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大和の黒髪宅急便

大和撫子異世界運送~。


と、健が担いだ丸太の上に横座り。


軽気功に副作用と言うか有効範囲みたいなモノがあるようで、丸太四本担いでも重さはないらしいです。


でも、軽気功使う本人も怪力っぽくなるかと思いきや、もともとの力に依存するようでして、オレを1グラムとすると周りの物も1グラムになるのだけども、そもそもの話素の状態で自分と同じ重さの物が持ち上げられないオレは1グラムが持ち上げられない不具合発生。


0とか無重力なみに軽くはなるんだ。


つまり、軽気功がとんでもない性能に見えても、支点とか起点になるのがオレである限り、オレには箸一つ持てなくなる訳よ。


ーどうよこの馬鹿げた性能っぷり。



時折馬車を飛び越して、軽快なステップを踏みつつ健は大通りを進んでいく。


はっちゃけて、他の通行人にはご迷惑をお掛けいたしております。


うん、わかってる。


本当は、止めなきゃダメな、事くらい(川柳?)



でもまぁ、実質ほとんど働き先のないオレが手助け出きるのはこれくらいしかないのが悪い。

健と真一は件の一件から大工さんに気に入られて、こうして運搬やらの力仕事のアルバイトをするようになった。


馬車でも運ぶのに苦労する丸太を、ダース単位で担いでいく姿が話題になりつつあり、以前はちょいちょいいたような、ガラの悪い人でも近寄りたくないくらいには目立つらしいですね。まあ、当然のように丸太の上に座ってオレも相当アレなんだけどな。


因みに、こうしてる時は芯に骨と言うか、タイカン…体幹でいいのか?(字が違うかも)とにかくジャイロ気功(機構)みたいなの働いてるらしく、健がどんなに激しく動いても体勢が崩れたりしない。


磁石か?


とりあえず、健も真一も、素で二本抱えて走るくらいなら普通に出来て、極限まで荷物が軽くなってからダース単位くらい軽くいける。

今なんか、結束せずに積見上げただけの状態なので、現代日本ならKY用紙掴んだ現場監督が顔色変えてすっ飛んできまさぁな。


異世界では、モーゼのように道が割れてゆくのでわりかし歩きやすくなり、屈強な傭兵とかベテラン冒険者みたいな人達も、目を会わさないように歩いていきます。


まぁ、露骨に避けられてる訳じゃないけど、気持ちはわかる。

解体小屋を破壊し、新築の解体小屋を破壊し、ありえない数の丸太を担いで軽々と疾走する。


街のギルド一番の問題児共だなんて噂が流布されてましたが、そうですかありがとうございます。

そのくらいの認識で済むのなら、いいような気がしてきましたよ。


解体小屋破壊だっても、故意に破壊してるから犯罪者にされててもおかしかなかったと思うんだ。


罰金で済ませてくれたのだから感謝はすべきだと思う。


日本じゃこうは行かないよな。

親は呼び出されて、警察署に呼ばれるか捕まるかなんかだ。

だいたい、一般的な家庭でいきなりこんな大金払わされる事態になったら、家の中だけじゃなくて家自体がどうなるか分かったもんじゃないよ。


この世界の危険の認識レベルが日本よりはるかに高くて、二人は助かったって事なんだろうね。


だって、警備隊だの騎士団だのがいるけど、監視とかわれてないんだからな。


一応お金を置きにいく時、二人はギルド長にこってり絞られたらしいけどさ、やらかすくらいならまだ危険人物にはならないだろか。


でもギルド長は、二人がしっかり謝罪すると許はしてくれたらしいし、全てが此方の責任ばかりではないと、受付嬢や事務員さんらを呼び出し、ギルドに出入りする若者を軽々しく煽るような言葉を口にした事の重大性を説いたらしい。


今回はウチのバカ二人だからとんでもない事になった訳だけど、それが危険な魔物だったらどうだったかと…。


多分ウチの二人なら無事だろうけど、命懸けの仕事である冒険者ギルドの職員が、売り言葉に買い言葉をした事の方が問題なんだそうだ。


最近はなくなりましたが、ファンタジーの王道でこんなのありましたよね。


ギルド職員やベテランに目を掛けて貰えるようになった冒険者(追放系勇者主人公)と、主人公よりちょっと早く、もしくは遅く冒険者になった街の若者があまり見向きされないでも頑張ってたけど、ギルド職員とか冒険者の軽視するような余計な一言のせいで、過剰な対抗意識燃やして、同じかそれ以上の魔物を倒しに行こうとして結局帰らなかったり、パーティーメンバー(被害者はほとんど男、女二人いたら一人は絶対生き残る不思議ありけり)が被害に会う奴な。

それで、パーティーメンバーが殺されて若者が冒険者ギルドへの出入り禁止や冒険者の資格の剥奪などの処罰をされたりするある意味理不尽な話。


召喚主人公云々じゃなくても、昔はギルド側の贔屓なんかから実際にそうした話があったらしく、そんな事態を引き起こさないように心掛けろと注意したらしい。


でも、どう考えても解体小屋破壊出来るだけのストックを解放した二人が非常識なだけで、ギルド側に非はないと思うんだ。

二人に、職員の言葉に煽られたりしないようにって伝えたかったんだろうか?


素材屋さんは、まだ冒険者じゃないですから剥奪も出来ませからね。


そういえば、健の奴はギルド長の思惑も一度返り討ちにしてました。


そのおかげでまだ冒険者になれないのに冒険者グループには所属してる見習いみたいな立場にいるみたいですけど、普通なら“こんなに”気軽に出入りなんか出来ないらしいね。


オレらが、ちょっとおかしいのは確かだけど、物語のテンプレ冒険者が現れないのはなんでだろう?


チンピラとかライバルみたいな若者がなんで出て来ないかな。

もしかして、オレが気付いてないだけで既に…。


ーその辺りは終わってる?


いやいや、そんなバカな事。

いや、いないだけですね。


健と真一がライバルでいいじゃん?

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