特訓?
ん
翌日、化石見つからず。
最後に、拠点に向けて最後の実験をする事にした。
健達には、「ひどい目に遭う未来しか見えない」とか言われた挙げ句、かなり遠くへ離れて行った。
多分、耳を押さえて備えているのが豆粒位の大きさに見えるのは、流石にちょっと警戒し過ぎに感じる距離なんだが…。
やるよーと二人に合図。
一応反対向きに放つ予定だけど…。
『対閃光ショック体制ー!』
『ヤー!』
―核っすか?
回復気法術は、手から出すばかりの物ではない。
そう、有りがちな口移しとか口からも出せる。
回復術+声
「すぅ〜〜〜〜〜〜…っ」
息を吸ったら両手は上に上げ手首を軽く曲げたら軽く握る猫のポーズをとる。
[「がおーーっ!」]
―影丞ブレス。
収束音波衝撃砲とでも言おうか見事に岩を貫通した。
離れた場所にいた二人が、耳を押さえ泡を噴いて倒れていた。 音を光ファイ場ー的に光線型回復術に載せて指向性を与えたつもりだったんだが、非殺傷手榴弾だっけ?閃光手榴弾とか音響爆弾とかみたいな効果発生。
光ってデカい音で怯ませる?
そんな生易しい範囲じゃねぇよ。戦場でやれば、敵味方関係なく戦闘不能に出来そうだ。
でも、影響範囲はデカいのに、石に空いた穴は小さい。つまり、もっと収束させられる余地があると思えばいいか。
二人の事は予想外過ぎたが、恐らく必要な犠牲だったのだ。
ごめん。ほんとごめん。
ダメージ0か無差別ダメージの二択って酷すぎる。
ピンチの中、黒い二番艦の艦長になる人が陽電子砲の使用を警戒するのを、艦長が無視できない訳だ。
結局運べなくて、野ざらしのまま、二人がいた所でもう一泊する事になり、殴られこそしなかったが翌朝メチャクチャ怒られた。
…もう絶対に試さないと約束した。
▼
ああ、夏も終わる。
そんな感じの涼しい風がひと吹きしてください。
「あっつ〜」
天井が焼るような熱を燦々と浴びせる太陽。
夏真っ盛りだよチクショウ!
家の中は、窓全開にしてても居れたもんじゃないわ。
扇風機?NO
クーラー?NO!
近場の日陰は路地裏で、綺麗な浅い小川に足だけ漬けて、柑橘系の汁と砂糖に塩水でビタミンと塩分補給。
普通の建物はレンガだから、小屋みたいな家ほどひどくはならないらしい。
…ああ、一応ローブ着てる。
遮断効果は健在だが、呼吸する空気の熱までは変えてくれなかった。
だからまぁ、他の人よりはマシだけど、川の側で寝てるオジサンが普通に居るし、オバサン達も川の中に足を漬けながら洗濯してる。
小川周辺は割と涼しいから、昼寝とか休憩にみんな出てくるみたい。
うん、そんなばしょで仮面つけたら、気味悪がられるから仮面は頭の後ろに垂らしてる。
そんなでも、道端から人居なくなるし、たまに通りがかる騎士とか冒険者が“ぎょっ”とした感じで、チラ見したりそっぽ向いて通り過ぎていく。
こんな仮面さらしてんのに、よく職質受けないなオレ。
※年端もいかない少女が、モモあたりまで晒し、ウトウトと水辺に座っている光景。
―危険だ。
背の高い金髪騎士の人、名前〜は名前〜忘れた。なんか、軽く挨拶交わしたりしてるが、他の人総スルーだ。
うん、顔は覚えたが名前わなんか長かったから忘れた。
騎士って割とゴツいんだがその人細身のイケメン羨ましいね。 貴公子とかって奴?
まあ、オレには関係ない。
美少女をくれ美少女。
まずはお友達から始めましょう。
「このあたり、女の子なんて居ないからな」
二十歳位のお姉さんは居るんだけどねぇ。
もともとそんなに居ないらしいが、寄宿学校だかでみんな王都とやらに行ってるらしい。
男子はたまに居るんだけど、女の子はまず居ないのさ。
冒険者以外の男子は徴兵に労働、女子は工房なんかに奉公だったり、学校で淑女教育を受けるらしい。
女子は手に職か玉の輿。
オレ?
いや、地元民じゃないと公言してるから大丈夫みたい。
宿屋の大将も、徴兵の経験者らしい。 まぁ、そのまま兵士になってたのが長くなったらして結婚遅れたらしいが…。
この国サンデッキ?小さいらしいが、隣国との境は山脈に囲まれてるし、小国群の外れにあるらしい侵略の心配は少ないらしい。でも、魔物のスタンピードは度々起こるので、徴兵をして戦力を補ってるそうだ。
訓練中にステータス持ちに目覚めたりすると騎士見習いとかになるんだと、元々ステータス持ちは少ないらしいが、戦闘職特化みたいな適性がないと派生しないもんらしい。
そのあたりは、良くわからんが徴兵のあるタイとかベトナムとかに生まれなくて良かったと思う。
マッチでも細マッチョになるくらい厳しいらしい。
ファンタジー世界に憧れる人は少なからずいるだろうけど、血を流す前提であれば躊躇うと信じたい。
さかなですらなまもののないぞうとかすごくキモいのでおすすめできません。
スライムは事故として、オレは、魚くらいしか殺ってないとか日本と大差ない健全な生き様だな。
しかし、女の子欲しいわ。
夏休みときたら、映画とか感動的物語が話題になる季節だってーのにな。
二人が日焼けしながら肉体労働してる間、部屋に入ってられなくて日陰に座ってるだけだとか情けない。
なんかこう、爽やかに汗臭い二人みたいに青春の1ページ的な何かがないものか。
…二人も、別に遊んでても許される資金力あると思うんだ。
理由付けとしては、夜街に遊びいく為の資金だとか何とか言ってたが、そこまで働く必要無いくらいローテ組んでるからな。
何もしないで家に居るよか楽しいんだろうね。
オレもアバ体を生かせ、かつ楽しめる職を探した方がいいのだろうか。
…、薬師でかわいくて自動回復とか、アロマテラピーのセミナーとかだろうか。
アロマキャンドルを作って、人を集めながらアロマキャンドルを焚いて自力で自動回復させておいて効果を売りつける。
一回目はお試し価格から始まり、セミナー代とでだんだんと値段が上げてゆけば、大金持ちに?
だめだ、効果もあるがそこまでいくと首と胴が泣き別れする未来しか見えない。
オレならちゃんと効果の有るアロマキャンドルも作れると思うが…。
自動回復を交えなければ大丈夫だろうかとも考えだが、そもそも セミナーを開くこと事態が、オレにとっての苦痛ではないか。
二段階目でまず不可能な事が判明。
金稼ぎは難しい。
言葉を話すのも難しい。
気がつけば周りに人も居ないし、発生練習でもしてみよう。
「…ぁぇいえあお」
演劇部が確かこんな感じの事してたか。
「となりのきゃくはよくかきくぅきゃくだ」
OK
「あかまきまき…っ!?」
まきまきて…。
「あかまきまぁ…っ!?!?」
噛むのはやぁっ!?
「よし、あかまきみ…」
あかまきがみすら全然言えてない。
「ふあぁぁっ!!」
もしかして、オレ色々と拙い事多すぎるかもしれない。




