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18-34. なろう祇魂学をひろめよう! 霊魂の仕組みをFEで例えると

18-34. なろう祇魂学をひろめよう! 霊魂の仕組みをFEで例えると


 じん先生は言いました。


 「今回は君たちの成長のため、ゲームを用意した。各自に課題を用意したからクリアデータを残しておくように」



 「「はーい!」」


 「霊界 魂」ちゃんは、ファイアーエムブレム(FE)というゲームを渡され、課題メモにはこう書かれていた。

 ①所持金5000$を超える事

 ②ユニットを30人超える事

 ③武器を最大覚醒する事

 ④トゥルーエンドを迎える事

 ⑤ジェノサイドルートをクリアする事

 ※攻略サイトは使わない事。順番通り達成する事


 ネットで調べてはいけないので初見プレイで楽しんだ。取扱説明書は一通り読んだ。


 まず中世ヨーロッパで主人公剣士カイルは馬を操って、領主として統治した。迫りくる蛮族を倒しつつ、伴侶と幸せに暮らしましたとさ。無事、所持金5000$相当を得て①をクリアした。

 初見プレイだったため、29人まで集まったが一人足りず、途中で数人倒されてしまったことをちょっと悔やんだ。


 次に2300年のストーリーに入る。近未来SFで宇宙探索しているワタナベは敵の宇宙人の侵略に耐えながら、地球に帰還した。プレイヤーは魂ちゃんだが、ゲーム内で動いている仮想キャラはカイルではなくワタナベである。ワタナベは前のカイルの事など一切知らない。

 しかし、操作している魂ちゃんは2人の主人公を見ている。FEというゲームに少し慣れ、マップで怪しい奥地の隙間があったら、ちょっと入ってみて調べたりするようになる。すると、闇の店に入って強力武器が手に入るのだ。

 魂ちゃんは、敵の行動AIにも慣れ、ダメージをさえつつ効率的にプレイする事が出来た。宇宙では資金かつかつなため、①の資金は2000$程度だったが、既にカイル編で達成しているためOKだ。次の②ユニット数は、前の失敗を踏まえて弱キャラをしっかり守るようなプレイに徹した。

 無事、32ユニットでクリアし、②も達成する事が出来た。③の武器最大覚醒は、ガチャして頑張って重ねていったが間に合わず、残り2覚醒でラスダンになりクリアする事となる。



 次に2000年のカズヨシ編に入る。今回の目的は③④⑤である。平和な日常だが、時々訪れるチンピラとの戦闘がメインだ。

 3回目ということで、育成については武器も火力・速度特化でカズヨシを育てる。あっという間にレベル50となり、一人で無双できるレベルとなった。過去の2人を彼は知ることはないが、魂ちゃんはこのゲームの傾向が分かっているため、無駄のないギリギリプレイができるのだ。




 会話パートで突然の分岐が発生する。どうもカズヨシは、本来の力ではない「何か」を感じた。それは、彼自身が知りえないマップの裏の店や見たとこのない敵の弱点を初見でぶち抜く不思議さだった。


 カズヨシ「どうも俺には知りえない別の情報が入ってきてる。おかしい」


 プレイしている魂ちゃんは、面白がって奇妙な移動や攻撃を選択する。次第にカズヨシは確信する。




 カズヨシ「この世界には、俺らを操る何かが存在する。それを証明したい」


 魂ちゃんはそんなゲームのキャラごときに見えない操作プレイヤーがわかるわけないだろとニヤニヤしていた。



 2020年の舞台、ストーリー内でカズヨシは企業と連携して「奇妙な操作結果」を統計して何か

の法則を導いた。


 中世に存在したカイルと行動原理が99.9%一致していたのだ。そして、味方キャラの名づけ法則から「未来のワタナベ」という存在まで彼らは発見し証明した。

 2050年、カズヨシグループは未来のワタナベの情報をカズヨシから機械的に引き出すことに成功し、宇宙旅行の新技術を提供した。


 そして、そうしている「神」がどのゲーム=世界線にも存在して操っていることが世間に広まった。



 魂ちゃんはワクワクした。



 そして、カズヨシ編のラストダンジョンで、いつものキャラ同士の対話の後、急にこちらを見た。





 「これを見ている神よ。次のカルマはトゥルーエンドを見た後に、ジェノサイドするのだろう?動かした君のために、この世界を犠牲にしよう」


 なんと、カズヨシはゲーム内で知るよしのない「メモの課題」まで傾向分析によって見抜いていた。カズヨシに眠っていた前世の二人、その行動履歴から次にクリアすべきカルマ(宿命)がAIで産出されていた。


 カズヨシ編のクリアによって、残りの④⑤がクリアし終了した。本来であれば、あと数回は次のストーリーで昇華するべきだったが、3人目のキャラクター一人によって早くゲーム課題を終わらせることができた。魂ちゃんはこの結果をじん先生にレポートとして返却した。



 神先生「おお!魂ちゃんは短い時間でクリアできたのだな。良い経験を集めてくれた」


 他の生徒を見ると、メモの課題を半分も消化できなかったり、途中でプレイヤー自殺連鎖が起きてゲームが継続できなかったりと色々あったようだ。



 神先生は生徒全員のゲームとレポートを受け取った。


 「今回の地球SLG編をプレイして、皆成長できたと思う。ではまた来年もよろしくな」


















 



















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