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日記(男性A、女性R)  作者: 雨無はれやか
4/6

日記(男性A-3,女性R-2,3)

引き続き確認作業をお願いします。

○月□日

ひと段落ついた、という感じがする。

友達が出来た。嬉しいなあ。

今日はこの幸せを噛み締めながら寝るとしよう。


○月□日

まだ少し慣れないようで敬語が抜けないが、ラビットは今までと格段に違う。笑うようになった。顔をクシャッとさせる無邪気な笑顔で、見ていて幸せになる。


【Rabbit】

今までアサキの存在を気にしてお世辞をひたすら書き連ねていたのが馬鹿らしい。

アサキは最初から私を奴隷としてみていなかったし、日記も見ていなかった。私があんなに苦労したのは無駄だったんだ。

これからは、何も気にせず普通の日記を書いていこう。


○月□日

ラビットがきちんと会話に答えてくれる。ラビットの人間性がますますわかってゆく。こんなにも楽しく時を過ごせるなんて、これが、友達という存在の、価値だろうか。素晴らしいものだね。


【Rabbit】

アサキが可愛い。

本当に孤独だったのだろう、私という友達の存在が本当に嬉しいようだ。体の小ささも相まって、愛らしくてたまらない。


○月□日

ラビットの目に感情が感じられるようになった。いつも優しい目をして僕を見る。包容力のある目だ。そういえば年齢は180近くと言っていた気がする。

追記

僕は大変なことをしていた!ラビットとの年齢差は100を優に超える!それなのに僕はずっと敬語を使っていない!


【Rabbit】

夜、アサキと寝ていると、本当にアサキの小ささを感じる。あんなにも小さい存在が安らかな顔をしてすやすやと眠っている姿を見せつけられるんだ。愛おしくてたまらない。


○月□日

昨夜、布団に入った時、ラビットに抱きしめられた。僕の中に色んな感覚が怒涛の勢いで流れ込んできて、混乱のあまり石のようになってしまった。今でも落ち着かない。この感覚はなんだか忘れたくない。


しあわせだった。


【Rabbit】

気がつくとアサキのことを抱きしめていた。寝ぼけている内に抱きしめていたのかもしれない。

それにしても、あの時のアサキはとても可愛かった。顔を真っ赤にして、私の胸を見つめてた。

そういえば、アサキは15歳。思春期だ。


○月□日

今日は、きちんとラビットに謝った。敬語を使っていなかったこと。ラビットは笑っていた。何も気にしないよと。

そして、敬語なんて使わないでと。


【Rabbit】

アサキの可愛さに果ては無いのだろうか。私の方が年上なことを気にしていたみたいで、敬語を使っていなかったことを謝ってきた。本当に真面目な子。


○月□日

謝って以来、抱き締められる頻度が増えた。これは、仲良くなれている証拠だろうか?巨人の世界では抱き締めることは普通なのか?


【Rabbit】

アサキが小さくて可愛いものだからついつい抱きしめてしまって、もう最近では慣れてしまった。アサキも慣れてきたみたいで、顔を赤くしていることが少なくなった。すやすや眠っていることがある。

その時の顔の可愛いこと。


○月□日

そろそろラビットがここに来てから一年が経つ、つまり、僕の誕生日も来る。

今年は一人じゃないんだ、豪勢にしなきゃ。ラビットが楽しめるくらい祝ってあげなければ。


【Rabbit】

アサキによると、私はここにきてから一年経つらしい。そのお祝いをしてくれるんだそうだ。アサキの誕生日と一緒に祝うらしい。楽しみにしていてとアサキが言っていたから、楽しみにしていよう。


○月□日

今日は誕生日だ。そして、ラビットの一周年記念だ。美味しいケーキと、牛の丸焼き、ワイン樽、大釜に入ったシチュー、ラビットのサイズに合わせて作ってもらった。喜んでくれるだろうか。


【Rabbit】

今日のお祝いはどんなものだろうか。

ここに来てから、一度もお祝いなんてされたことがない。私は奴隷だし、アサキのついでだろうけど、本当に楽しみだ。

私まで祝ってくれるアサキの優しさが嬉しい。


○月□日

昨日の夜、僕が誕生日を祝うことをどこで聞きつけたのか、祝の席に大人達が集まっていた。そのせいで、ラビットのために用意したものが全部食べられてしまった。台無しだ。人のいる所では、ラビットは奴隷のままだし。実際、ラビットが笑うことは一度もなかった。

近日中に、今度はこの部屋でお祝いをしよう。ちゃんと、僕とラビットだけのお祝いを。


【Rabbit】

ついでということはわかっていても、やはり落ち込んでしまう。


○月□日

今日は、ラビットのお祝いだ。

豚の丸焼き、ホールケーキ三つ、小樽のワイン二つ、大皿に入ったシチュー、ブールをたくさん。

これはラビットのためだけに用意した。もう誰の邪魔も入らない。ラビットは喜んでくれるだろうか。


【Rabbit】

アサキは優しい。

私のために、私のためだけに、料理やケーキやお酒を用意してくれた。しかも、私がちゃんと満足できる大きさのものを。

こんなに楽しく食事したのは久しぶりだ。こんなにも幸せなことがあるなんて、私はこの家に買われてよかった。

もう抱きしめないなんて言ったけど、今日だけはいいよね。


○月□日

今日はなんだかラビットの機嫌が良かった。昨日からずっと機嫌がいい。そして僕のことをよく抱き締める。

そんなに昨日のことが嬉しかったのだろうか。昨日の夜は、僕のことを抱きしめたまま離さなかったしね。用意した価値が十分にある。


【Rabbit】

アサキが愛おしい。こんなに優しくて、可愛くて、小さい子に会えるなんて。本当に可愛い。大好き。酔っ払ったりなんかしたら襲ってしまいそう。

今日はお酒に手を出さなくてよかった。


○月□日

ラビットがワインを残したままでいるのに気がついた。一度開けてしまったし、このままだと風味が落ちてしまう。

ラビットに飲んでもらおうと思ったが、お酒は大丈夫だろうか。


○月□日

ラビットがお酒を飲まなかった理由がわかった気がする。

昨日は凄まじかった。

ラビットに、襲われた。

キスされた。舐められた。

あの大きさで襲われると…疲労がすごいよ。

もう、ラビットにお酒は飲ませないでおこう。


【Rabbit】

お酒を飲んでしまった。

記憶が無い。何をしたのだろう。

そういえば、アサキの様子がいつもと少し違う。少し、距離が離れているような。

昨日、一体何をしたのだろう。

聞くに聞けない。


【Rabbit】

後から、あの日、アサキに何をしたのか知った。赤面なんてものじゃない。アサキは怖くなかっただろうか。いつも通りに見えるが、我慢してないだろうか。気になって仕方がない。

ああもうお酒なんて飲まない。


○月□日

数ヶ月ほど、特別日記に書くような出来事がない。ラビットとは打ち解けた。相変わらず抱きしめられるが、もう戸惑うことはなくなった。

普通に話して、食事して、遊んで、寝る。しあわせだ。

ラビットは、家族のような、姉のような、恋人のような、友人のような、何とも形容できないがとても大切な存在になった。


【Rabbit】

アサキが新しく日記をくれた。

私が日記を書かなくなったことに気がつくとは思わなかった。でもおかげで、今日からまた日記を書ける。

アサキが外出してる間の大事な暇つぶしだ。


○月□日

こうして、日々ラビットと楽しく過ごしているが、本当にこのままでいいのだろうか。ラビットは、故郷が気にならないのだろうか。なにか事情があるのなら仕方ないが。


【Rabbit】

アサキに、本当に故郷に帰らなくていいのと聞かれた。帰りたくないわけでもないが、私が帰ってしまうと、もう二度とこちらに戻ってこれない。私が帰ったせいでアサキが殺される可能性もある。

私は、故郷に帰るよりもアサキと一緒にいたい。


○月□日

ラビットが日記帳を開きっぱなしにして寝ていた。人の日記帳なんて、見てはいけない。けれど、見えてしまった。その中に、僕が殺される可能性があると書かれていた。

一体どういうことだろう。これは、日記を見てしまったと正直に伝えるべきか。


【Rabbit】

日記を書いている途中に寝ていた。そのせいで、アサキに日記を見られたかもしれない。よりにもよってあんな内容を。

見られてなければいいが。


○月□日

ラビットに聞いてみた。

ラビットが帰ってしまうと、ラビットの知人によって僕が復讐のために殺されるかもしれないらしい。

ラビットが故郷に帰れないのは僕のせいか。僕のためにラビットはこの屋敷の狭い部屋で過ごしているんだ。なんだか申し訳ない。


【Rabbit】

見られてた!!よりにもよって最悪な部分を!!

ああ、アサキに話してしまった。どうなるだろう。優しいアサキのことだから、何かしようとするに決まってる。あんまりアサキが損しないことだといいけど。


○月□日

昨日は納得してしまったが、なんだかラビットの話が引っかかる。

復讐で僕を殺すということは、ラビットはそれだけ故郷で大事にされているというわけだ。そんなに大事な存在がいなくなったら、普通は探すのではないか?

だとすると、ラビットが帰っても帰らなくても僕は殺される可能性がある。

これはどうすべきか。


【Rabbit】

アサキの言葉で気がついてしまった。

確かに、故郷の皆のことを考えてみれば、私のことを探しているかもしれない。幸い私は外を出歩いていないからいいけど、もし見つかるようなことがあれば、アサキに何かあるかもしれない。

どうしよう。一度帰って、みんなを安心させるべき?


○月□日

僕は決めた。ラビットに一度帰ってもらう。僕のためにここに残ってもらうのは申し訳ない。


【Rabbit】

どうしよう。アサキは私に帰ってほしいみたい。でも、アサキのことが心配だし、かといって帰らなくてもアサキが心配だし、どうしよう。

もういっそのこと、一緒に帰れば、アサキの存在を許してもらえる気がする。

それがいい。


○月□日

ラビットの帰郷についていくことになった。ラビットの故郷。巨人ばかり。

大変だ、気をつけなければ死んでしまうかもしれない。

頑張って生きて帰ってこよう…。


【Rabbit】

一緒に帰ることになってしまった。

どうにかアサキの存在を守ろう。

何が起こるかわからない。


○月□日

今日は出発日だ。

馬車は無しで、ラビットと一緒に北の森まで歩く。体力にはあまり自信はないが、頑張ろう。

野宿も有るんだ、気をしっかり持たなきゃいけない。


【Rabbit】

出発だ。ドキドキする。外の世界に初めて出る。浮かれてアサキを危険にさらさないように頑張ろう。気をしっかり。


○月□日

ラビットとの歩幅の違いが大きすぎて、結局ラビットに運んでもらうことになった。


【Rabbit】

外を歩くと、アサキとの体の大きさの違いをハッキリと感じる。

こんなにも歩幅が違うなんて思わなかった。でも、おかげでアサキのことをカバンに入れて歩ける。カバンから顔を出してるアサキはなんだかすごく可愛い。


○月□日

ラビットに運んでもらうのは申し訳ないが、ラビットの肩掛けカバンの中は中々居心地がいい。

ラビットの髪が長いせいで僕の元までせっけんのいい匂いが漂ってくる。歩く度に起こる揺れもなんだか眠気を誘う。


【Rabbit】

今日は、アサキがカバンの中でうとうとしていた。居心地がよかったのかもしれない。


○月□日

馬車で半日しかかからない距離。歩くと三日もかかるのか。

二日間の野宿ももう終わりだ。ラビットの故郷は一体どんな場所だろう。楽しみだ。


【Rabbit】

懐かしい。私の故郷。

使用人達が皆驚いていた。たくさん心配をかけたけど、こうして帰ってくることが出来てよかった。何もかもアサキに出会ったおかげだ。

明日は、みんなにアサキのことを紹介しよう。アサキが私の恩人だと紹介しておけば、アサキの身は絶対安全だし、私がアサキと一緒に過ごすのも問題じゃなくなる。

明日は頑張ろう。


○月□日

ラビットに連れられて行った先にはたくさんの巨人がいた。皆メイドの格好をしていた。ラビットに恩人だと紹介されて、なんだか嬉しかった。

帰ってきた挨拶をするために、ラビットはしばらく忙しくなるらしい。

明日からは僕が巨人の世界で困らないようにメイドが二人つくそうだ。

それにしても、ラビットはかなりのお嬢様だね…。


【Rabbit】

私が直々に紹介したおかげか、皆、アサキが恩人であることをすんなり信じてくれている。明日からは色んな人に挨拶しなければならない。私が帰ってきたと知らないままだと、私を探すために物騒な事を始めようとするかもしれない。


○月□日

今日から僕につくメイド二人。

一体どんな二人かと思えば双子だった。

初対面からいきなり質問責めだった。

ラビットとどう出会ったのか。何をしていたのか。変なことはしていないか。

5mの巨体が二体、僕に迫って質問を浴びせるんだ。中々の迫力だった。

でも、良い人達だ。安心。


【Rabbit】

双子メイドはアサキのことを気に入ってくれたみたい。小さい、可愛いと口々に私に報告してくれた。

さっさと用事を済ませて、私もアサキと話したい。頑張ろう。


○月□日

今日は双子に屋敷を案内してもらった。

巨人の屋敷だとか関係なく、広い。

僕の屋敷よりも部屋数が多い上に、使用人もたくさんだ。

どうしてラビットはこんな身分でありながら奴隷になっていたのだろう。誘拐されて奴隷商人に買われた、とかだろうか。


【Rabbit】

明日には挨拶が終わりそうだ。

終わったら、アサキとたくさん話そう。私の好きなもの自慢しよう。一緒にご飯食べよう。


○月□日

今日は双子に挟まれて庭で昼寝をしたが、メイド服の洗いたての洗剤の匂いや、太陽のあたたかさに包まれて、幸せな空間だった。

そして夜は、ラビットと一緒にご飯を食べた。自分よりも大きな料理が消えていくのは中々壮観だった。

ここはすごく楽しい所だ。


【Rabbit】

昼間、双子メイドとアサキが昼寝しているのが見えた。もう羨ましくてたまらなくて、必死の想いで知り合い皆への挨拶を終わらせた。おかげで夜ご飯をアサキと一緒に食べられた。

食卓でのアサキは可愛かった。椅子の座面にアサキ専用の高椅子を置いて、私と同じ食卓で食べられるようにした甲斐があった。


○月□日

昨日で双子の仕事は最後だったみたいだ。機会があればまた会いたいな。

それにしても、今日はすごかった。

今日はラビットに抱きしめられながら庭で昼寝をしたのだが、ラビットが仰向けに寝転んだために、ラビットの体の上で寝ることになってしまった。

その時、僕の枕になったのは、ラビットの柔らかいモノだ。すっごく柔らかかった。

昨日より幸せだったかもしれない。


【Rabbit】

おっぱいが大きくて、よかったかもしれない。昼寝の時、私のおっぱいを枕にして寝るアサキのあのまどろんだ顔。忘れない。

可愛かった。


○月□日

今日はラビットの宝物を見た。

だが、これについては深く書けない。

大人にこのページを見られると、北の森が侵されるかもしれない。

(補足。このページの文字は酷く薄くなっていました。一度書かれた後、執筆者によって消されたと思われます。)


【Rabbit】

今日はアサキに私の宝物を見てもらった。

私の宝石箱。今までずっと拾い集めた、たくさんの宝石達。

全部この村の洞窟で拾ったんだよと、アサキに説明したらすごく驚いていた。

アサキの街には中々出回らない貴重な宝石ばかりらしい。

そういえば、アサキの宝物は何だろう。


○月□日

ラビットに、僕の宝物は何か聞かれた。

僕にとっての宝物、それはラビットだけだ。特別趣味はないし、貴重な物も持ってない。

一番仲が良くて、一番落ち着ける特別な存在はラビットだけ。


【Rabbit】

アサキの宝物は何?そう聞いてみたら、ラビットだよと言われた。

あんなの、ずるい。嬉しくならないわけがない。照れないわけがない。


○月□日

ここに来てから今日で何日目だろう。

ここは居心地がいいし、ラビットと自然体で話せるし、いつまでもいたくなる。

でも、もし僕がこうして家を開けている間に、父さんが帰ってきたら…僕のことを探すかもしれない。

惜しいけれど、ラビットのために、僕は帰らなければならない。

父さんにこの場所を知られる訳にはいかない。


【Rabbit】

このままずっとアサキと一緒に暮らしたい。ずっとこうして幸せでいたい。

こっちに来てからのアサキの笑顔は、何か違う。年相応の無邪気な笑顔を浮かべる。

アサキもここで暮らしたいって思ってくれていたらいいな。


○月□日

帰らなければならないことをラビットに伝えると、すごく残念そうな顔をしていた。

でも、仕方が無い。

どうにか策を見つけて、はやくこっちに戻ってこよう。


【Rabbit】

アサキとは一緒に暮らせないみたい。

アサキが帰る理由はもっともだ。でも、寂しいな。

おとなしく、アサキが戻ってくるのを待っていよう。


○月□日

急だが、いち早く戻ってくるために今日出発した。しかし、僕の歩幅では家まであまりに遠い…。しばらく野宿が続きそうだ。


【Rabbit】

ドタバタと出発していったが、アサキは大丈夫だろうか。私の歩幅で三日かかるのに、アサキのあの歩幅なら一体何日かかるのだろう。

心配でたまらない…。私が行くと怒られそうだし、双子メイドに護衛を頼もうかな。


○月□日

朝起きると、目の前に双子がいた。

二人に顔を覗き込まれていたが、寝起きにあれは本当に心臓に悪い。大きな野生動物なのかと思って死を覚悟したよ。

でも、二人の存在は心強い!


【Rabbit】

双子メイド達は快くアサキの元に向かってくれた。でも今度は双子メイドのことが気になってきた。私のように攫われたりしないかな…。


○月□日

行きはラビット、帰りは双子。

僕はろくに歩いてない。歩幅が小さいとはいえ、こうまで誰かの力に頼りっきりだと申し訳なくなる。

かといって、なにか出来るわけでもない…。どうしようか。


【Rabbit】

メイド長に、双子の様子を見に行ってほしいと言ってしまうところだった。

危ない。これ以上護衛を増やすとかえって見つかりやすくなってしまう。

我慢しよう。


○月□日

夕方頃に無事家に着いた。

せっかく僕をここまで送ってくれたのに、そのまま帰らせるのは申し訳なかったから、一日だけ休んでもらうことにした。

使用人達に余りの菓子を分けてもらって、とびきりでかいお肉も焼いてもらった。

おかげで双子の笑顔が見れた。


【Rabbit】

そろそろ着いている頃かな。

何事も無ければいいけど。


○月□日

起きると双子に挟まれていた。柔らかいものが左右に…。

ラビットに抱きしめられるのとは違った心地よさがあった…。

その後、朝食もご馳走し双子を見送った。

帰り道で何事も無い事を祈ろう。


【Rabbit】

順調なら、明日か明後日頃に双子メイドが帰ってくる。早く帰ってきて欲しい。

アサキも双子メイドもいなくて寂しい。


○月□日

部屋がとても広く感じられる。こんなに広い部屋で一人過ごしていたのかと思うと昔の自分に驚く。

さて、明日からは本格的に、この家から離れる方法を考えよう。


【Rabbit】

今日は帰ってこなかった。

きっと明日帰ってくる。

双子メイドが帰ってきたら、抱きしめよう。寂しい。


○月□日

思いつく限りでは三つの方法がある。

どれが一番いい方法だろう。

現時点の僕の貯金や、父さんが僕の事を探したりしないような方法。


【Rabbit】

双子メイドが帰ってきた。

誰よりも早く迎えに行って抱きしめた。

私のようにならなくてよかった。

あとは、アサキが戻ってくるのを待つだけだ。


○月□日

決めた。北の森の近くに家を建てよう。

あんな辺境なら誰も土地代をとったりしないだろう。しないよね?

今の貯金全部使って家を立てよう。今の仕事からも離れよう。

父さんの手伝いなんてしたくないしね。


【Rabbit】

寂しい。アサキがいないから。

帰ってきたばかりで仕事もないし。

双子メイドとのんびりしてるだけ。


○月□日

家を建てることはもう決まった。

大工には完成したら連絡するように言ってあるが、何日ほどかかるだろうか。

一週間以上はかかるだろうし、その間に新しい職を探そう。


○月□日

北の森の近くにある村を数えてみると、一つだけだった。それも、ひっそりとした所だ。そんな所に職があるだろうか…。あったとして、日銭を稼げるかどうか…。


○月□日

少し離れた所にもう一つ村を見つけた。人が住むというよりは貿易のための村だ。

馬車で一日かかるが、ここなら工夫次第で稼げそうだ。何を売るかというのは、もう少しじっくり考えてみよう。


【Rabbit】

アサキからもらった詩集を読んで気を紛らしている。それにしても中々戻ってこない…。まだ待たなきゃいけない…。あぁ…。


○月□日

家が完成したと連絡があった。思っていたより早い。そして、安い。貯金全て無くなるかと思ったが、半分以上余っている…。

何の飾り気もない家屋だと金がかからないのかな…。


○月□日

早速家へ向かう。僕の歩幅だと…三日程の距離だろうか。遠いなあ…。


【Rabbit】

(猫の絵が描かれている)

(猫の口元近くに「暇だにゃー」「早く戻ってこいにゃー」と書かれている)


○月□日

さて、着くまでの間に、何を売って生計をたてるか考えよう。

僕としては、ラビットかメイドと取引して巨人が食べている肉や野菜を売りたいが、実現するだろうか。異国の食材だと言っておけば出処もバレないだろうし、いいと思うが…。


○月□日

やっと着いた!

完成した家は中々の出来だ。一人には丁度いい広さなうえ、人目につかない場所に建てられている。おそらく、巨人にも盗賊にも見つからないだろう。平和な一人暮らしが出来そうだよ。


○月□日

家具が届くまでの間ラビットの屋敷で過ごそうと思い、屋敷に来たのだが…誰も気づいてくれない。いくらノックしても扉が開かない。僕は小さすぎるのか…。

ひとまず今日は扉の前で野宿だ。朝になれば誰か気づいてくれるだろう。

気づいて欲しい!


【Rabbit】

何だかガサガサ物音が聞こえたから外に出て見たら、寝袋に入ったアサキがいた。

外で寝るのはあまりに寒いから部屋に連れてきたのに、全く起きない。すごく心配だ。

明日まで、暖炉の前でアサキの様子を見よう。


○月□日

目が覚めると、僕は屋敷の中にいた。しかも、隣にはラビット。

ラビットに見つけてもらったのだろうが、昨日からの記憶が全くない。野宿の疲れが出て熟睡してしまったのだろう。

それにしても、こうしてラビットの元に戻ってこれてよかった。やはり、ラビットと一緒にいると落ち着くな。


【Rabbit】

アサキは疲れて眠っていただけだった。

よかった。本当によかった。

目が覚めてからはいつも通りのアサキだった。今日からはまたアサキと一緒に寝れる。


○月□日

ラビットに抱かれて寝るのは久しぶりだった。ああ、ラビットは柔らかい、いい匂い、暖かい。なんて寝心地がいいんだ。

おかげで今日はとても快適な目覚めだったよ。こんな生活がしばらく続くと思うと、しあわせだ。


【Rabbit】

アサキと一緒に寝たのは久しぶりだ。

アサキは抱き心地がいい。そのうえ暖かい。余りに愛おしくて、戻ってきたことが嬉しくて、昨日はキスしてしまった。でもアサキは気づいていないみたいだった。

まだ疲れていたのかも。


○月□日

日記の最後のページだ。

最初から最後までラビットと過ごした日々だ。長く一緒に過ごしたんだね。

次の日記もラビットとの日々で埋めよう。


【Rabbit】

このページを書き終えると、アサキからもらった日記帳を使い切ったことになる。

明日からは私の街の日記帳だ。随分と書きやすくなるだろうけど、特別感がなくなってしまう。なんだか寂しいな。

次回翻訳作業にて、日記の翻訳作業が全て終了すると思われます。

次回確認作業もよろしくお願いします。

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