14-1. 日本旅行カルチャーショックネタ 「くつを脱がない異世界令嬢イシスはん」
14. 妄想なろうジャンル 日本旅行ショックあるある 「くつを脱がない異世界令嬢イシスはん」
14-1. 日本旅行カルチャーショックネタ 「くつを脱がない異世界令嬢イシスはん」
今後開発され確実に増えるであろうなろうジャンルを考えてみる。
日本旅行カルチャーショックネタである。
YOUは何しに日本へ?のような、日本好きで来た外国人が日本人が驚くような日本文化披露する感じである。逆に、日本人が海外の奥地で活躍したり生活する逆も存在する。
日本人に限ったことではないが、外国人が自国の文化に興味を持ってもらい、直接触れて、感動し、自慢する光景を見ると嬉しくなるだろう。また、自国民が海外で活躍し、海外のメディアが賞賛していたら、同じ国民として嬉しくなるだろう。
異文化を紹介しつつ(海外と外国人の特性を見せつつ)、自国の埋もれた文化の再確認し、日本国と日本人をべた褒めする内容をミックスさせた。日本人はそういった自国褒めに弱いので視聴率がとれてしまう。だから、外国人の日本好き番組はここまで増えたのだ。
となると話は早い。なろうのような文字媒体でもこのジャンルは間違いなく読まれて評価される。しかし、今の2021年時点ではそこまで書かれていないジャンルであろう。
なぜか?
海外経験がない小説家には書きづらく、海外から共感され辛いということだ。要は経験不足である。逆に考えるとわかりやすくなるだろう。
日本の陶芸がガチで好きな人が日本で20年修行して陶芸家となり、海外や日本で売って評判が良い。こういった行動と実績と評価が伴う、ガチ勢ならば感心して番組を見たくなるだろう。
日本に来たことがない忍者ファンが、ありもしない必殺技で無双するのに英国文化丸出しの生活をしている忍者小説を書いたらどう思うであろうか。
興味持ってくれるのはありがたいけど、それは忍者とは呼べない。もうちょっと文化を学んでから書いてほしい。
そう思うだろう。書いてくれたことはうれしいが、海外から見た妄想・空想であり、一種の忍者に対する冒涜になってしまう。これが流行して忍者のイメージが変わってしまったら、先代の本物が悲しむだろう。史実と違う、考察の足りないことは正すべきだと自分は思っている。
アボガド入りカリフォルニアロールが海外で「これが本格的な日本寿司デース!」と宣伝するようなものだ。
つまり、にわかファンの間違った空想ジャンルは当事者(元ネタ関連者)は困惑するだけなのだ。
この日本旅行あるあるなろうネタ(その逆の日本人海外賞賛wao)で必要な要素は、外国人と日本文化(海外文化と日本人)である。逆パターンとして、日本人が海外に行って、文化に驚くというのも多々ある。カナダでサウナが男女素っ裸だったり、中国ではトイレに紙がなく自分で持っていく習慣などである。
今の時代、相手国に対して侮辱するような異文化ネタは叩かれかねないので、良い方向によるカルチャーショックをなろう化しよう。日本の「忍者シュシュシュ!」とならぬよう、ちゃんと相手文化を尊重し、それをエンタメとして昇華させる技量を持つべきである。
なろう投稿サイト特有の弱点として「共感されないと数秒きりされること」である。タイトルによるパワーワードであらすじまでタップさせても、海外のガチ文化ネタをそのまま書き出しただけではそっとじが多くなる。日本のなろう読者の心を鷲掴みできる加工の能力が必須である。
片方はなろう小説化には当たり前に書けるが、海外文化と外国人という日本国内では体験しにくいものは非常に書きづらいのだ。この異文化情報を習得して書き出すためには、半年海外に住んだり、留学生と交流したり、本等を読み漁るしかない。
なろう小説で当てたい若いそうにはハードルが高すぎるのである。ゆえに空席のジャンルであり、専門家の監修協力のもと、なろう有力作者が手を広げれば売れるジャンルとして流行るだろう。
この2つのジャンルは、多くの可能性を秘めるブルーオーシャンである。もっと増えてほしいと思う。ここで異世界旅行あるあるジャンル例を1つ。
「くつを脱がない異世界令嬢イシスはん ~愛する娘とイシスへ。ド田舎の一家の井戸に転生した彼女と半年過ごしたら逆に俺を巻き込んで異世界に戻された。丁重にもてなされて結婚したが、どうやらあと一週間で戻されるようだ。だから遺書を残す~」
異世界側で馬車に轢かれて亡くなった女性イシスは、とある民家の井戸の中に転生する。都内の大手企業に就活する工藤卓也と出会い、ドタバタするコメディ。
高級魔術が使えるイシスは、卓也に助けられて衣食住を共にする。靴を脱がずに土足で入るイシスに怒る親父、全員一緒にふろに入る文化などで当惑する卓也。意気投合し、1か月後に彼女を抱く。転生半年後に、逆に卓也とイシスは異世界側に飛ばされて、あちら側の待遇を受ける。卓也はイシス一家にもてなされ結婚するが、その半年後に卓也だけ転送されて別れるEND。1週間前に転送を感づいた卓也は、彼女と娘に遺言を残す。
このように「海界旅行」異文化コミュニケーションと尊敬と賞賛を取り入れたジャンルは割と面白い。
「界外旅行」
「帰界子女」
といった、4文字でもストーリーが見えるパワーワードは今後改造されていくだろう。




