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覚醒モード?


ーぼーんっ!!


街に爆発音が響いた。


「…へっ、きったねぇ花火だ」


冒険者ギルド裏、解体小屋であった破片が降り注ぐ。そう爆発音の正体は老朽化していた解体小屋であった。


小屋を天高く打ち上げたのは健がインベントリから放出したポポタンの小山。


ちな、ポポタンは常に品薄状態なので取りすぎたとしてもほとんどの場合は買い取られます。


「…またよなべするの?」


「…無理だよ、夜なべじゃ終わらないよ」


「もう、やめてよぉっ!」


「ワシ、持病のぎっくり腰が…」


濁った瞳で眺める者、倒れ伏しピクリとも動かない屈強な冒険者ー

今にも泣きそうな顔で山を眺めるギルドの職員達。


素材屋の暴挙はこれにとどまらぬ。


「釣り(代金)はいらねぇぜ。次はもっと頑丈な建物にしておくんだな」


解体小屋に勝利し、満足げに立ち去る健。


ひと月を過ぎた頃、ポポタン買取が一時的に再開した日。

影丞を先に帰らせ健と真一の二人だけで、少量の買取を頼む予定だった。


「新しい解体小屋を建てたので、もうどれだけ素材屋さんが持ち込もうと大丈夫ですよ」


そう言いながら、受付嬢が笑いかけてきたからだった気がする。

以前の倍はあるサイズの解体小屋に案内し受付嬢が嬉しそうに話している。


新築で、頑丈な作りに設計し直したのだそうだ。


「…ほう?」


「これは、僕らへの挑戦状だね」


「………やるか?」


「やろうっ!」

そうして二人は、受付嬢と居合わせた解体作業員に不敵な笑みを向ける。


「ちなみに、今日1日の収穫だけで壊れたらどうします?」

健は、昨日も


「あははは、流石が前みたいかな事はないですよう」


「へぇ?そんなもんすかね」


「手加減は要らないね」


「「バ〇スっ!!」」


ぼーんっ!


「「「「「?!」」」」



二人がインベントリから解放したポポタンは、見事に小屋を撃破した。


あと、ギルド職員の心も(はぁと)




数日後、適度な収入に意気揚々と帰宅する二人。


「ただいまぁ?」


「かえった…ぜ?」


「…おかえり」


扉を開けて直ぐの所で、ユラユラと不自然に髪を揺らした影丞が仁王立ちで二人を出迎えた。


「ギルドから高額な請求書が来てるんだけど?」


超怒髪天!怒りに呼応し影丞の身体から文字通り溢れ出る闇のオーラ。


能面のように張り付いた笑顔の後ろ、重力に逆らいメデューサの如く髪が蠢いていた。


「「さーせんしたっ!!」」


顔色を真っ青にした二人は、それはもう見事なジャンピン土下座を披露したと言う。



ついに影丞の本気モード!揺れる髪の毛の謎が明らかに!?




【次回】


ドミノフスキーサンダー



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