3-3. 戻せない誤認:電流逆なのにもう遅い
3-3. 戻せない誤認:電流逆なのにもう遅い
人類は科学や物理を研究した中で間違ったまま、広まってそのまま慣例で残っているものが多々ある。なろうで有名な「もう遅い」ジャンルは数百年前からあったのだ。
電流はプラスからマイナスに流れるというのは皆も知っている通りだが、電子の流れは何故かマイナスからプラスに逆流している。これに疑問を持った人はいるだろうか。イタリアの物理学者であるボルタが電池を発明した時に、銅板をプラス、溶け出す亜鉛版をマイナスと決めた。その後、電子が発見されたときに、プラスからマイナスに電子が流れるのではなく、マイナスからプラスに流れていることが分かった。でも今更逆なんです! って言ってももう遅いので、電子の動きと電流は逆と決めた。
もう一つ、スウェーデンの薬剤師カールが酸素を発見した時に「酸を生む物」として「oxygen」と名付けたが、酸性ではなかった。でも名前が広まってもう遅いので、酸素として使われている。円周率rを「円の直径に対する比率」ではなく「円の半径に対する比率」にしたら美しくなっていたなど。広まった後に間違いに気づいたけど戻せないストーリーは面白いと思う。
地球上の間違った定義が、異世界では正しくなっているかもしれないし逆に誤認として表現されているものが増えているかもしれない。




