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14-10 「洗脳♪順応♪幸福度ぉ!」 ビッグブラザーから考える洗脳と情報化の回答例①

14-10 「洗脳♪順応♪幸福度ぉ!」 ビッグブラザーから考える洗脳と情報化の回答例

 イギリスの作家ジョージ・オーウェルの長編未来小説「一九八四年」は1949年に書かれた。80年も前にも関わらず、先進的な設定とストーリーがある。ぜひ読んで欲しい。


 資本主義、社会主義、共産主義。国と国民がどのようにルールを定めて暮らしていくか、様々である。3つのメリットデメリットを簡単に書く。


①資本主義 資本家が従業員を雇って利益を得る。自由だが格差が大きい

②社会主義 国が国民の生産物を平等に分ける。配分が平等だが、サボる国民が増えて破綻する

③共産主義 政府すらなく、全国民が資産を共有する。成功例なし。AIに委ねるなら可能か?


 その国の国民ごとの幸福度の平均値を最大化する、という目的においてどれが一番か考える。


 資本主義は今の主流であるが、年収1000万を超えると満足度の上昇がなくなり、200万以下に落ちると不満が増大するそうだ。一部の資本家の幸福度は高いが、低所得者の不幸が多いために「ごく一部の成功者だけ幸福」となる資本主義はまず低いだろう。



 次に共産主義。社会主義から、特大権力を持つ国と政府を取っ払った真の平等を目指しているが、これを実現して継続している国は存在しない。国民全員が聖人で使命感で働き続けるならできるかもしれないが、まず不満から権力者になろうと内戦が起きるだろう。AIに完璧な生産物の回収と分配が行える能力があれば、可能かもしれないが……


 そんな強力で完璧なAIに権力を持たせたら、ターミネーター2のようにAIの反乱がおきるかもしれない。


 最後に社会主義。これはキューバ、ラオス、ベトナムなどで実際に運営されている。国に強大な権力を持たせて国民が生産したモノを平等に配布する仕組み。ソ連崩壊のように、怠ける人が増えて崩壊するため、今は資本主義が先進国の主流となっている。



 国民が最大の幸福度を最大化するには社会主義を掲げた独裁状態が一番良いと考えている。しかし、この独裁は「外部の情報を制限」することでしか実現できない。


 「赤子から青年まで極悪な環境で育て上げれば、1日パン1個でも幸福度は高くなる」


 その人の知識量はさておき、どれだけ幸せかの尺度は相対的なのだ。檻から出て、隣の国の生活を見てしまったら幸福度が急激に下がってしまう。


 高い生産性、高い技術を国民に持たせるためには技術書や世界の最新技術が必要だ。それを国民が自力で手に入れるのは、今はスマホやネットがある。それがなかったころは、本や教師による教えが一般的だった。そのため、活版印刷や渡航技術が発達する前の時代であれば簡単にできたであろう。


 現代でその幸福度を高くする方法を実現するには、憎悪が必須となる。小説「一九八四年」の二分間憎悪というものがある。2分間、憎むべき相手の映像を流してから自国の英雄が掃討することで、国民を洗脳するものだ。


 仮想敵国を作り上げ、国民に恐怖と怒りと悲しみを植え付けるプロパガンダそのものだ。それにより、内部の不満不平を仮想敵国や裏切り者に向けさせることができる。

 正確な情報と誤った情報が混在しているネットがある今では、簡単に真偽を確かめることができる。


 では、ネット時代に憎悪と洗脳を共存できる方法はあるのだろうか?


①憎悪の対象が、真実であること


②愚民化させ、技術的なこと以外は偉い人の発言を鵜呑みにさせること。同調圧力を快楽化すること


 ①は簡単である。実際に集団虐殺や種族抹消を起こしていて、証拠が揃っているならその通りに報道すればよい。今ならば国連や人権団体も加わって、自国が何もせずとも仮想敵国は叩かれて消滅するだろう。


 ②が重要である。仮想敵国を作って国内不満を全て憎悪に向けさせることになるが、実際に起きていないことまで捏造して過激表現して洗脳する。これは簡単なことではない。

 ネットがあるため、すぐに真偽がバレて嘘つきメディアの信用を失うのだ。上が信用を失えば転覆もありうる。そうさせないための地盤が必要となる。


 それが国民総愚民化である。


























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