地獄の始まり
2500年 人間たちの住む世界は信仰していたモノたちによって破壊され支配されてしまった。多くの人間は死に、残された人間たちもとても裕福とは言えない暮らしをしていた。女子供は痩せ細り、男たちは兵隊として戦場に赴いた。この世界の人口は今君たちのいる世界の半分以下と言ってもいいだろう。何?アベンジャーズのサノスの様に世界の人口が増えすぎたからそのモノたちは人口を減らすために侵略を始めたのかと思ったか?いや・・・そう言うわけではないんだ。モノたちは人間たちに鉄槌を与えたかったのさ。なぜなら最近無意味に人を殺し刑務所に入るって輩が多くなってきているだろ?2500年ではそれが最も増えてしまったのだ。2000歩譲って戦場で人が死んでしまうのは仕方のないことだと思っている。僕はな・・・こんな世界じゃこんな腐った考えも出てきてしまう。だがこんな世界でもただの殺人は許されない。だが社会とこの世界の教育のせいで殺人は多くなってしまった。それを見ていたモノたちは怒り俺たちの世界を抹消しようとしたわけだ。だが僕たちは根強く生てしまい今モノたちは自分たちの手で虐殺をしているってわけだ。大体のことは話した。とてもアバウトだったがな。ここで僕の紹介をしよう。僕はジン、見た目は黒髪で短髪で体は細めだ。Dirty fateが起きる前は医療系の専門校に通っていた22歳だ。今は医療兵として生計を経てている。ん?Dirty fateってなんだって? そうだな、簡単に説明をしよう Dirty fateってのはさっきから言ってる”モノ”が俺たちの世界を破壊した日のことをDirty fateと僕らは呼んでいるんだ。残念だが戦慄は悪い。毎日500人もの人間が死んでいる。俺たちはただただ死を待つだけだ。モノたちの攻撃は僕らの持っている武器では防げない。歯が立たないんだ。そう全くな。だが唯一モノたちに攻撃できる者がいる。それは超能力者という奴らだ。彼らがいなければ僕たち兵士なんて一瞬でやられるさ。だが彼らのおかげで今なんとか生ている。僕は彼らを尊敬している。そして憧れている。だが彼らのようにはなれない。なぜなら彼らは・・・そう話している内に僕を乗せていた輸送車がベースキャンプに着いたようだ。このベースキャンプは戦場の最先端にあるベースキャンプであり、怪我人が何人もいる。そして今も戦場では怪我人が増え続けている。すると輸送車のドアが開く。するとボロボロの軍服を着た教官の姿が現れ、大声で言う。
「おい、死に損ないのクソども!お前らの墓場に着いたぞ!」
すると泥まみれの軍服を着た兵士たちは一斉に立ち上がり輸送車から出る。そして綺麗に整列し教官の前に立つ。教官は言う。
「いいかお前たち、ここにはお前たちが経験したことのないことが待っている。それだけ聞くとアドベンチャーが始まると思うかもしれないがここで始まるのは地獄だ。時には仲間をも殺さなくてはいけない!その覚悟があるか!!」
兵士たちは一斉に「はい」と大きな声で言う。
「ならすぐに作業に移れ!2時に早速戦場に向かってもらう!ここにいる全員だ!」
兵士たちは再び「はい!」と言う。そして僕たちは銃の整備をし戦場へ行く準備を整える。僕の場合は包帯や鎮痛剤をポシェットに入れる。そして時刻は2時になる。僕が整備室から出た瞬間、緊急時に流れるサイレンが鳴り響く!その時僕は感づいた。これは・・・敵襲だ。すると上空から羽の生えた人間の様なモノ、そう天使が多数飛んでくる。すると教官が銃を天に向けて叫ぶ!
「敵襲だ、撃て!!!」
僕たちが攻撃を仕掛けようとしたその時であった、天使たちは手に握っている槍から雷の様な光線を放ち、僕たちのいる大地に直撃させた。すると轟音と共に大地は膨れ上がり爆発した。僕はその衝撃で後方に吹き飛ばされるがかすり傷で済んだ。僕は立ち上がり歩き始めるとうめき声が聞こえた。僕は声のする方へ向かっていくとそこには先ほどの爆発で手足が吹き飛び腹に大きな木の破片が突き刺さっている教官の姿があった。僕は教官の元に駆け寄る。
「教官!すぐ手当しますジッとしててください」
教官は虫の息で言う。
「無駄・・・だ・・・いい」
「でもそれじゃ教官は・・・」
「おい・・虫けらの新米兵・・・さっきの俺の言葉をもう忘れたのか?・・・時には仲間を殺すこともあると言ったはずだ!・・・これがそうだ・・・死に損ないの俺を助けてどうする・・・もっと助けるべき兵士がいるはずだ・・・」
僕は辺りを見渡すと倒れてはいるが教官よりも軽傷の小太りな兵士が1人いた。教官は僕の手を掴み言う。
「おい何ぼさっとしてるんだ。助けるべき兵士を見つけたんだったらそっちに行け!・・・・人類に勝利を・・・」
教官は言い切ると僕の握っていた手から力が抜け、そして力尽きてしまった。僕は涙を無言で拭い、負傷している兵士の方へ向かった。
「大丈夫ですか?痛いところはどこですか?」
兵士は言う。
「大丈夫だ・・・」
「そうですか・・・じゃあ立ち上がって」
「あぁ」
僕は手を差し出すと兵士はその手を掴みながら立ち上がる。兵士は言う。
「お前は名前は?」
「ジンです」
「ジンか、いい名だ。俺はウォンだ。出身は?」
「わからない、ウォンさんは?」
「俺は香港だ」
「いいところですね」
「あぁ、いい所だった」
ウォンは静かにそう言うと外で再び爆発が起きる。ウォンは言う。
「俺の昔話は今度にした方が良さそうだな」
僕は静かに頷く。
「そうですね」
「なあ俺はずっとここに居たもんで外の状況を知らないんだ。何が襲ってきたんだ?」
「小さな翼に槍、あの見た目は天使だと思います」
「天使か・・・まだマシだな」
「そうなんですか?」
「あぁ、俺は幾度の危険な戦場を経験した男だ。お前は?」
「僕は戦場は初めてです」
「なら覚えておけ、奴らの弱点はあの小さい翼だ」
「でも学校では・・・」
「奴らに弱点はないと教わっただろ?」
「えぇ」
「忘れろ。生き物に弱点は付き物だ」
「わかりました」
「いいか、正しいことは戦場で学べ」
「はい!」
ウォンは僕を見渡し不可解な事に気づく。
「ところでお前銃は使えるか?」
「はい」
「ならどこだ?」
僕は銃がないことに気づき辺りを見渡す、すると壊れた銃が瓦礫の中にあった。それを見たウォンは腰からハンドガンを取り、僕に差し出す。
「戦場ではこれがお守りだ。見た目は少し頼り難いが性能は最高だ」
僕はそれを受け取る。
「ありがとうございます」
ウォンは整備室の入り口を見つめる。だが入り口は破壊されてしまい通れない状態であった。
「入り口は塞がれてるな」
「そんな・・・どうしますか?」
「安心しろ裏口がある」
僕たちは裏口の方に行く、裏口は運よく無事であった。僕とウォンはお互いの眼を見て決心する。ウォンは言う。
「では行くぞ。人類に勝利を」
「人類に勝利を」
僕たちは裏口から出ると通路があった。僕たちはその通路を進んで行くと外から何かが落ちてくる音が近づいてくる。ウォンは叫ぶ。
「ジン!伏せろ!!」
「え?」
いきなり言われたので驚いていた僕は反応に遅れてしまう。するとウォンは僕のことを強く突き飛ばす。その直後、ウォンいる場所の天井が爆発とともに落ちてくる。僕は叫ぶ!
「ウォン!!」
僕は叫ぶ、だがウォンからの応答はなかった。その時僕は思った。せっかく仲良くなった友が一瞬にしていなくなってしまう。これが戦争なんだって。僕は涙を拭いながら瓦礫を階段変わりにし外に出て、僕は地上に降る。そして草陰に身を隠しながら敵の動きを確かめる。すると上空に4体の天使が飛んでいることに気づく。天使たちは兵器がある保管庫を集中的に攻撃しているようだ。僕は銃を構え、背を向けている天使に狙いを定める。
「敵に背を向けるなんて・・・人間をなめるなよ!」
僕は銃の引き金を引く放たれた銃弾は天使の背中に直撃する。だが天使には傷を与えることはできなかった。天使の体はアルマジロ
の甲羅のように硬く銃弾を弾いてしまうのだ。
「まずい・・・」
僕がそう思った瞬間、天使たちが僕を認識し雄叫びを発しながら襲ってくる。僕は逃げる。
第1章 終
どうもみなさん、オハヨーダ! 神暁翼です!
今回も最後まで読んでくださってありがとうございました!
今回から始まったこのDirty Fateは5話くらいで終わる予定の短めのお話です!
最初に言っておくとかなり救いようの無いお話にする予定なので短い期間ですがよろしくお願い致します!
ではまた次回!バイバイ!




