なにしとん
あの女の人を普通に助けたら
借金の肩代わりされたり、病気の母の薬代が~や、場所代が~みたいな、余計な荷物背負ったりしたのかね?
くわばらくわばら。
人間万事塞翁が馬ともいうからこれでいいよ。
なんせ今のオレらは、保護者とか後ろ盾がないから、人間万事じゃなくて人間バンジーになっちゃう、異世界転移で坂道を転がるように墜ちるのは勘弁し、今体女だから奴隷ルートなんかなおさら避けたい。
まあ、一言だけ言わせて貰えるなら、まさかあそこでバックするとは夢にも思わなんだ…。
王道は、助けて知り合いになったら地方妻候補になる訳だ。
軽々悪漢から助けて、名前も告げずに颯爽と去るは後日へのフラグ。
いくら何でも、この解決策は“スマート”過ぎると思いませんか?
WW多分あのお姉さんいや、見てた人は二度と近寄らないぞWW
ほらほら、道行く人がみんな目を逸らしてる。
いや、おじさん頬染めるのやめて?
娘様かわいいから知らない人と目が会うとアウトだ。
くだらんか?
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街に鐘の音が鳴り響いく。
定期的に聞こえて来るので、一時間置きに鳴らされているようだ。
ただ、宿屋には小さな古時計があったし、ふくよかな人の腕には腕時計とかしてるから、時計はあるみたいね。
1日24時間、時計は12刻みで数えも0時から12時。
間違えなくて楽だし、季節、春夏秋冬の季節の花の12“花月”30~31日。
ポポタンみたいな薬草は、魔力の影響で一年中咲いてるそうだ。
レアな薬草が季節の花らしいよ。
後、季節外れだったりする奴は、花一輪食べるだけ上級ポーション以上の効果があるそうだ。効果の高いポーションほど不味いらしく、花一輪ですむならその方が楽なんだが、季節外れはメッタにないから高いらしい。
エリクサー級なら、オークションに出せば家どころか屋敷が建つらし。
―探してみせよう季節外れを。
あと、宿屋のカレンダーと大将に確認したら、閏年はなくて冬至や夏至の太陽を目安に調整され、季節がズレないようにされてるらし。
お祭りがあるらしいドキドキするドキドキするぞ。
健が堂々と店の人に転移だとか話したけど“まあそう言う事もあらぁな”と、大将に軽く流されましたから!!
「飽きたし、そろそろギルドに行ってみるか…」
「お昼になるし食べ物も拾ってよ」「飽きたし、そろそろギルドに行ってみるか…」
「お昼になるし食べ物も拾っこうよ」
「街にいるんだし、食べてこうぜ」
「そうだね。そうしようか」
市場を抜けた俺達は飯屋を探して歩き出した。
だが、入った食堂に米はなかったよ。
銀紙混じったみたいなキラキラサラダとパンと綺麗な紫色をした塩スープ。
やはり、見た目だけで味は薄い。
香辛料が足りない。
しきりに、サラダに塩を振りたくる冒険者もいた。
円にしたら800円くらい、安くないのに味付けは自己責任とかむなしい。
なんか色々な香りがした店があった気がしたから明日拠ってみよう。
ギルドで指摘を受けるまで、肝心のスコップを買い忘れていた事をまったく思い出せなかった。
―スコップとか普通買わないから仕方なくない?
まぁ、今日も道具を借りた。
強い東風に背中を押されるように草原に向かうと、昨日よりたくさんポポタンが生えていた。
作業中、二人はしきりに何かを気にしていた。
今朝文句を言ったおかげで、二人ともトイレは離れた場所でしてくれるようになった。
―なんか、土が隆起した場所に小さな穴が空いてたからそれめがけてやってきてるらしい。
作業の終わり頃には、大で穴を埋めてきたなんて笑ってたけどネタにしても汚いよ。
人的被害はないにしても、なんか日本じゃやらない事やりすぎてませんかね。心のタガみたいのがはずれて来てんのかなぁ?
何はともあれ、本日もポポタン大量ゲットだぜ。
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決してバレてはいけない任務の最中の男。
(ぉお゛え゛え゛、彼奴ら最悪だー!)
監視部屋の中、無言で悶えていた。
タラは泣きながら帰り、昼過ぎに荒れ地に咲き始めた大量のポポタンより、交代で監視穴に小便をぶち込んで、挙げ句の果てに爆臭漂う大便を詰めた少年の無邪気な残酷さをギルド長に報告した。
後に、便器の真ん中に印があると床が汚れなくなる発明に繋がるとか繋がってないとか。
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ターゲットロック