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知ってましたか?

良くある転移物にこんな話がある。


「ギルドに登録に来ました」


「では此方の書類にサインをしたら、奥の部屋の魔道具でステータスプレートを作ります」


自己責任やギルドに有利な契約を結ぶ転移者。


「わぁ、魔力量がすごいですね期待の新人です」


女神からチートを授かり主人公は鼻高々だ。


「では、此方が最初の依頼です」


「わかった。行ってきます」


薬草採集を受付嬢から渡された主人公は意気揚々と歩き出す。

種を巻いてあるガキの御使い程度の依頼だと気付く事もなく決められた数より多く採集してくるのも世の断りだ。


「…へんな子きちゃったな」


「顔は悪くなかったよ」


「え~?まだ子供じゃない」


「16なら、あんなそんなもんでしょ」


「また、泉の周りに種蒔きして来ないとじゃない」


「冒険者に任せりゃいいじゃない」


「それもそうね。知り合いに依頼出しとくわ」


受付嬢は主人公に報酬を渡した後、同僚と二人で新しく来た子ってちょっと変だったねと笑い合うの…かもしれない。



三日目のギルドはピリピリしていた。


受付嬢も、何やら疲れて居るみたいだしなんか大変な事でもあったのかな。


しかしおぜうさん、受付嬢の化粧が日に日に濃くなるのはいただけないね。



肌荒れとクマを隠してたみたいで、ホントに何があったの?なんて考えてたけど、一週間目の夜に酷くやつれた職員達に“もうやめてくれ”と懇願されて原因は解明された。解体とかやってる人らしいんだけど連日つか、他の人の持ち込みとウチのポポタンの仕分けで、夜なべがこれ以上は無理だと叫んでました。



薬草の仕分けの手が足りないならいギルドでバイトでも雇えよケチくさい。

それに、ウチらが納品する量に対して消費が追い付かなくて、魔法袋とか保管庫がポポタンで“溢れて”もう引き取れない状態なんだそうだ。


ポポタン買い取りが暫く出来ないとかふざけんな。健は“金は要らないから引き取ってくれ”と話し、その実ただの腹いせに、最後に手加減抜きの“ぼーん”をして解体所が大破して気分よく帰ってきた。


一週間ポポタン採集で効率は上がりまくりです。


―インベントリの勝利。


ついでに、肉厚の花とか色々渡したら、原種(狂い咲き)があって、余所の街でオークションにかける事になった。

国宝とかになるくらい貴重で、エリクサー級の効能なら一千万は堅いそうだ。因みに高い理由は、花びら一枚で効果が望めて、戦闘中に花をガムみたいに噛んでれば口の中に薬効が常に体内を周り続けるから底無しの体力になり、戦闘における切り札になる代物。


因みに下も無限に生産と回復をするとかしないとかで好色家や高貴な方々は湯水のように使うそうだ。


因みに、同じ物を小さなバケツ一杯分確保してあるから大丈夫。

売りに出したら老後まで安心かなんて考えたけど、もしもの為に保管する事になった。


「普通は売って旅の資金とかするんじゃないか?」


「出来ねえよ。盗賊とか無理だろ…」


「ボクも殺人はしたくないから街に居たいかな」


そか、オレも無理だな。


「お金は手には入るから、いつでも行けると考えるとしてだ。とにかく、周りにある遺跡とかダンジョンから調べていこうと思てるんだが?」


あ、一応このあたりも調べないと何もわかんないの確かだよね。


何年も旅して、最後に転移ゲートが実はこの近くだったとかなったら笑うしかないよ。


「そだね、あてがないならこのあたりも候補だよねぇ」



ん、とりあえず。暇つぶしと生活空間を整えよう。



―出来る依頼がありませんし?

解体所轟沈!

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