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おおい?

―色街は意外と安くて通えるらしい。


「連日朝帰りとかどうなの」


「「………」」


昼過ぎに起きてきた二人はフイと顔を背けた。


三日目の朝帰りに、恐れて実家に帰るとかやめてくれよ?


「オレはアレだからいちいち気にする事はないけど、控えめにした方が良くない?」


「わかった、そうする」


「姫の望みのままに」


真一、へんなアドリブいらん。


「はぁー、それにしても寝起きに辺な寝癖付くし髪の毛短くしたいや」


パンクしてたりグシャグシャになってたりするのは大変に遺憾であります。


櫛なんて始めて使ったし!!


毎朝解くの大変なんだよ。


「…無理だろ」


「もう諦めていいと思うよ」


「人事だと思って…」

下手な金属より強度があり、アバ体の髪の毛が切れない不具合発生。


アバ体だから容姿を変えるには課金しなきゃな変更できないとか、2Dの分際でワガママが過ぎてやしないだろうか。


因みに、今着てる服は三人ともカントウイという腰を紐で縛る筒状の服にズボンで、ここらの雑踏に紛れられる市民らしさが溢れる一品です。


ご飯も基本的にパンだしそろそろ自炊しなきゃ物足りなさに拍車がかかるばかりだよ。

基本的に餅米の黒と赤米しかないから、コシヒカリみたいな白米とは少し違うのは諦めるしかないけど米食いたいねー。


まぁ、江戸時代とかじゃなくて良かったとは思うけど、中世ヨーロッパ風世界もそんなにいい世界じゃないよ。


ポポタン採集は打ち止めになっちゃったから、ひと手間かけないとならなくなっちゃったからなぁ。

とりあえず、銀貨五枚でギルドにあった中古の錬成セットを買ってきたからオレは部屋でポーション作りを始める予定になっている。


真一は上着づくりで、健は部屋の改造。


やらなきゃならない事はそれなりにあるが、無人島生活よりは楽だと思う。


だって、遠距離専門のオレは矢が買えなくてウサギすら狩れない状況なんだぞ?


飛び道具の弓矢に関しては使用は、狩人免許と領主の許可が必要で、有事には確実に戦力として参加しならなきゃならなくなるんだってさ。


やりたくないねぇ。凄くやりたくないねぇ。ロビン・フッドみたいに頭の上のリンゴ狙うのも勘弁願いたいわ。


ましてや人に射る可能性があるのはマジ無理だよ。


「俺は二階を作りたいから材料から集めないとな」




健は健で、ロフトを作りたいらしい。

頑丈な梁の上に板を敷いてロフト作るとかちょっと無謀な事を構想してるのは、ロフトが単純に憧れていたらしい。


秘密基地的な空間にしたいらしいけど、梁は床から二メーターくらいで、梁の上は1・3メーター。オレはスッカスカスカだから構わないけど、前ら二人の頭上の余白が狭くなるだけなのにね?

秘密基地がいらなくなれば壊せばいいけどさ。



「こっちが蒸留水で、蒸留水を作ったポポタンは裏漉しして煮詰めると軟膏になるんだ」


寝室に棚を作って、その上に機材を設置。

理科の実験道具みたいな?


説明書を読みながらポポタンカフェオレを飲む。


ゲームじゃゴミなんか出なかったんだけど少量とは言え出るんだなー。裏漉しした残りは竈に投げとけばいいくらいしか出ないからいいんだけど、たくさん出たゴミの回収とかないみたいで、宿屋の大将に聞いたら「そりゃお前、庭に埋めるに決まってんだろ」と話した。


錆びた鉄なんかは鍛冶屋で木片は竈、生物なまものや都合の悪い物は土に返す。エコだけど、都合の悪い物まで土に埋めるとか中国か?なんて考えてしまった。


化学繊維もないし処理場とかなくても大丈夫なんだろうと健と真一も話してた。

実際、宿屋の裏庭には残飯やら髄まで堀り抜かれた動物の骨がたくさん埋まってるとか。


骨だけなら臭くはならないらしいけど、どんな生き物の物であれ庭掘って骨がポコポコ出て来たりすんのはやだなぁ。


貴族の庭はホントにヤバいのが埋められてるとか話すのやめて欲しいわほしい。


何万年後とか大量の化石になって発掘調査されたりすんだろうか?


てか、この世界に化石あるのかな。

Tレックスとかの、恐竜はいなかったかもしんないけど、ドラゴンの祖先の生き物とかいたら化石あるよな…。


いつか掘り起こしたいわ。


発掘はプライスで、遺跡の盗掘もプライスです。


人骨あったら立ち入り禁止区域に!!!


某赤い髪の魔術師みたいに、盗賊のアジトを襲ったら簡単に一財産できるんだろうけど、日本人には出来ない話しだよなぁ。


「…やってみるか」


とりあえず、竈に火を入れて鍋を火にかけよう。


うまく行かなくてマッチを五本ほど無駄に消費した。


朝はパンだけにしたから火を使わなかったけど、マッチで薪に火をつけるのが意外に難しい事が発覚。




威張れた話しじゃないけど、オレ今まで“火”を扱った事ないです。


システムキッチンの、ガスはカップラーメン作ったりすんのにカチカチしたけど、火打ち石をリアルにカチカチしたことありません。


そりゃ竈に火が入らないのも当然だわな。ライターで焚き火すらした事ないのにマッチで薪に火を付けるとか、初心者には難易度高過ぎるわ。


マッチの柄が地球の二倍くらいのサイズだから火がついただけで向こうのサイズじゃ火をつけらんなかったし、薪が松とか桧みたいな木じゃなかったらマッチ一箱(40本入り)全部使い切った上で火を起こせなかった可能性がある…。

今出掛けてるけど、二人が帰ってきたら薪とか燃やす物を買ってきてもらって可能な限り火を絶やさないようにしないとならないかも…。


あ、そういや錬成セットの中に、ビーカーを温める為のオイルランプが入ってたから、今度から先にアレに火を付けてから作業するようにしよう。


とりあえず竈で作業開始ーっ!

まず、鍋で落花生を塩ゆでします。


ポーションを作ると誰が決めた?

茹で上がったら、ザルに移して冷ましてから殻を剥いて、…カラーヒヨコみたいにピーナッツ一個一個の色が違うとか異世界凄いな。


剥いたらバターで炒める。


水気を抜いたら、バタピーの出来上がりなんだけどー、バタピーじゃなくてMアンドNなチョコみたいに見えてきた。


大量に作ったからネットに入れて吊して保管。


二人が帰ってきたら“バタピー共に”見せてやろう。


八百屋の野菜も魚もやたら綺麗な色してたけど、原色系生態系とかアマゾンかなんかかここは?


スパンコールみたいなラメ入りキャベツとかおいそれと手をだせんわ。


そろそろ生のドクダミを摘まむのも飽きたし…。


バタピーに期待しよう。


とりあえず、バタピーは出来たしドクダミのお茶でも作るか。

椿科の植物の葉っぱがあれば緑茶もつくれるな。


よし、頑張ろう。


影丞の方向性がほぼ露わに…

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