円卓の騎士
遅くなりました。
設定を練っていたのと、仕事が忙しかったというのが今回の言い訳です。
アリスの話によると、今から聖騎士の中でもトップクラスの強さと権限を持つ者による、円卓会議が行われるそうだ。
そこにアリスは出席しなければならないらしい。
「じゃあ、ちょっと行ってくるわ。
ノクスはダンジョンからでない様にね!
私が戻って来るまでは、ちゃんと居てね?
約束なんだから……」
心配そうに視線を下げるアリスにノクスは近付き告げる。
「わかってるよ、心配しなくてもアリスの魔力の問題が解決するまではどこにも行かないよ」
「うん、じゃあ行ってくる。
このダンジョンの場所は知られてないし、万が一勇者が来てもみんな強いから大丈夫だと思うから」
「聖騎士レベルの奴でも来ないと俺たちは負けませんよ、アリス嬢」
「まぁ、確かに聖騎士位には負けるかもだけどな」
「聖騎士さんは本当に魔族のスペシャリストですからねー」
ミノタウルスのミノさん、ワーウルフのウルフェン、スライムのドロップがそれぞれに口にする。
「何言ってるの!あなた達はみんな強いんだから、聖騎士程度に遅れはとらないわよ!」
「そ、そうですかね?いや、まぁ、確かにそこら辺の奴らには負ける気は全然しませんけどね!」
「誰が来ても全力で相手するんで、アリスさんの心配は自分の事だけで大丈夫ですよ」
「そうそう、アリス様は結構抜けてる所があるんですからー」
「はいはい、それじゃ、行ってくるわね!」
ノクスはアリス達の会話を聞いているだけで、互いが信頼している事がよくわかった。
少しだけ羨ましいと思ってしまった。
自分はずっと一人だったから、友人や仲間という、互いを信頼する関係に憧れを抱いていたのだ。
「アリス、気をつけてな」
「うん、ありがと、ノクス」
アリスは少し距離をとりスキルを発動させる。
「魔力転換、光」
周囲は輝きで満ちた。
無数の光の粒が辺りに広がっていく。
薄暗かったダンジョン内が眩しい位に明るくなる。
これが聖騎士の魔力なのか。
ノクスが聖騎士という存在を実感するには十分だった。
自分がなりたい存在。
自分がならなければならない存在。
昔に交わした約束を果たす為の存在だ。
それにしても、やはり自分はとことん聖騎士に向いていないと感じずにはいられないな。
眩しくて目が焼けそうだ。
光が徐々に弱くなり、アリスの周囲にだけ光の粒子が漂う。
「君は……」
アリスの姿には確かに見覚えがあった。
勇者適性試験前に集団に絡まれていた少女だ。
「本当に別人だな。
髪も魔力も雰囲気も、魔族のアリスとは全然違う」
「うん、因みに若干だけど、性格とか、考え方も変わるみたいなの」
「確かに知的でクールな感じになったかも」
魔族のアリスは喜怒哀楽が素直に出てくる明るいイメージだが、聖騎士のアリスは落ち着いていて硬いイメージが強い。
魔力が変わるというのは、それだけ肉体や精神面への影響は強いようだ。
「それじゃ、改めていってきます。
ダンジョンのこと、お願いね」
背を向けて立ち去るアリスの周囲は未だに光の粒子が漂い、彼女が圧倒的な存在であることを証明していた。
しかし、ノクスにはその光が小さく感じられずにはいられなかった。
先ほどの圧倒的な眩しい光の強さとは別に、何処か儚げに思えた。
魔族であるアリスが対魔族のスペシャリストである聖騎士、その中でも更に実力のある円卓の騎士の中に単独で接触するということは、当然ながらアリスが魔族であると知られることは死を意味するだろう。
それもアリス自身が円卓の騎士の称号を授かるに到るまで、そして円卓の騎士となって尚、敵地でたった一人、彼女は孤独に高いリスクを背負い戦い続けていた事になる。
アリスがUtopiaで聖騎士として行動する時は、常に孤独だった。
魔族と聖騎士が共に行動する事などある筈もないし、Utopiaで知り合った者はいつ自分の敵になるかわからない。
孤独故にアリスの光が儚げに思えたことに、ノクスは気付くことはなかった。
「本当に助かります、ロロニアさん」
「いえ、私は傭兵兼荷物の運搬をしていたので、魔導車の運転には慣れているんですよ。
お役に立てて良かったです」
ステラとロロニアは第一帝都センチェリオンから、魔力を使って走る四輪駆動魔導車を調達し、第二帝都、サラマンドラへと向けて移動していた。
魔導車は周囲の魔力と操縦者の魔力を、魔導車内に搭載されている魔導炉に貯め、魔力を使用して動かすことができる移動などに使用する乗り物だ。
動かすことは誰にでもできるのだが、操縦するとなると多少の訓練は必要になる。
ロロニアは勇者適性試験を受ける前に運搬業を営み、魔導車の操縦に慣れていた。
「ロロニアさんは如何して運搬の仕事から、勇者になることにしたのですか?」
「私はドワーフにしては、物を生成する才が皆無で、その代わりに肉体が一回り丈夫に生まれてきたので、物心ついた頃からはずっと戦闘訓練を積んできたんです。
だからなんとなく、護衛の仕事と運搬を一緒にサラマンドラで営んでいたのですが、最近は魔物を見かけなくなって比較的安全に移動や運搬が出来るようになったんですよ。
危険が少ないのは良いことなんですが、私は仕事が減ってしまい、勇者になろうとなんとなく受けたんです」
「サラマンドラでのダンジョン攻略率が高いのは私も聞いていますよ。
聖騎士アリスさんの構成が大きいようですね。
流石はアリス先輩です」
「本当になんとなくでした……。
私が勇者になろうと思ったのは、ただの気まぐれみたいなものだったんです。
でも、ノクスさんとドラゴンの戦いを見て、私もあんな風に戦いたい、あんな風に強くなりたいと思ったんです」
「……確かに聖騎士といえど、一人でドラゴンを相手にするということはとても難しいことです。
……しかし、円卓の騎士ならば、恐らく一人で倒す事は可能です、と伝えるのは少々不粋ですね。
よく、慕ってらっしゃるのは、今の話を聞いてわかっているつもりです。
ですが、上には上がいます。
目標にするのならもっと高い方が良いでしょう。
と、差し出がましいですが、言わせてもらいます。
勘違いしないで欲しいのですが、別に彼の事を悪く言っているつもりも、ロロニアさんの気持ちも否定しているわけではないんです。
ただ、彼のレベルは幾らでもいます。
それは、事実です」
「……そうですね。
それはステラさんや、アルティナ様を見ているとわかる気がします。
ただ、如何してかなのか、わからないんですが、ノクスさんの戦い方……ですかね?
惹かれたんですよ、私」
「そうですか、私はロロニアさんに強制を強いる事は勿論しませんから、そう感じたのならばロロニアさんには見えている何かがあるのかもしれませんね」
「折角アドバイスを頂いたのにすいません。
あ、森を抜けますね、近道なんです」
「本当にサラマンドラの地理に長けていますね。
流石は運搬をしていただけあります、本当に助かりますよ」
「そ、そんなに褒めないでくださいよ、て、照れちゃいますから……」
「本当の事ですから、素直に受け取ってください」
顔を赤らめ、誤魔化すようにロロニアは前髪を弄り、不意にステラが聖騎士になった経緯をが気になった。
「ステラさんは如何して聖騎士になったのですか?」
「そうですね、ロロニアさんの話を聞くだけでは不公平ですから、私も少々語らせて貰いますが、つまらないお話ですよ?
私の場合はなるべくして聖騎士になりました。
生まれが貴族というわけでもないのですが、生まれた瞬間、私は光に包まれていたそうです。
聖騎士になることは誰にでもわかり、聖騎士になることが決まった瞬間だったのでしょう。
直ぐに様々な名家から養子の依頼が殺到したそうです。
それを断った両親は原因不明の死を遂げました。
そして私は教会に保護され、騎士学校へ通い、今に至ります」
「その、犯人はわかっていないのですか?」
ロロニアは直ぐにステラの両親は殺されたのだと思い、ステラに問いかけた。
「犯人?ああ、両親の謎の死ですね。
もしも、何者かが手を回していたとしても、きっと問い詰めればキリがない話ですよ。
実行犯とは別に、企てた人物や、命じた人物、便乗した者もいるかもしれません。
どこまでいってもその全てがわかることはないでしょう?
だから、私は問題そのものを吹っ切りました。
両親は殺された訳ではないと思うことにしたんです。
実際の話、本当にわからないことですからね」
「……ステラさん」
何を言うべきか、何を言うべきなのか?
ロロニアの中で思考を巡らせることは、魔導車の操縦から意識が逸れるには十分だった。
「ロロニアさん!
止めてください!!」
ステラの声に驚き、ロロニアは前方に小鳥が集まっているのが見えた。
瞬時に魔導車のブレーキをかける。
急ブレーキをかけた魔導車は大きく揺れ停止し、前方に集まっていた小鳥が一斉に飛び去った。
「す、すいません、ステラさん!
大丈夫ですか!?」
「私は大丈夫です。
それより、彼女は……?」
「え?」
彼女とは当然自分の事ではないと、ロロニアは気付きステラの視線を追う。
小鳥が佇んでいた場所に一人の少女が倒れていた。
「どうぞアリス様、此方へ」
案内役の聖騎士に連れられ、アリスは会場へと向かう。
翼を生やし、全速力で飛行しアリスは第一帝都、センチェリオンへと舞い戻った。
聖騎士状態で翼を生やし飛行は可能だが、一応は秘密にしている。
扉の前まで案内されて「此方です」と、案内役に促される。
いつも同じ場所なのに案内役が必要なのかと、毎回の疑問を巡らせながら扉を押し開き中に入る。
「遅れてごめんなさい」
室内のはずなのに、庭園のような景色がアリスの目に写る。
扉より先からは芝生が茂り、四方にある噴水から水が迷路のように様々な形にあしらわれた水路の至る所に流れている。
部屋の中心には大きな円卓があり、既に数人が座っていた。
「大丈夫、大丈夫。
そんなに遅くなかったよ。
急な呼び出しにわざわざごめんね」
時計を連想させる12個ある席の一の時にあたる席にいる人物、ルシア・キリシュフォードだ。
若くして自他共に認める正真正銘の実力者であり、円卓の騎士の統率者で最も実力と権限を持ち合わせる人物である。
「なに、大事な円卓会議に参加すらしない者たちもいるくらいじゃからな。
世も末じゃな」
二の時にあたる席の人物、ガラド・ヴァイシュ。
高齢ながら未だに聖騎士学校で剣術を指南している剣聖の異名をもち、ヴァイシュ流剣術の後継者である人物だ。
「まぁまぁ、ガラドさん。
皆さんそれぞれの事情もあるでしょうから、あんまり言わないであげて下さい。
参加しない者たちはそれぞれ円卓の騎士である事は自覚しているでしょうから……」
三の時にあたる席の人物、ソーマ・ボルティニス。
騎士道を強く重んじており、いつも笑顔で温厚なイメージが強いが、任務となれば内容がどうであり、完遂する残酷性を見せる事もある。
四の時にあたる席にアリスは腰を下ろす。
ここが自分の席だ。
五、六、七の時にあたる席は空席だ。
ここの席は空席である事が多い。
八の時にあたる席の人物は、ミルミュラ。
猫の様なふさふさな耳と尻尾がある獣人である。
「はよー、始めよーやー。
もう、うちは待ちくたびれたにゃー」
九の時にあたる席は空席だ。
十の時にあたる席の人物はエミエル。
恐らくこの中で一番若く見えるだろう。
小柄な容姿に、無邪気な表情はより彼を子供っぽい印象を強める。
「そうだよー、どうせ後はこないっしょ?
僕も暇じゃないんだからさ」
「円卓の騎士が何を言っとるんじゃ?
お前さんら終いには儂が直々に叩き斬って除名するぞ」
「まぁまぁ、ガラドさん、落ち着いて下さい。
もしもの時は自分がやりますから」
ミルミュラとエミエルのダラけた様子にガラドとソーマがそれぞれ返答する。
「でも、確かにこれ以上は参加される気配は無いですから、そろそろ始めませんか?
ステラさんも、任務中なのでしょう?」
そう提案したのは十一の時にあたる席の人物、シフォンだ。
穏やかでゆったりとした雰囲気の女性だ。
全てを受け入れてくれる様な印象は、彼女の豊満な胸による所にもあるだろう。
十二の時にあたる席を見て、アリスはシフォンに問いかける。
「ステラの任務はアルティナ姫の護衛じゃなかったかしら?
もうとっくに終わっているのでは?」
「アリスが後輩を気遣うなんて、珍しいわね?」
「ちょっと、個人的な恨みがあってね。
先輩から教育的指導をしてあげようかと思っていたのだけど、お預けかしら……」
「アリスの恨みを買うなんて、ステラちゃんは大型新人ね〜」
シフォンのゆったりとした笑い声とアリスの乾いた冷たい笑い声は独特なハーモニーを醸し出していた。
「あんまり、喧嘩しないでね。
色々面倒事は御免だよ」
ルシアの一言で場が静まる。
「さて、じゃあ円卓の会議を始めようか。
アルティナ姫からの緊急応援要請があってね、まぁ、事は済んだんだけどさ。
教会側の教皇や枢機卿も今回の事は結構重要視してるみたいだから、急な円卓会議を開く事になったわけだよ。
簡単に話すと帝都に最上位魔族が侵入していたって話なんだ」
「帝都に魔族が!?」
聖騎士がそれぞれ表情を変えた。
それだけ帝都に魔族がいるという事実は危惧される出来事だ。
「侵入経路は不明だし、聖騎士候補を一人連れ去った情報がきていてね。
ステラちゃんにはアルティナ姫からの要望もあって、その魔族をそのまま追ってもらってる」
「ステラが!?」
アリスは動揺を隠せなかった。
自分とノクスを追って円卓の騎士が来ているなど予想していなかったからだ。
「本当にアリスちゃんは後輩想いね〜」
シフォンの声に「そういう訳じゃないわ」と返答し、平然を装った。
「とにかく、今聖騎士に出来る事は、予期される出来事の対策と、魔族の侵入経路の調査位なんだけど、今回は大事に成らないと思うから気負わなくて大丈夫だと思うよ」
その言葉を聞いて一同は安堵のため息をついた。
ルシアの漠然とした「思うよ」という言葉は、今まで外れた事がない。
彼が大丈夫だと言えば、それは大丈夫なのだ。
そう思うには十分過ぎるほど、彼の、ルシアの実力と功績がある。
「でもまぁ、各自、自分の守護帝都にしばらく滞在して、民を安心させてあげてよ。
あとはこっちで一通りの対策はしておくからさ、じゃあ、質問なければ解散ね、お疲れ様」
誰からともなく席を立ち、それぞれが移動を始める。
アリスはしばらく立てずにいた。
どうするべきか思考していたからだ。
やはり早くダンジョンに戻るべきだろう。
しかし、大まかな方向はサラマンドラである事はわかっていても、ダンジョンの詳細な場所は特定されていないはずである。
円卓会議の後には密談をする事が、情報提供者との双方の決め事だった。
それを破ることは裏切ったと思われてもおかしくはない話だ。
やはり、早々に密談を終わらせてから戻るべきだろうか?
思考錯誤で頭の中がごちゃごちゃしていたアリスは、自身に近づいてくる存在に気付かない。
その人物とはアリスが一番接触の避けたい者、聖騎士の統率者であり、円卓の騎士の中で一番の実力者、ルシア・キリシュフォードだった。
「アルティナ姫!ご説明願えますかな!」
淡い光を放つ石からアルティナへ向けられた声だけが響く。
「まぁ、ゼムロム枢機卿、あまり声を荒げるものではありませんわ」
表情が見えないのをいいことにアルティナは明らかに不機嫌な表情を浮かべながら石へと返答する。
「私もこんなに声を荒げたくはありませんよ!
独自の判断で聖騎士を乱用しないでいただきたい!」
「最上位の魔族が突如、帝都のど真ん中に現れたこと以上に今問題視するところがあると?」
「それと今回の聖騎士ステラに対する命は関連性はあっても、適切な判断ではないのではと思います!」
本当に面倒な相手だ、とアルティナは思えずにはいられない。
教会は第一帝都センチェリオンにその本部を置いているのだが、決してセンチェリオンに所属している訳ではない。
教会というそのものが一つの国家なのだ。
表向きは帝都に属し、様々な援助や支援を互いが行える関係なのだが、最終的な決定権は教会に属する枢機卿の数名によるものとなっている。
今回の様なアルティナが独自の判断で、聖騎士ステラを魔族を追跡する様に命じたことは、教会側からすれば面白いことではないのだ。
「相手は最上位魔族です。
軍の兵士では太刀打ち出来るか怪しい所を、聖騎士であれば単独による処置も可能でしょう?
連絡を待っているだけでは魔族を見失う恐れがありました。
早急に追跡すべきではないですか?」
「たとえそうだとしても、此方に一報頂きたいものです!」
「だから、今差し上げているではないですか。
すみませんが話が進みませんので、カムイ枢機卿か、ゼウム教皇に代わっていただけますか?」
「ふざけないでいただきたい!
カムイ卿は関係ないではありませんか!
聖騎士ステラは私の管轄なのですよ!」
「どうかされましたか?
ゼムロム卿、声が響いましたよ?
それから、私の名前も聞こえたのですが……」
しめた、とアルティナは表情を緩めながら、甘い声を出す。
「カムイ枢機卿ではないですかぁ?
私、アルティナです。
ご無沙汰しております」
「おお、これはこれはアルティナ様、何用ですか?」
自然な形でカムイ枢機卿はゼムロム枢機卿と石の間に入り、アルティナとの会話を始める。
「実は今回の一件で聖騎士ステラをお借りしていることが、ゼムロム枢機卿にはよく思われていない様なのです」
「そうなのですか!?
魔族の話は聞きましたが、アルティナ様はご無事で何よりです。
ゼムロム枢機卿とは私の方で話し合っておきますので、どうぞアルティナ様の良しなに」
「まぁ、ありがとうございます。
カムイ枢機卿は本当に頼りになりますね」
「いえいえ、アルティナ様の為ならば、ではまたいずれ」
通信が切れたのを確認しカムイはゼムロムへと向き直る。
「話に割り込んでしまってすみません、ゼムロム卿、どうもアルティナ様には甘い節があるもので……、所で何か問題でも?」
「勝手な事をされては困るのだよ。
私が苦労して手に入れた聖騎士が使い物にならなくなったらどうしてくれる!」
「万が一の時は私の騎士をお譲りしますので、ここは私に免じてもらえませんか?」
「もう良い、カムイ卿の方からもアルティナ姫に強く言っておいてくれ」
「ええ、わかりました。
私の方からもしっかりと伝えておきます」
立ち去るゼムロムをカムイは複雑な表情で見送った。
登場人物がいっぱい出てきましたが、今覚えて頂きたいのは聖騎士ルシアとゼムロム枢機卿位です。
あと忘れても大丈夫です。