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おはよー?

深い眠りに夢も見ていなかった。

ユラユラと、揺すられるような感覚と、背中のほうから健がオレを呼ぶ声。


辺りは真っ暗で、後方から松明の明かりがもれる。


そこは狭いトンネル。

そんな所を、なぜか後ろ向きに運ばれていた。


「おい、起きろ影s…」


「やらかしやがったな手前ら?」


健の背中に、おんぶ紐で背負われたオレは、即座に状況を理解した。


リヤカーテントで寝たはずだったんだが、星一つ見える訳もない暗い洞窟の中だ。




寝てる間に連れ込みやがったな?


しかも、乳が背中に当たらないようご丁寧に後ろ向きに縛るとかふざけんな。


こんなん、完全に身動き取れねーじゃねぇか。


「おう、目ぇ覚ましたか?」


「覚ましたかじゃねぇだろ。なに勝手に洞窟ん中入り込んでんだよ」


「お前起きてると反対するからだ」


「そりゃ反対するわ」


でも、逝くのが二人だけなら別に反対しねぇよ。


「結構潜ったから今更遅いぜ」


「なら、このまま寝てるから二度と起こすな」


只でさえ鈍臭い感じに見られてんのに、眠ったいの状態で洞窟ん中なんて歩いてみろ。

迷いフラグか“一人転移罠”にかかって未踏ダンジョン逝きじゃねーの。

歩くの面倒くさいのになんでわざわざ苦労せにゃならんのよ。


「「えぇっ?」」


「最後まで二人でなんとかしろ」


「マジかよ」


「…なんで怒ってんだら」


驚くような事でもないのに何を驚いてんだ。


ガキん時、近所の用水路の水がない時に長い地下水路に入り込んで、二人が何かにビビって逃げ出す時にオレだけ置き去りにした記憶は忘れてねぇぞ。


水の落としこみに取り残された1メータくらいのナマズが人に驚いて暴れてたんじゃなかったかな。


「昔置いてけぼりされたから許さん」


「だって、お前ら逃げ出してんのに、一番奥の気持ち悪い水溜まりまで見に行ったじゃねぇか」


「ああ、確かタモで無理矢理ナマズ捕まえようとして、壊れたタモにナマズぶッサシて帰ってきたね」


因みに虫捕りようの細いアルミのタモでした。


「…だってタモで捕まんなくて頭来たし」


「だからといって殺すこたなかたよな」


「…ちょっとした猟奇だったよアレ」


子供ゆえの無邪気な残虐性が露呈しただけですよ。


「おまえ等も川で捕まえたブルーギルとか鮒をコンクリに向かった投げたりしてたじゃないか」


「ブルーギルは外来種だからいいんだよ」


「…健の投げてるの見て、ボクは鮒も投げてたっけね」


ほらな?結果的にみんな殺戮者なんだよ。


「けど、影丞の串刺しよかましだと思う」


「落とす度に別んとこぶっ刺してたよ。あれは酷いと思うよ」


オレも酷い事したと思う。


家の近くに来たら刺す所ないくらいだったから川に捨てたっけな。


タモの柄はボロボロのちだらけでしたからね。


親に壊したの見つかって、随分と怒られましたよ。


けど、そんな人間をこんな所に連れてくるのはどうかと思うぞ。


「…今日もタモあったら良かったのにね?」


「ゴブリンの串刺しミンチなんか見たくねぇよ?!」


「やめてよ。畑に吊されたカラスのしたいじゃないんだから」

「…正直オレも森のゴブリンにはやりたくない」


「普通のゴブリンでも嫌だよ」


「見たくないなら背負ったままいけ」


「くそ、やぶ蛇だったか」


「…残虐ファイトする友達とかやだな」


とりま、エ〇ンの檻のブルマ娘とキャラ被るからやらないけど、野放しにしたら危ないんだぞ?


―敵が着たら石拾って投げてやる。

影丞、目的を見失う。

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