19-2. 他空須(たくす)が人間の感動になる
19-2. 他空須が人間の感動になる
他: 当面のものや自分以外の事柄。ほか。ほかの。あるべき心と違う。
空: そら。中身・根拠がない。何もない。からっぽ。仏教で、実体・本質のないこと。
須: 必要とする。わずかの間。しばらく。
赤の他人に、その時代では証明されていない空想を必要として託す。
それが人の感動であり、他の生き物にはできない事だと今日思ったので書き残す。
「チ。」の漫画が最近好きで本を何度も読んでいる。彼らが託すものは、全て赤の他人である。子供や親戚である血族ではない、赤の他人に託すことを死よりも重視した。
人類以外の生物は、産んだ子を守り、寄り添って教え後世に伝える。声で、歌で、動きで、時には体罰で伝える。文字や絵を刻んで伝えるのはまれである。鳥が木を削って何かを伝えるなどは、あるかもしれない。
人が木や竹に文字を刻み、技術や歴史をこの現代に残してきた。時に偉い人は、過去は悪として書物を焼き払ったり、寺を壊したりした。
それでも文化を残し、それを今見る事ができるのは奇跡である。「チ。」でも文字は奇跡だと言っている。これは自分も読んで納得してしまった。
言語の違いはあれど、本質は変わらない。教訓であったり、学びであったり、時には笑える冗談であったり。
それを評価するのは後世であり、偉人が書いた本であっても、その時代に合わない、未来の人にも合わない、先取りしすぎた内容であれば、埋もれて消えてしまう。
そうならないために、多少は読み手を意識した書き方、伝え方を選んだほうが良いかもしれない。
他は赤の他人、空は空想でありまだ認められていない事である。
最後の須はかなり当て字だが、必須の須であり、将来「必要なこと」だ。