13-8. 宗教に染まらず天地の経験を受け入れたこと④ 「負けたことがある」というのがいつか大きな財産になる
13-8. 宗教に染まらず天地の経験を受け入れたこと④ 「負けたことがある」というのがいつか大きな財産になる
スラムダンクの名言である。
天地の経験を受け入れたこと、というのは民族が人として「良い環境と悪い環境」を広く体験したことである。
受け入れたこと、というのはその境遇に対して優劣を認め、成長して取り入れた地盤があったことになる。
ペリー来航から不平等条約が結ばれて、その条約を改善するために日本政府は立ち向かった。それが明治維新からの発展につながった。
単に、他国の技術に飲まれて諦めたり、国民が納得せず反乱するといった受け入れる地盤のない国では良い表現ができないのだ。
その後、戦争の時代に突入し、日本は敗戦してGHQの配下で占領状態になった。
アジアの制覇という大きな成功と、敗戦と洗脳教育という負の落差が大きい。ここまでの差を短期間でかつ、国民が多く受け感化された民族は日本だけだと思っている。
一方的に勝ち続ける国はアメリカであり、原油国は「しくじり国家」として出るパターンはあれど、国民を養えるほどの財源はあるだろう。今の中国は急激な経済成長はあるが、先述の独裁による表現制限、文化制限、格差社会と急激な少子化が進んでいる。
そのため、アメリカには敗者の価値観と思考、中国には民主制価値観の欠落がある。
勝者、敗者、支配する者、される物に正義があり衝突する。進撃の巨人のようなストーリーは日本以外からはまず生まれないだろう。
敗者だけ経験している国は、そもそも滅ぼされているし、勝者の国に吸収されて文化が残せない(チベットやウイグル)。
地球の絶対勝者の国では、勝者の発想しかないため、バランスよく良し悪しを体験した民族の表現と違いが出る。これが大きい。
自分は戦争時代にはまだ生まれていない世代だ。戦争は悲しみを生むだけの悪い行為で、日本が負けたのは悔しさもある。だが、その後アメリカが日本を社会主義の壁と便利屋として育ててくれたこと、他の戦争特需があったこと。その正負の体験ができた「絶妙な運」が、今の日本を作ってくれたと思っている。
運よく連戦連勝で世界を制覇した日本帝国になったら、軍事優先となり今のような豊かな表現はできなかっただろう。元寇に負け、明治維新が起きずに西欧に植民地化される連戦連敗をしたら、表現できる国民が絶滅して移民に塗り替わっていただろう。
今の地球のような、偶然と奇跡が重なり合ってできた奇跡の星、それと同じだと言える。
文化圏と絶妙な距離で、宗教に染まらず、勝ちと負けを経験し、表現の制約が少ない奇跡の国。
以上が、日本でなろう文化が海外で評価される要素である。
・ユーラシア大陸から程よく離れた島国だったこと
・肥えた土壌と災害の多い活断層プレートの近くだったこと
・宗教に染まらず天地の経験を受け入れたこと
この考察に偏見はあるだろう。もし読者で自分の意見がある人は、気兼ねなくコメントして欲しい。
 




