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テンプレ異世界1

―偵察―

偵察と聞いてステルス攻撃機を例に上げるバカがたまにいるが、ステルス攻撃機は偵察とは役目がかけ離れた存在である。


それはさておき、偵察で最も重要な事は情報を得て自陣に持ち帰る事。

ステルスだけなら魔物に出来る物もいるだろう。

だけど、間者偵察スパイとかみたいな情報を持ち帰る目的の生業は人間だからこそ生まれた訳だ。


なんでいきなり一人で中まで入ってったんだよ。


極秘かどうかはさておいて、門番と言う防衛ラインを素通りし領内に侵入を果たしたあ奴は、ステルス攻撃機の側から見たら優秀なのかもしれない。



「街の中の様子を見てくるつもりかな…」


いや、あれは普通に声かけようか迷った挙げ句声がかけれなかっただけだよね。


「…いこっか」


「そうだね。門まで行っても大丈夫そうだし」



二人で門番に軽く会釈しながら街にはいる。

特に入場にたいする規制は無いみたいで、意外と若かった門番の人も会釈を返してきてくれた。


一人だったら普通に怖いかも…。


門番は敵に対する防衛を主にしてるんみたいだけど武器みえてりから平成の時代に、帯刀帯剣はあり得ないからな見た目だけで怖い。


二人で門番に軽く会釈しながら街にはいる。

特に入場にたいする規制は無いみたいで、意外と若かった門番の人も会釈を返してきてくれた。

門番は敵に対する防衛を主にしてるんみたいだね。

やだな、魔物とかいるのかな。

肝心の健と言えば、入口近くの壁でヘタレてたのですぐ合流できた。


「向こうから声をかけてくるの期待してたんだよ…」


だが、堂々と入りすぎて門番が引き止めてはくれなかったと…。


何をやってんだろうと思うも、あり得なくはないから辛い。


でも、ジャンケンしただけの価値は無かったとだけは言える。

街並みは、中世ヨーロッパ風の建築物、時折荷馬車が通り過ぎる。


周りの顔立ちはみんな外国人。

さて、周りに外国人がいなかったから差別的思考はないにしても見知らぬ人への人見知りがない訳じゃない。

一歩下がって奥ゆかしくも恥ずかしがり屋の日本人は、どうやって異世界人に話しかけたものだろうか。



路地から住民の会話に聞き耳を立てていた真一が立ち上がる。

「幸い言葉は解るし、文字も読める歩いて“何か”探そう」


「…仕方ないか、飯くらい食いたいよな」


オレも 頷きながら立ち上がると健がオレの尻をパタパタと払い始めた。


「影丞、尻汚れてんぞ」


「膝もまっ白だよ」


何故にか二人して膝と尻を払われる。


「あの、そんな事しなくても中身オレだから大丈夫なんだけどさ…」


いくらなんでも、袴に付いた埃を払うくらい自分で出来るぞ?

「お前、服の替えがないのを忘れてないか?」


「しかも黒いから汚れが目立つね~」


んな、幼子の体はたいてんじゃないんだから、叩いて適当に落ちりゃいいでしょ?

あんまさわるとセクハラになるぞ。


「わかってないだろ影丞。叩くたびに乳が揺れてるから叩いてるんだぞ」


…やけにしつこいと思ったら下心しかなかった。

オープンなのはいいけど、やられる側としては気分いいもんじゃないな。


だが。


「所詮はオレだからな?」


「肉体的には女だぞ?」


「オレとしては、中途半端なニューハーフとかになったみたいな感覚なんだよ」


「ん?女になったことないから俺もわからないけどどんなだそれ」


「健も女装してみたらわかるんじゃない?」


「俺の女装ったらガチムチの釜じゃねぇか。キメェだけだぞ」


「影丞はアバ体可愛くしといて良かったね?」


「よかないよ」


ガワはそうでも中身オレ。

尻を触られようが、どうはたかれようが埃が落ちて楽でいい位にしか思えんかった。


生粋の女の子ならどう反応するんだろうな?


「今なんか、大人と子供くらいの差があるから二人に襲われたらどうしようもないし」


「「襲わねぇよ」」


「俺のマグナムじゃ、影丞がチマ過ぎて入らねーだろうし」


「マグナムとは小さく出たなっ!?」


正直な話、道中の二人がタチションしにいく時に確認してやったが、まあ無理なく体に見合ったモノが付いているわけだ。


「俺たちのなんかは、影丞に比べたら大したこたねぇよ」



「…横揺れも縦揺れも自由自在だから、ウチの妹がいたら分けてあげたいよ」


真一の妹まだ小学生だべ?

とりあえず、比較対照がおかしいんだけど、今んとこオレだけマイナス成長の上大した利点がないからな。


「おっ、あれ冒険者かな?」


「ああ、それっぽいの来たね」

二人が指差した先に、筋骨逞しい男4人が歩いていた。


全員戦士みたいな装備だけど。

「とりあえず、冒険者ギルドはあるみたいだし行ってみよう」


真一が、ワクテカしてるけど大丈夫かと心配になるけど、所持金はないし飯は食いたいから行くしかない。


でも、明日みたいテレビあったのに、なんで異世界で冒険者なんかならなきゃならないんだろ。


そもそも、オレらみたいのが冒険者になって大丈夫なのか?


なんて考えながら冒険者風の男達の後をついて行く。


少しも行かない内に男達は、木造の見た目に分かり易い赤く塗装された屋根の建物にゾロゾロと入って行った。


意外に近かったが、コジャレたバーとか西部劇乃中でしかお目にかれないような上下ぶち抜きの中途半端な両開きの扉が入口になっていた。


雨戸もないけど、雨風吹き付けてきたらどうすんだ?


「よかった、あれが冒険者ギルドみたいだ」


「そうだな、今度は全員で行こおぜ」




安堵を含んだ真一の言葉に、空かさず健が意見を述べる。


まあ、流石にギルドの受付カウンターを素通りして奥へは入れないでしょ。


内装も、外見通りウェスタンなんだけど、広さは一般的なコンビニくらい。商品の陳列棚変わりに円テーブルが幾つも並んでいて、弁当とか冷蔵庫のスペースに無数の張り紙がされ、カウンターはコンビニよりも広く、カウンターの裏に事務所らしき部屋がある。

鎧を着た冒険者が数人テーブルに居るだけで、さっきの人らは見当たらない。


一番奥の扉が意味ありげに開け放たれてガヤガヤしているから、そこから裏に出て行ったのか?


「こんにちは。こちらサフラの冒険者ギルドですが依頼のご用ですか?」


騎士の姿の真一に受付のお姉さんが話しかけてきたが、エルフじゃなかったのは悔やまれる。

街中“人”しかいなかったし、ファンタジーな人種はいないのかも…。


「えと、そうじゃなくて、俺ら未成年なんですけど、登録できるか話を聞いてみようかと…」


「あの、16才以上でしたら問題ありませんが?」


残念、全員10月生まれだからまだ15才です。

そのあたりを話したら、受付さんが吃驚していた。

端から見ただけなら、いまの健と真一は18才位には見えるからね。


「でも、確かにそちらのお嬢さんはまだ登録するには早いと思いますが…」



お嬢さんはオレの事だね。

日本人顔の美人にしたし、日本人は外人から若く見られるとはいうが本当の事だったんだな。

「あの、ウチの影丞も15っす」


「これもタメ!?」


「俺らが急に育っただけで昨日まで大差なかったつもりだったんで…」


ついさっき急成長しましたとは口が裂けても言えません。

因みにオレはマジで身長が縮んでるらしくて困っている。


「男女仲が良すぎるとある話ですね。友達だと思ってたのに急によそよそしくなったと思ってたらいきなり嫁いでっちゃったりとかよくありますよ」


「影丞、嫁ぐのか!?」


「嫁がないよバカタレ」



扇子で健の横っ面を叩くとスパーンと小気味良い音がした。

ハリセンなら音だけだけど、扇子は骨あるからイてぇの、健が頬押さえてうずくまるくらいにはな?


正直スマンでも今のは冗談にしても許されないよ?


お姉さんわざわざフォローしてくれたらしいのになんで健は真顔でボケた事聞いてくんの?


さっきまで男だよ?そんなんで嫁ぎ先が見つかったら、行き遅れのお姉さんの婚活に誰も苦労は至せんわ。


てか、ネトゲや格ゲーで女キャラ使う派だけど、いきなり男と結婚に踏み切るようなキレた思考してる訳ないだろうにさ。


「…影丞、その扇子なんで出来てる設定だっけ?」


「黒鎮鉄かな?」


「マジかよクッソいてぇ」


たしか、オリハルコンとかみたいな中国の架空の金属の設定だったかな?


神鉄とか神真鉄とがオリハルコンくらいの扱いで黒鎮鉄はアダマンタイトあたりの位置じゃないかな?


どちらにしてもオレが失った金剛石ダイヤモンドの価値に比べたらにべもなし。


「…普通はオレみたいのに結婚だのなんだの言わないからな?」


「わかってるよ」


冗談だったら許せるかもしれないけど、からかい半分で言われて黙ってられるほど人間出来ていない。


“アバ体のシヤド”になったばかりだからまだ精神的に不安定なのは本当だから勘弁してくれ。


「未成年でも受けられる方法ってありますか?」


「…そうですね。一応“素材卸グループ”の形にすれば、街や近隣の草原から集めてきた薬草の買取れます。

ただ、そちらは“冒険者”の活動と言うより“薬草農家”や街の人向けで冒険者の依頼ほど稼げません。

完全な自己責任でギルドからのサポートは受けられませんがどうしますか?」


ちなみに冒険者は戦闘用員扱いで、当然の如く戦争に駆り出されるそうだ。


「でも許さん」


「手加減はしようよ」


「あひゃん!?」


ナンカ知らんが、逆ギレした健にバラ肉啄まれて真一に反対側からバラ肉追加で啄まれた。


身を捩って逃げようとしたら、バランス崩して受付カウンターのテーブルで頭ぶつけた。


―因果応報とはこの事か。


視界暗転。

バラ肉つままれて気絶それどんな羞恥プレイ。

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