時はどうするか? そうだね武力だね。


 どの国だって、文化も言語も違う他国から侵略され、土地を分けろ、国に併合されろって言われて国王が承諾できるかという話である。

 併合に相当な利があって、国民が望むなら平和に併合できるが、現実はそうはならない。

 琉球王国(沖縄)や蝦夷(北海道)は無血で獲得できただろうか? いやならない。

 朝鮮半島だけは例外で、借金返せず負けたロシアより勝った日本に併合を嘆願した。そうしなければ、西欧に植民地化されるか、借金で隣国に奪われるか、ロシアの南下侵略で国が亡ぶしかなかった。高い文明と借金帳消し、国王や官僚の地位が残されるという点で、民衆の同意なく平和な併合が成し得た(後から考えれば日本側の悪夢であった)。




 1700年以降の植民地化時代、アメリカ大陸争奪戦からイギリスからの独立、原住民の追い出しと色々な出来事があった。彼ら(西欧)のやり方は、先住民をヒトとせずに動物として奴隷扱いする、というものだ。役に立つ協力してくれる黒人に武器を与え、黒人同士で戦わせて美味しい所は西欧が持っていく。

 平和を望むインディアンには、裏で暗殺と闇取引で怒らせて正義を作って反撃=抹殺占領する。


 先に人がいたら、彼らを物理的に消してしまえば、今経っている我々(西欧人)が先住民であり、その土地の支配者になれる、というのがやりかただった。


 日本はどうか?文化言語は違えど、共栄圏として言語や文化を維持し、国家間の境界をなくすEUのような形で管理する方法を選んだ。先住民を物理的に消して、移民する政策はとらなかった。もちろん、敵対する軍隊は戦争で倒すことはやっただろう。

 だがその当時、遠く離れて文化もかけ離れて人間扱いしていない西欧に植民地化されるか、同じアジアの中の日本に支配されるかを選ぶしかない時代だった。

 武力ある東と西の勢力に、軍事力が足りない諸国には選択肢がなかったのだ。




 さて今はどうか?

 独裁国家による、武力制圧と土地奪取は果たして認めらえるだろうか。

 もちろん、国連は認めないだろう。大義名分もなしに勝手に進行し、勝手に奪えば認められるわけがない。アメリカも許すわけがない。


 ロシアはとても賢く領土を拡大している。クリミア半島のように、その土地の住人にロシアを混ぜ込み、癒着と支配で過半数を取れる状況になった後、投票によるロシア編入。


 ロシア「ええ、ロシアに入りたい?どうしてもって言うなら…。国連も認めてね♪」

 ウクライナ「いやまて、こっちは認めてないぞ」

 国連「不当」


 中国もロシアも、独裁の社会主義だからこそできる無理やりな併合で、国の領土を拡大している。国連は認めていないという点で、日本帝国時の満州国に近い。世界の世論を味方にできず、孤立し、ハルノートを突きつけられて開戦する。この流れは中国とロシアにも可能性はある。




 このように、既に住人がいて文化がある場合は簡単に国が奪うことはそう簡単ではない(独裁以外)。日本の南東に無人の島があったなら、その石油石炭の資源で、無双できたかもしれない。


 無人ならそのまま日本国民をそのまま移住して住めばよい。


 もし先住民がいたなら、共存すればよい。だが断られたらどうか?武力制圧して同化すればよい。これが植民地時代のやり方だ。一番悲惨なのは、先住民が少ないなら、まるごと物理的に消して歴史も消してしまえばよいというものだ。ヴィンランドサガにも村一つをまるごと奪った話があり、最初に読んだときはぞっとした。


 先住民は、ほとんど併合を望まず抵抗するだろう。これは当たり前である。断られたから、帰ろう。となっても、他の西欧の国が武力で制圧して奪っていくだろう。つまり椅子取りゲームである。

 座らなければ、他が座ってまた次が始まる。誰かが奪って保護しなければ、他国に奪われてしまう。

 その状況では、悠長に交渉している必要はなく、力づくでやるしかない。抵抗する者を消しても、長期的に見れば全体への暴虐に比べて被害が少なくなる。


 現代ではそれすら非難の的だ。ゆえに、現代の併合の条件は「技術や資金による優位性と、国民の支持」である。

 とある独立した国家が財政難になり、IMFでも助けられない場合、資金がある国家が併合の話を受ける。独立国家の市民が、おとなりの資金ある国の技術や文化にあこがれ、併合を望むという意見が過半数を超え、国民投票で過半数を超えれば、それは国連も支持するだろう。

 正式な調印のもと、併合されて1つの国にまとまる。この一連の流れが続き、最終的に世界は3つの連合になると考える。EUの長デカいやつだと思って欲しい。関税がなく、各州に自治を認め、文化や言語を保持する形だ。一度投票併合の流れが来たら、財政難で苦しむ国の併合ブームが始まる。

 残念だが、それは今自分が生きている間には見れないだろう。









 












 






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