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21-28.  インディアン思想から考えるゴブリンスレイヤー    人から見たゴブリン、宇宙人から見た人(三体)

21-28.  インディアン思想から考えるゴブリンスレイヤー    人から見たゴブリン、宇宙人から見た人(三体)


 ゴブリンスレイヤーとは、ゴブリンに人生破壊された男の復讐劇である。ゴブリンを一匹でも多く殺す事に執着し、報酬などは考えない。良いゴブリンなどいないのだ。





 さて、ゴブリンと聞いてどんなイメージがあるだろうか。人の家に入って酷いことするから、害獣であり、駆除するのは当然だ。と大半は思うだろう。




 でも、地政学や歴史を多少学んだ人にはわかるかもしれない。これは、勝者の洗脳であると。






 当たり前だが、北海道で熊が下山してきたら駆除する。人に害を及ぼすからだ。だが動物園はどうか。見世物として食事を与えられて子孫も残せる。

 人類にとって、有害な動物は減らし、無害で商売になる動物は家畜にしたり見世物にする。



 ゴブリンは、ヒト(主に女性)に酷いことして殺される代名詞である。



 では、ゴブリン側になったらどう思うだろうか?



 ゴブリンにとってもともと住処であった洞窟は、普段人を襲わず平和であった。それを、農作物が荒らされたり襲われたりするから排除してくれ、と依頼して、ギルドが討伐に当たる。ゴブリンにとっては、人のルールなんて知らないし、野草を食べ回っていたら美味しい実が並んでたので食べただけである。人が獣を狩るのと同じく、弱者を見つけて襲って食べるのだ。

 ゴブリン社会では、自然のルールに従って弱肉強食しているのに、突然家を襲って虐殺しに来るのだ。和平で共存するわけでもなく、ただ蹂躙される。ゴブリンが絶滅した時、その惨状は遺体や化石でしか残らず、人類は悪い歴史は消し、良い歴史だけ言い伝える。

 死人に口なし、歴史は勝者の日記なのである。




 これと同じことは、インディアンや各地の先住民にも起きた。細かくは割愛するが、土地売買契約で正当に買い取った組織もあれば、慎重な村長の息子を暗殺して、反動で被害面してから反撃虐殺する組織まであった。


 やってることは、人のゴブリン退治と同じなのだ。いや、それ以上に悪い。ゴブリンは人里に行くが、西欧人は勝手に侵略して勝手に奪っていったのだ。子が生まれる同じ人種なのに、色の違いだけで「人類皆平等、ただし白人のみ。他は動物なので殺して良し」という神がかった兵器を作ってしまった。



 逆ならば、と思考実験する。中国SFの三体という本は、ざっくり宇宙人vs地球人なのだが、うまいことやって撃退する。


 ひょろひょろの宇宙人がやってきて、「ヘイワニタイワシヨウ」と持ち掛けるも、適当やって地球が宇宙人を攻撃したという大義名分を作って虐殺し始めた。

 軍隊が全力で戦うも、高度すぎる宇宙文明で全滅。裏では宇宙人信仰と和平案で、国家転覆させる側が増えた。宇宙人はそいつらと手を組んで掌握した後、協力地球人を抹消した。


 結果は、地球全土の資源略奪と虐殺。99%が乗っ取られ、0.1%は動物園の見世物として檻の中で繁殖させられた。過去の歴史書や機械は壊され、宇宙人は「ワレラノギジュツデヨイセイカツニナッタダロ」と技術流入のメリットで99%虐殺を肯定した。



 弱肉強食による、ゴブリン討伐を是とするなら、この宇宙人の弱肉強食も受け入れなければおかしい。実際は、この星に数千年で来れる範囲には宇宙人はいないので心配する必要はない。



 今回は、ゴブリンは切り殺すのは当たり前という思考について考えた。

 色々読んでいると、可愛い猫娘は裏切ろうが手厚く保護し、醜いゴブリンは何だろうと殺す。

 


 そのなろう思想に染まると、この地球で起きた惨劇も洗脳で忘れてしまうのではないか。

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