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22-10.  銭湯のタトゥーお断りは、なぜ差別か?

22-10.  銭湯のタトゥーお断りは、なぜ差別か?



 前のエッセイでは、平等と対等、差別と区別について考えた。


 今回はその延長で、日本銭湯でタトゥー(いれずみ)拒否がなぜ差別なのかを説明する。



 結論から言うと、悪しき慣例と先入観による差別だ。





 差別と区別の違いは、実績データによる効率化であり、感情的であってはならない。


 対馬の韓国人お断りは、マナーの悪さや破壊などの実害に対して不利益を減らすための入店拒否である。

 一方、韓国の日本人お断りは実害はないが、反日の心理(政府への不買運動)から拒否している。

 政府への不満などはタクシーや旅館に直接の影響はなく、旅館利用者の韓国人の心理面での不利益となる(微々たるもの)。


 韓国政府が破壊略奪を咎め、実被害が他の国籍よりも少なくなれば韓国だけ拒否するのは差別になる。V国の犯罪率が増えて1位になったら、2位の韓国だけ拒否するのは差別になるからだ。

 一定の犯罪率の推移でルールに従う必要であり、犯罪率の閾値は店側が決めても良い。


 同じように、韓国が日本人お断りをするなら根拠あるデータを出して「この実績から日本人を拒否する」と提示すれば、日本人は受け入れるだろう。

 コロナウイルスがオリンピックで急増したのなら、韓国は入国拒否しても日本は文句が言えない。感染者数を減らしたうえで、拒否撤廃を目指すしかないのだ。




 ここからは、銭湯のタトゥーの話に入る。


 刺青いれずみと聞くと真っ先に思い出すのがヤクザである。背中に鬼のような怖い刺繍で、傷だらけの筋肉質で小指がない。半グレで危ないイメージがあるだろう。


 一方タトゥーは基本黒(青)で文字が書かれていたり、割とファッション風のイメージがあるだろう。若い俳優は勿論、スポーツマンでも野球選手でもタトゥーを入れている。むしろ日本のタトゥーなしの方が異常なのかもしれないくらい、普及している。




 昔の銭湯の時代、ヤクザの内部闘争で銃撃戦や殺傷事件が多かった。その時に、一般大衆で被害が出ないように、健全なお客が安心して入浴できるように入店拒否するのは差別ではない。

 50年以上前の実績なら、「刺繍ありとなしでは犯罪率が明確に差があった」。




 だが現在はどうだろうか?



 ヤクザはいなくなることはないが、昔よりも銃や刃物の所有率は減り、カタギ(一般人)に戻るヤクザだって増えただろう。昔ほど、刺繍がある人に犯罪率が高いという傾向は減りつつあると言ってよい。

 そしてここ30年、日本の高度経済成長と漫画アニメの流行、日本旅行の急増の結果、タトゥー入りの外国人が定住したり滞在したりする機会が増えた。



 ここでさらに条件が加わる。


 「タトゥーがある外国人とない外国人で日本国内の犯罪率に大きな差はあるか?」である。


 闇金や人のブローカーならまだしも、ファッションとして日本好きで訪れた外国人に対して「刺繍お断りなのでごめんなさいね」と拒否するには明確な不利益があるのだろうか?



 V国の就労による日本在住が多くなり、その国籍の人の犯罪が急増した。豚や高級メロンなどが盗まれ転売されて、Youtube等で盗みによる稼ぎが宣伝され、貧しいV国の人が密入国するようになった。その実績から、農家の近くで外国人なら身分証明を義務付けて、V国ならより詳しく調べるといった事ができるだろう。これは差別ではなく、区別である。当然、犯罪数が他国よりも下がれば解消せねばなるまい。




 日本の良い所は、古き良き文化を守る風習がある事である。

 逆にその悪い点は、一度決めた事を崩すのは他国よりも慎重で難しいということだ。





 50年前のヤクザ党争があった時代は、犯罪率の高さから刺青お断りは「区別」だった。

 日本旅行者が増え、タトゥーが世界で当たり前のファッションの今は、もう「差別」に変わった。



 外国人が銭湯の使い方を知らず、洗わず入浴したり破損させたらタトゥーに関係なく追い出しても差別ではないだろう。それは郷に従わない外国人が悪いのだ。タトゥーは関係ない。




 片腕につけた悟空のタトゥーの海外オタクが、銭湯で利用拒否されるのは悲しいではないか。

 「なんで日本では、タトゥーを入れただけで拒否されるんだい?」とSNSで広まり、イメージが悪くなってしまう。



 では、どうすべきか?

 ①従来通り、犯罪リスクのある半グレヤクザを拒否する口実は残す

 ②ファッションのタトゥーはOKにする

 ③外国人に日本の刺繍のヤバさを文化として伝え、納得してもらう




 銭湯の入り口に、こう分かりやすく英語や中国語で書く。



 銭湯へようこそ! 海外の皆さま、歓迎します!

 

 日本のギャングはヤクザと言って背中にカラフルな刺青を入れています(絵付き)


 ここでは犯罪の温床となる半グレ勢力の入店を拒否していますが、タトゥーは問題ありません。


 心配な方は、窓口で相談してください。





 これで、外国人は刺繍いれずみとタトゥーの違いを理解したうえで、治安のためにルールとして定めいていることを事前に伝える事ができる。そして、ファッションタトゥーのOKを明示することで、安心して外国人の方も利用できるようになる。どうだろうか。



 今日本の銭湯は減りつつあるが、こういった海外から健全に利用してくれるお客さんを大切にすることが大事だと思う。



 もちろん、明らかにやべぇ全身タトゥーやギャングソノモノだったら周囲のお客さんのために拒否するのもアリだと思う。ごくごく稀だとは思うが。もしやりたいなら、全身の5割以上タトゥー入れてる人は拒否などの、条件を明示しよう。






 まとめ


①無条件で刺繍タトゥーお断りの銭湯は、悪しき慣例と先入観による差別だ


②治安は守りつつ、健全なファッションタトゥーの外国人は受け入れる体制に変えよう



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