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覚醒への道

その日、0の沢山ならんだ書類を差し出され、決して軽くない眩暈に見まわれた。


「エースケさんに非はないのは明らかなのですが、二人にしっかり伝わるようにお願いします」


「はい。二人がご迷惑をおかけして申し訳ありませんです…」

深々と頭を下げるギルド職員の人より、なお深くオレは頭を下げて見送る。


震える手で書類を確認した後、極寒の大地に置き去りにされたかのように体の芯から震えが起きているのが分かる。


それもそのはず、現代日本でもついぞお目にかかれぬ金額の請求書だ。


「……いち…じゅう……せん……じゅうまん………………………………………………………………はっぴゃくまん」


膝が落ちた。


「あわわわわ、どうしたら!どうすればばばばっ!!」


オレは、四つん這いで机の下に入り込み頭を抱え身を捩る。


そもそも、こんなの高校生男子が目にしていい請求書じゃねぇよ。


あの二人、人が居ないところで一体なにやらかしてくれてんの!?


一昔前なら、奴隷落ちから成り上がり主人公コースまっしぐらじゃねぇか!?


「しかも、新築した小屋の即日破壊って………………クソばかぁっ!」


しかも、全額負担じゃないし普通なら一年以内の期限が十年間に変更してくれてあり、ギルド側の大人達が、とてつもなく寛大な対応をしてくれてるのかがオレであっても容易く伺える。

「うわぁ…、マジ勘弁してよー」


新築して、新築祝いまで予定してた日にあっさり破壊するとか、もはや人の行う所業じゃねぇ。


こればっかりは、笑って済ませて良い話じゃない


怒るべき場面だよね。


でも、冗談で半ギレとかはあるけど、怒った事ないから中途半端になりそうなんだよな。


怒られるのは割とあるけど…。

あ、そっか。


ー暴れてみよう!!



「むきゃっ…っっ!?」


狭い所に入り込んでたの忘れて頭上げたら頭打った。


あんまし痛いと言葉も出ねーって本当なんだな?!


「バカったれ、健と真一のせいだーっ!!」


八つ当たり気味に“超化”。



そんな訳で、漸くオレのチート発覚。


いわゆる、後衛型気法師の体術スキルで羽根より軽くなる軽気功が常に作用していると分かった。


体重がほぼ0の状態になり、自分で移動が出来ないが、近接攻撃は確実に当たらなくなる。


てか、フワフワ浮いてるから風圧分だけ透き間が出来る。


髪の毛が浮くのは、一種の無重力状態に近いからで、多分勝手に動いてたりはしていない。


まあ二人が、軽い軽い言うわけだよ。


でだ。


件の請求書で、極限まで精神が追い込まれ、恥ずかしながら覚醒し自在に使えるようになってしまった訳だ。


ー断じて頭が痛かったからではない。


精神が高ぶれば高ぶるほど軽くなるだけでなく、気を飛ばすらしき光線も出せた。


だが破壊威力はない様子で、凝りが取れてちょっと強い風に押されるような感じがあるらしい。


按摩さんかね?


しかも、冷静になってから気がついたのだが髪の毛ちょっと短くなった。


これ気力パロメータみたいなもんで気の力を使うと短くなる?


なら空っぽにしたら元の短い地毛が出てくるんだろうか。


それどころか、気力パロメータ0になったら男に戻る可能性も?


まぁ、背の低い高一男子で異世界きてもどうかなるわきゃないんだがな。


ちな、オーラが出てる最中は大量の静電気が発生してるから、レールガン的な技とか出来るようになるかもと思って試したけど、やっぱり板に投げた釘が突風と共に彼方に消える。


こんど広い所にいったら、ちょっと大きめな石でも投げてみよう。


致命的なノーコンでも障害物がなけりゃ投げた場所くらい解るはずだからな。


とりあえず、健達も反省し、今までの貯えから全額払えると判明したからもう大丈夫。


なんにも恐れる事なんかないさ。


最近バラけてきてたけど、なるべく三人で行動すりようにしたいと思う。


ギルドの人も話してたけど、オレがいたら、そこまでムチャクチャしないみたいですし?


止まる保証はないけどね?


最初の小屋の時にオレが居てもやらかしたってゆう前例はあるからな。


とりあえず、色街の方ではやらかしてる訳じゃ無さそうだし、健と真一だけだから悪いって事は無いはずだ。


必要なのは、精神の成長か…。


ー三人で、座禅でも組みますか?



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