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20-17. 「前世記憶1%で主人公補正一切なし農民スタートなろう」で通じる転生白紙国家日本

20-17. 「前世記憶1%で主人公補正一切なし農民スタートなろう」で通じる転生白紙国家日本



 えっ? そんなの無理ゲーでしょ…




 って思った日本人、素晴らしい感性だと思う。

 他国でその文言を翻訳しても、オタクじゃない限りまず状況を把握できない。

 なろうが流行する2010年以前であれば、「なろう」という言葉自体に意味がなかった。せいぜい警官になろう、社長になろうという目標であった。


 まずC教では転生という概念を否定している。死んだら最後の審判を受けて天国か地獄に行く。現世でミサ(協会に寄付)して善行をすれば天国に行くと、10億人以上の人が真剣に信仰している。

 ロシアでは、2021年になろう転生するアニメや漫画で自殺者が増えたから禁書(輸入禁止)にした。

 チベットでは、ダライ・ラマが逝去した後に同じアザがある赤子を次の国王にする伝統がある。

 国や地域によって、様々な信仰と死生観を持っている。

 

 日本は仏教や神道をミックスし、企業の利益信仰の他国宗教を混ぜた特殊な死生観を持つ。1月には初詣に行くし、クリスマスにケーキを買うし、イブにはカップルが結ばれる。最近ではハッピーイースター!といって卵に関するガチャイベントが追加されているのも、よくわかるだろう。


 親ガチャという生まれる環境で差があり、幸不幸の対象として嘆く人がいる。なろう転生を信じて、不幸な自分をやり直そうと自死を選ぶ人もいる。だから、なろう転生の概念をガチで取り入れると、自殺者が増える危険性が高い。これは問題だ。




 話を戻そう。日本からなろう流行したのは、世界の死生観を見直す大きな転機のきっかけとして見ている。創造主から「そろそろ日本でワシらを見つけて活用してね」というメッセージである。

 その意図は、70億の人間に付随する魂が「霊的進化ための経験」を集めることである。


 今漫画や小説、アニメで流行しているなろうのテンプレは、一言で言えば

 「苦しい環境を抜けて、楽して無双する」である。

 リゼロのような、前半はとにかく苦痛と努力という例外はあるが、だいたいは無双までのスパイスであり、一度無双に入ったらあとはフリーストレスというのがお約束である。





 「前世記憶1%で主人公補正一切なし農民スタートなろう」



 

 これは、現代の死生観であり、魂が求める宿題のためによういされたなろう舞台である。

 トラックに轢かれて、学生の知識で信長や偉人に偶然会って評価されて歴史変えちゃう、俺なんかしました系とは違う。

  

 まずスタートが農民だ。悪徳令嬢で資本家でもないし、有用スキルで無双もできない。

 次に権力者や重要人物に会えない。会おうとしても、まず不審者として門前払いされるし、下手するとその場で斬首である。


 最後に、記憶が一切ない。ここ最近のなろうでは、赤子から転生記憶を持っていると色々面倒なので、青年になった時にひょんと前世を思い出すというパターンが多い。

 リアルな現代ではそれに近いかもしれない。若いころは前世を思い出せないが、ある時に偶然一部を思い出すというパターンである。




 ごくごく一部だけだがな!!




 前世が現代の学生として、1600年の戦国時代末期、農民35歳のおっさんに転生した。

 だが、35歳の農民は自分が2020年の学生と思い出せず、何となく「1600年関ケ原」というわずかなワードが降ってきて、本人は困惑する。

 ほとんどの転生農民者は、1%の前世記憶だけでは「変な妄想」として封印してしまう。現代の若い学生が、ちょっと不可思議な夢やイメージが流れこんできても、それを友人に話したりはしないだろう。


 変な奴と思われて、疎遠になりたくはないのだ。



 それと同じように、1%の前世記憶復活を35歳のおっさんがしても大半は普通の農民として生き、死ぬのだ。

 人生50年の戦国時代、農民だって昼夜忙しく、天候に左右されて飢餓もある。

 悠長に、執筆活動する余力も金もないのである。




 読者なら、この高難易度の転生をどう攻略していけばよいんだろうか?




①銭盗んで信長公に会うため家出する


②重要イベントが来るまで、農家で待ったり暮らす


③転生先が糞過ぎるので、自殺して魂ガチャをリセマラする


④「1600年に関が原で家康が勝つ」と町内で言いふらす


⑤直感をありのままに残し、民衆に見えるところに示す。協力者を集い、翻訳して手紙を送る。


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