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ギルド裏話にゃ

私は、受付嬢をしているエレアと言います。


数年に一度の、超問題児達がギルドにやってきて、早ふた月あまり。

三人が三人とも危機感などまるでなく、聞くだけで危なっかしい行動を繰り返しています。


正式なギルド員なら、何らかの罰則が与えられるのですが、グループ登録しただけの未成年では、ギルドは手を出せない決まりがあるのです。


それらは過去に、未来ある若者たちに強引な勧誘や洗脳教育を施し、幼い子供を無碍に死なせた冒険者が居たからなのですが、ギルドから“は”未成年に干渉できないしきたりにしてしまった。


それでも、未成年からの買い取りは、粗悪品でなければ買取をするので、ギルドに悪いイメージはないらしいので、幼い頃から通う子供はだいたい冒険者になって頑張ってくれるのですけどね。


最近問題児達は、大工や人足仕事に数人で運ぶ丸太の山はーひと抱えで運ぶ化け物ぶりをはっきしてます。


―なんでエースケまで上に座ってるのかしら?


しばらく前、スタンピードで一時大騒ぎになりましたが、幸い街の付近には、一体も来ませんでした。

ですが。思い起こせば、それ以前から街の周りではある変化が起こっていたようです。

例えば、穀倉地の巡回依頼を受けた冒険者は、草食系魔物数匹くらい持ち帰ってくるものなんですが、最近は“以上ナシ”と報告するだけです。


例年なら何らかの被害があったりする季節なのですが、今年に限っては被害が全く無いようです。


鳥類は居るんで、追い払ったりはしてるらしいですが、鳥類は人が居なくなればすぐ戻ってしまいますから、大量発生でもなければ巡回報告からは除外されます。

で、スタンピートを覗いてひと月の間まったく魔物の被害がないと言うのがおかしな話なんです。


西は、ヨツブシキャタピラーか生まれるモスラス・モラスと言った“蝶”の仲間魔物の保護区で、そこに獲物以外の生き物には寛容な亜獸人が縄張りにしてるので、昔から害獣被害が少ないのですが、東の魔の森の草原でも被害がナイのがおかしいのです。


あちら側には、例年なら牛型の魔物の群れなんかの侵入が報告されたりするはずなのですが、彼らですら一定距離を開けて街に近付いて来ないらしいです。


狩りで生計を立ててる冒険者は、いつもなら穀倉地で待ち伏せしてるだけなのですが、今年は草原中心付近まで行かなければならないようで、大変らしいですね。


もともと、穀倉地は荒らされる事を前提に余裕をもって作られてます。


付近の街も同様で、余剰分を売りつける先がないので、豊作過ぎると余らせるだけなのです。

穀類を囮に肉を引き寄せているので、ある程度は来てくれないといずれ肉の値段が高騰し、ギルド職員の給与ならまだしも、街の下働きや労働力クラスの収入では肉が食べれなくなる可能性もあります。


素材屋さんは、本来労働力や下働きと変わらない扱いなんですが、最初のひと月で数年遊べそうな稼ぎ叩き出してくれましたね。


解体小屋の新築代金も、キャッシュで“ポン”と置いていこうとしたのを、ギルド長がわざわざ“月々で払って反省しろ”と言ったくらいでした。


最近は、ポポタン採集をしてませんけど。毎回毎回“どうやって集めてくるの?”と聞きたくなるほどの量のポポタンを噴出してくれますしね…。


西の草原の監視役は“よくわからないけど三人がいると生えてくる”なんて意味の分からない報告をした後、これ以上関わりたくないと言い出す始末。


職員全員で、ポポタン束ねさせられたり、彼らが来る以前はもう少し楽な仕事だったんだけど…。


彼らのせいで、解体所の人員二人増えてるの気付いてるのかしら?


でも、お姉さんちょっと教えて欲しい事があるのよね。


ポポタンは君たちが集めて来たのはわかってるし、魔物が減った原因は、スタンピードの兆候でもだったんだと思う。


一昨日、海の幸を食べに行くって聞いてたから、同時期に出て行った商人の同行者に港街での生存確認指示まで出したんですよ?


―誰も来てなかったてどうゆう事?

「エレアさん、素材屋さんの“遺品”捜索依頼ができました」


「うん、掲示板に張り出しといて」


「でも、素材屋さんなら大丈夫な気もするんですが…」


「何言ってるの、彼らが向かったとしたら後は南の海岸よ?魔物の洞窟だらけだし、冒険者でも遺品の一つも見つかれば大したものよ?」


「普通なら、そうなんですけどねぇ」


「確かに普通じゃないけど、あの子達は…」


「…とりあえず張り出してみます」


「はい。よろしく」


翌日、朝の掲示板を訪れたスリガゼルのメンバーが、張り出された依頼書を見て、「それこそねぇだろ」とつまらなそうに呟いたと言う。



へいへい、三日目の朝だぜ!!


帰還するコウモリは居なかったけど、結構広い洞窟の中をを燕が飛び回ってた。


海の近くのツバメだから、中華の高級食材“ツバメの巣”に期待してみたけど、どっからみても草と土の普通の巣しかありませんでありました。


異世界なんだから、どうせなら薬草くらい使え。


そこだけ普通とかふざけんな。

網で捕まえてから羽毟って、床下て寒い地方の保存食にしちまうぞ。


「さて、どうするか?」


「奥があるのにね」


「オレでも通れそうにないサイズの穴とか、いけるわきゃ無いだろ」



二人とも、崩落したらしき洞窟の奥の瓦礫を見てなんか言ってるけど、数年越しの二次災害とか馬鹿すぎるだろ。


「なんかいるっぽいんだけどなぁ」


「いても、居なくても行かないのは変わらない」


風化してんだから無理だよ。


「メド〇ーアだっけ?一撃で消滅させる技無いからな」


「マンダンテ?」


それわアンダンテと混じってないか?

ドラクはいいが、とりあえずそのネタはヤバいからやめようぜ?


「エレクチオンブレードで突破口を…」


「やめとけ健、竿が可哀想だ」

友人が、おったてた竿を岩穴に突っ込むとか悪夢でしかないわ。

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