川のな゛がれのように
街の中には、幾つか水路がある。
結構な勢いで流れいて、そこで洗濯して下着が流されたりする事もあるらしい。
そんなわけで、洗濯は専用の洗い場や、専門の洗濯屋に頼んだりするわけです。
で、ウチは下着ばっかりは自分でやってもらい、大物はオレが川で手洗いしてます。
基本的に洗濯板で、バケツに突っ込んで足踏みしたりしてますが、洗濯機つくれないかしらかしら?
ーあらあらまあまあ。
なにを無かった事にしようとしてんだとか言うなよ?
チの付く“あれ”があるつもりで耐えたのが悪かった…とだけ言わせてくれ。
体積の問題かね。
大した違いはないと思ってたんだけど身体の違いは大したもんだよ。
しかし、まさか匂いでばれるとは思わなかったな…。
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「とりあえず月払いで契約してあるから、今夜から作業ない時と寝る時はこの部屋な?」
「…らじゃ」
まさかのシングル部屋月払い。言いたい事はあるが、あれをネタにされるよかましだから素直に従うよ。
まぁ、今日に限っては健と真一も他の部屋借りたんだけどね。
土間は水溜まりだし、水捌けて修理が終わるまでちょっと宿に仮住まい。
事情を話したら、大将と女将さんが謝ってきたんだけど、オレがしっかり閂してたら大丈夫だった可能性もある。
でも、長屋全体の管理をしておくのも宿屋の責任だからと、大将が本当に申し訳なさそうに話してた。
柱や内装の板が完全に水に濡れてしまったから、大工の工房に改修工事してもらうらしい。
工務店みたいな奴らしい。
で、二人は明日からそこでちょっと改修を見学させてもらう予定らしい。
…なんか、大工仕事がこれから必要になりそうな気がするから見せて貰いたいらしいんだ。
ー湖のとこに小屋でも建てるつもりなんだろうか?
まぁ、梁のロフトは危なくて上がれない状態に仕上がってたからね…。
流石に、首吊りはバレてないので、もし救いがあったとしたらそれぐらいだろうか…。
でも、あの大将の哀れみの目と女将さんの過剰な優しさかったのは、アイツらバラしやがったんじゃないかな?
わざわざ宿の風呂沸かしてくれましたからね。
ふぅあああああっ!!生き恥とはこの事かあああああっ!!
枕に顔を埋めだだひたすら悶えていたら、誰かが扉をノックした。
「…どちらさん」
『俺だ、俺俺ちょっと開けてくれるか』
どこの電話詐欺だ。
まあいいけど何の用だろう。
扉を開けると、いつもの部屋着の健が扉の前で身を屈めていた。
「影丞ちょっと言いにくい話しなんだけどいいか?」
「…なに?」
小声で話しかけて来たので耳を寄せる。
顔が赤いのが気になるが酒の匂いがするわけでもなし。
「……は静かにや…」
「ん?よく聞こえなかった。もう一回」
「…いいか、俺も恥ずかしいから次はいわねぇぞ」
「で、何だって?」
「だから、ォナ〇ーは静かにやr…」
「…………………」
オレはアゴが外れるかな様な思いをしながら、無言でそっと扉を閉じた。
「ま、まぁそんな訳だからなるべく静かに…な?」
パタンと扉が閉じられた。
お前、夜中に顔真っ赤にしながら何て事言うの、何その無駄な気遣い誤解な上に見当違いだよ…。
しかも真剣そのものだったもんだから、殴りかかるより先に思わず扉閉めちゃったよ。
わかった、今日は厄日だ。
もうどうでもいいよ。