タブン
「冗談はさて置いて、この世界の下着って色気無いよな」
「服の方も、バリエーションそんなにないし、あんま関心無いんじゃない?」
いや、お前らなんで、無計画にダンジョンアタック始めて、ハイレグからそっち方面の話に行った?
いくらなんでも、自由過ぎないか?
「現状、ダンジョン入って、もしかしたらと考えたんだけどよ」
「うん?」
「そこに、いかがわしい輝きを放つタイルとか見えるよな」
「うん、あるね」
タイルと言うか、通路に何カ所か四角く光ってる部分あったね。
それ以外にも、“ちょっとここさわってみ?”とばかりに、キラキラ光る出っ張りとか怪しすぎる箇所も存在している。
「もしかしたら、冒険者に取っては、派手な色の先は避ける傾向にあるのが原因じゃないか?」
「…そうか。派手な色は危険信号か」
いや、下着のバリエーションの話でじゃありませんでしたかね。クイレグとかハイレグは下着感がない。
ダンジョンアタックしてたら、根本的にハイレグ関係ないのに、なんでお前ら下着の色とかの話になってんのよ。
確かに、店の下着はベージュ系とかばっかだが、ダンジョン光ってるのとは関係なくないと思うんだが?
「色町になら、派手な下着くらいあるんじゃないの?」
「「ない」」
オレの疑問に二人は即答。
そもそも、脱ぐ前提の作業を致す場所だから、下着どころか何も着てない場合すらあるらし。
―豪快だ。
…って、ダンジョンで、なんて話をしてんだろ。
「お前ら何が不満よ」
女人の裸見放題で、何が不足か。
「下着くらいつけててくれないと萎える」
「着てても、みんな同じ形なのは何か違うと思う」
初体験のあの日。ほどく瞬間が堪らなかったと、あんだけ騒いだ夢のヒモパンに飽きたときましたか。
「てか、なんでお前そんな話してんだよ?」
「下にいたからな」
「は?」
「下にいたから、見上げると気になってしかたがないんだ」
「袴履いてんだから見えてないだろ?」
だいたい、見えた所で興味もないクセに何を言うか。
「いや、一応努力はした」
「何の努力だよ」
「見えたらラッキーかなと…」
「今の健は、何もかもが間違っている」
「影丞に同意」
なるほど。はぐれるはぐれない以前に、健がおかしかっただけだわ。
いや、はしゃぎすぎた海で、二人が頭をおかしくしたのか。
「わざわざ、覗こうとしなくても全裸の一つや二つ見せてやるわ」
「…影丞。それはそれでおかしいよ」
「だからイマイチ色気がねぇんだよな…」
色気とか意味分からんわ。
「じゃあ何か。オレに色気が出てくるようになったら、お前ら押し倒したりでもするのか?」
「いや、それ以前に中身影丞だもんな」
「馬鹿言いましてゴメンナサイ」
「かなりキレてなきゃ色気も糞もないだろ」
TS系なら、幼なじみカップリング当たり前みたいな感じだがな。
「影丞は影丞のまんまだからな」
「修行僧を押し倒すくらいの勢いが必要だよね」
なんでボウズがでてくんの。
だが、オレを認識してる間はTSテンプレはねぇ。
「もし将来。オレが“女”してヨソヨソしくされたら泣くからな?」
「影丞泣くかな…」
「そういや昔。隠れん坊で捕まえて貰えなくて泣いてた事あったわ」
「健そんなのあったっけ?」
「いっつも、鬼の直ぐ近くの場所に居るから、後回しにされるようになった時あったろ」
「うわぁー、あったね。確かにあったよ。あれにはやだな。」
真一が、何を想像してやだと思ったかわからないが、ダチから仲間外れとか寂しいだろ。
「三回以内に、必ず影丞に追い回されるとか鬼畜過ぎるわ」
「しかも、なぜか毎回ゴミから箱あさり始めるし意味分かんなかったよね」
「まず、誰も入らんわ」
「健が、一回だけ隠れたけど、あれからだったよね…」
「俺そんな事やったか?」
「全員で探しても夕方まで見つかんなかったよ」
うぃ。
「悪い。それ、覚えねぇわ」
「「…………」」
あれ忘れてるのか。
オレには、かなりインパクト強かったんだけどどど…。
「まぁ、健だし仕方ないか」
「真一はそれでいいのか」
「いいんだよ多分」
「…そか」
「そそ」
めいびー?




