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確かにピリ辛トマト味は旨かった。

けど、オレの舌は既に“冷やし中華”になってたから納得出来なかった。


ピーナッツペーストに、ワインビネガーと、塩と食用油数滴垂らして、ゴマダレならぬピーナッツダレ完成~。


結果、期待したほどじゃない。


残念無念の二段構え。


はっきり言ってワインビネガーの酸味がたりないのだ。元々ビネガーとして作られてないし、結果的に酸っぱくなっただけのワインだから、お酢ほど酸っぱくなってないのが原因だろな。

ワインの香りもまだ強いし若いのかなー。


床下に埋めとくか?


トマトのは程よい酸味があるし、ピリ辛トマトのが数段美味かった。


散らし寿司とかも作りたいし、いよいよ米酢欲しくなってきたな。


酸味があろうとトマトビューレで代用は出来ないよ。


トマト使うならなら、チキンライスかオムライス作るわ。


とにかく、純粋なお酢は無いんだよな。


お酒も基本的に一年以内に消費してるから、古い酒は“ない”らしいよ。


確かに、噛んで作るパンの実の酒は一週間だかでアルコール60パー越えてるらしから、若くても強い酒は有るわけだよね。


なんだっけ、日本の濁り酒の濁酒どぶろくも40パーくらいだっけ?


テレビ知識だけど、戦国時代には足軽とかは、夕飯減らして瓢箪の中で一晩で作れる酒作って飲んでたとか見たしな。



この世界も、お酒は店や市民が自作してるから、酒は店の数より豊富に種類はあるんだが、米使った酒がないんだよね。

赤米が普段何に使われてるか知ってビックリ。


たまに混じってる透き通るような赤の粒だけ選別し、その綺麗さをアクセントに赤いスープの具材として使われてたよ。


それも、数粒が固い生米の状態のまま投入されてるのには驚くより悲しくなった。


スープ飲むとガリガリすんの。


見た目文化のせいで、それなりに人気はあるらしいけど、お客様その状態に何か違和感や思う所はありませんか?


オレ達は、“なんか綺麗な小石が混じってる~”、とか話ししながらなにも考えずに選別して床に捨てたわ。


無知は勿体ないよ。何しろあれくえたんだからな。


だって、赤米のお粥はスープとして普通にあるんだから、生その食べ方はおかしいのだと分からないかね。


確かに、お粥は赤より白っぽくなるし、炊くと曇ると言うか濁った色に変わるから宝石のような綺麗さは失われる。


生米のが透き通るような綺麗さではあるけど、生米はアカンよ。


腹こわすよ。てかハイハイ、生米で食べ過ぎるとお腹下すから少量ずつになる訳ねー。


そんなに色のアクセント欲しいなら、赤いスープに黒と白のスイカの種ぶっ込んでスイカ汁にでもしとけ?


ああ、スイカもこっちにゃないから、意味が分からんか上に、赤には赤を投入しないと意味ないからダメか。

色食とか食べてると、日本の落ち着いた茶色いだけの煮物類が恋しくなるわ。


「ホント、醤油さえあれば普通に冷やし中華作れんのにね」


黒い中華ダレな。


基本的に魔法で冷やして保存するみたいだから、保存食の漬け物類もないんだよね。


この世界って、食べ物は大事にしてるし、当分醤油やお酢には巡り会えないかな。


作るの?でも、作り方しらないし年単位で異世界に居たくないよ。


「色は緑で臭いだけ近いのあったけどな…」


「あれね、防虫剤効果ある絵の具とかの染料で、魔物除けの材料にも使われてるんじゃなかったっけ」


魔法道具屋で、ちょっと似た匂いに遭遇してビックリしたけど、あれも結局食べ物じゃなかったからな。


「…刺身もどうにもならねーよな?」


「カルパッチョもコレじゃ物足りないしね」


深い溜息を吐いた健も、醤油のない生活に飽きて来てるみたいだね。


食生活だけでもどうにか出来たら二人の調子も元に戻るんだろか?


五月病からうつ病になり、ホームシック併発しましたじゃ目も当てられない。


ほんとこのままじゃシャレにならない。


「…海水浴でも逝くか」


「今ならどこにでも逝ける気がするよ」


色街は行きたくないとか言ったくせに、元気なく海行きたいとかヤバくね?

なんにしても語彙がおかしいしいから、異世界に置いてけぼりはヤメてくれ。


いや、首括ったオレだけどまだバレてません。

うん、墓の中まで持ってくよ。


「…次の休みに行ってみようか?」


「海も魔物いるんだろな…」


オレは元々泳げないから海は入る気しないけど、二人は泳いできたら気晴らしくらいになるのかな?


とりあえず、我々には遊びが足りない。


ゲーセンないし、漫画もないしつまらないだけだよホント勘弁して欲しい。


「どうせなら、モリ作ってからだな」


「…魚とったどー?」


「いいねー。僕は時間みて投網でも作れないかやってみるよ」


「支度してからだからちょっと先の話になるか?」


「息抜きくらいしたいし、来週空いた行ってみよう」


「…だな。街ん中は詰まんねーし」


なんだか二人ともやる気出てきたみたいだけど…。


「オレなにすんの?」


集めたり作業すんならなんか手伝える事ない?


「いや、まだわかんねーし、とりあえずお代わり頼む」


「あ、僕もちょっと足りない」

ならば結構!性欲なくても食欲はあるんだね☆


「まあ、足りないなら作るよ“ふた玉目”くらい、なんて事ないし」


「しゃーす」


「ぴかぴーか」


ひさびさにぴか語出たな。健はそんなに嬉しいのか?


ハイハイ、文字通りの二個目の小麦粉ボールくらい作るよ。


ボールでは、Xactに勝てんが、寧ろ空腹ぐふは倒せるにちがいないしな。


それにしても、茹でるのはともかく練り機とか裁断機は別にありますし、オレは指示しなくとも麺くらい出来るんだから、勝手に作ればいいのにね。


そね辺り話したら、他人の茹でた奴のが旨いって返事されたけどさ、オレは自分で作っても旨いと思うんだけどどーよ?


あ~、でも確かにお母さんの作る夕飯のが旨いと思うけどな?

味噌汁とか、スーパーの半額になった惣菜やらも旨かったよねぇ。

トンカツとか思い出したらヤバい。

オレがホームシックに疾患かかりそうな気配がしてきたよ。



「さて、どうしたもんかね」


自室に戻ってー、と言うか三人いるのに追い返されてたよ。


三人なら向こうで寝て良いはずなんだけどね?


まぁ、今の悩みはソッチじゃない。


壁に引っ掛けたローブの方が“どうしたもんか”と悩んでるのさ。


明らかにこのローブを着てから二人の調子が悪くなってきたんだよな。

それまでが元気過ぎたから、少し前までは、ある意味“いい状態”になってたんだけどね。


二週間で、こんなに落差がありますか。


これは、気法師の常駐能力の味方の活性化やらの能力がローブに遮られてるのが原因だろう。

このローブ着てても軽気功さえ使わなきゃ箸くらい持てるしな有用っちゃ有用。


所謂普通レベルになるのか、ローブを着ていれば、前みたいに糸くず一つ持ち上げられない状況にはならない。


軽気功中はそれこそ、0が1を持てないような酷い有り様になるけど、飛んだり跳ねたりが出来るくらいには動ける。


ローブには重力が効いてるのだよ。

軽気功で浮かせられてるから中身への影響はない。


着てるもんは影響受けないと思ったけど、浮いたままにはならないのはローブの影響だと思う。


そうでなかったら、服としてしか価値無いな。


まあ、元々そんな予定だったからいいけどさ。


でも、別に今の状態が悪い訳じゃなくて、寧ろあれが普通なんだろう。


通常回復だけなら、健と真一も疲れたりする訳で、ローブがない状態の色々強化された状態に慣れすぎてたから、今が不調に感じてるんだと思う。


後は、テンションの問題もあるかも知れないけど、転移からこっち疲れ知らずでいた無謀な流れがあっからこそ、今の二人の不調に繋がってしまった訳だ。

ポポタン水が作成にも影響がでてるみたいだし、ローブを着るか着ないか悩む所だよね。


まー扱いの難しい事。

これ、下手したら冒険中脱いでなきゃ冒険にならないって話しじゃない?


街中は、抑えになってくれていいけども、街の外では二人を活性化してた方が都合がいいんだからね。


影響の少ない街中だけ着て、見た目もあれだけど、本来の目的である冒険中は…………まさかの私服だと!?


どんだけ役に立たないのかねチミは…。


まぁ、誕生月までは先長いから、それはそれでいいんだけどね。


それに、力仕事やポポタンで生活に困らないなら冒険者にならなくてもよさそうに感じてきてるから、冒険者にならなくても?


でも、異世界での憧れの職業てーか、せっかくだから~みたいな部分ありますしねぇ。


前向きに考えましたら無理してならなくても構わないんだよね。


むしろ、冒険者が傭兵みたいな荒事を兼ねてるから成らない方が身のためですか。


普通レベルの冒険者になると、盗賊退治や警護依頼なんか多いし、日常的に抜刀斎や壬生狼にならなきゃならん。


正直無理だ。


寧ろ戦えない時点で終わってる。


とにかく、このローブ。戦闘には使えないみたいだけど、二人の日常的な暴走を控えさせてくれるから便利だ。


まぁ、静かなもんすよ。


ー嵐の前じゃなきゃいいですけどどどど?

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