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うみんちょ

とりあえず、夜明けご飯はパンとソーセージでした。


うん、なんと言いますか二人のテンションはかなり高く、夜明け前から真一の作った刺し網を海に流していたくらいです。


定置網は来年やるとか言ってたけど、色んな意味で二人とも“来年”が確定ですか?


…このままだと、確かに確定なんだろうけど、帰り方検討するべきだろうと思った。


来年は日本で~、とか話したら帰れないフラグ発生するだろうし、日本に帰ってからじゃそもそも定置網はまず出来ないだろうね。


法律とかもあるが。多分、日本に帰った時点で、定置網にそこまでの興味がなくなるだろね。

あっても、現地の漁師さん頼らないと無理だし、健なら“ああそんな事言ったっけ?”で、真一なら“影丞も良く覚えてたね”なんて話で終わるんじゃないかな。


現状でも、来年の定置網は覚えてるか怪しいけどね…。


とりあえず今日は、刺し網流した後に二人に起こされてご飯作らされた。


寝るには寝たんだけど、ちょっと寝不足気味。


朝早いのもそうだけど、ハンモックに横になると、下がスカスカしててなかなか寝付けなかった。


布団とかと感じが違いすぎて、結局ハンモックの網に毛布敷いて寝た。


しかも、オレは一人だけで陸にいる状態だから、二度寝はおろか、うたた寝すら出来ない。うたた寝なんてしてたら、異世界の在来種の餌食となるしか道はない。

いや、現状何にも来てないしもしかしたら、この辺りに危険な在来種とかは居ないかもわからないけど、出来れば食われりしたくない。


こんなナリでも、オレなりに気を張って生きてるんだぞー?!

誰か誉めろ。



とりあえず、ロープで日除けしながら、眠気覚ましに目的である海産物(岩海苔らしき物)をチマチマ集めてる最中だよ。


岩海苔は向こうと同じで緑だけど、どピンクの岩海苔らしき海藻がついた岩場もある。


海苔とか海藻は食べないらしいけど、あの色はヤメた方が無難な気がするけど、岩に付いた今の見た目が“山盛りご飯に乗った桜デンブ”に見えなくもなくはない。


コッソリ採取しといて、ネタアイテムとして使うくらいなら、海苔とか海藻は食べないらしいけど、あの色はヤメた方が無難な気がするけど、岩に付いた今の見た目が“山盛りご飯に乗った桜でんぷ”みないな感じもしなくはない。


軍艦巻もピンク艦隊とかみたいの作ったりするネタアイテムとしてなら、ピンクの海苔もありか?


お洒落なイメージのヌーベルシノワのつもりで出しといて、タベタラシヌワじゃ困るけどね。

―苦。


でも、オレの作業が無駄になるのも嫌だし、コシコシ(集める)するなら緑の海苔とは別の容器を用意してからだね。


九州の方で食べてるとか聞いた平たい三角垂の貝とかも岩にへばりついてるから、海苔がわ(・)っ(・)た(・)ら(・)やってみよう。


うん、先は長いすよ。


サザエとかナガラミじゃないみたいだけど、ヤドカリ入った巻き貝なんかもそこらに転がってるらかね。


テレビで見た限り、はヤドカリもカニ・エビみたいな感じでイケてる味らしいからな。


…まぁ、日本居たときに、スーパーでナガラミ買ってきてくれた時に、ナガラミじゃなくてヤドカリも入ってた奴あったんだけど、普通の食生活をしてた時には、とてもじゃないが食する勇気はなかったよ。


あれよ。実食と同時に“参りました”な俳優さんみたいな?


皿に乗せたまま、眺めて悩んでたけど、“そんなの無理して食わないでもいいからっ!”て言いながら母さんが庭の中にポイしてたっけな。


貝殻は庭に撒く、ヤドカリも庭に撒く。


それにしても、この辺りは遠浅になってるのかな。健と真一は結構な沖の方に居るんだけど、胸辺りまで水の上にでてるみたいに見える。


浅いとは言っても、二人とは身長差があるから、オレだと口まで沈みそうなくらいなのかな?

軽気功使えば、それなりの浮力は得られるから水の上…水面に立つ事は出来るんだけど、ビート板ほど強固な浮き方でないから、波に呑まれでもしたら木の葉の如く揉まれちゃうんだよ。

ばた足も平泳ぎも、三メートルで力尽きますからね。しかも、なんでか、平泳ぎよか立ち泳ぎで後ろに進む時にのが進んだりした覚えがある。


犬掻きくらいしか、前には泳げないって軽く命の危険あるから、普通に泳げないなら無理して海には入らない方がいいよね…。


異世界の海難事故じゃ救助隊きちゃくれないしな。

多分、二人なら気付いたら助けてくれるんだろうけどさ。


でも、プールならまだしもこんな海に入るのって泳げない人には抵抗あると思うよ?


魔物の居る異世界だから魚もどんな危険なのいるかわからないんだもん。



地球でもサメは危険だし、キスたがサヨリみたいな小さい魚が、サーファーとかの足や体に突き刺さりに来るってはなしだから、日本の海でも普通に危ないんだよな。


あ~、でもバカンスだし波に漂う位はしても許されないかな。


二人が浜に帰ってきたら、刺し網のブイで浮き輪でも作って牽引して貰おうかな。


正直、二人についてきゃ良かったと何度か思ったよ。


実際、一人で岩海苔採取はちょっと寂しい…。



「なぁ真一、俺らの足元って海だけだよな?」


「そのはずなんだけどね…」


健と二人、急に足元に足場が出来て胸辺りまで水面から出た状態になった。


遠浅かどうかなんて問題じゃない。


足元は海しかなんだけど、まるで海以外の何者かがいて押し上げられているようだ。


ぱっと見わからないのだが、ウロウロと歩き回れるくらいの範囲の何かが足元にある。


「…いるよな?」


「いるね。確実にいる」


誰が何と言おうとも“無い”とは言わせない。


無事に帰れるか否か、それが一番の問題だが、足の裏にはヌメリもなく安定したこの感じ、最早ソレが生き物かどうかすらわからない。


「刺激しないように逃げようぜ…」



「…わかった」


僕たちは、音を立てないようなるべく静かに移動を開始した。

異世界に来て、始めて肝が冷える思いがした。


僕らは、魚を追いかけ少し調子に乗りすぎていたんだろう。あまり深い所には行かない方がいい。


…二人で潜って何があるのか“見た”りしたのだが、何見えなかった。


サメとかが居てくれた方がましだった。


わかったのは、ソコには何もないって事だけ、正直マジでヤバいと思った。


あの辺りには潜りたくない。


浜に塩田…は多分無理だから、刺し網を引き上げたら鍋で塩でも作ろう


影丞の言葉じゃないが、“海は恐い”


…って、なんで僕らが帰ってきたら泳ぐ気になってんのっ?!

―やだー。

ちょべりばです

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