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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

異界のソラ(本編&番外編)

猫人ミリアの長い1日

作者: ミケイト

『異界のソラ』のサイドストーリーです。

本編を読んだことのない人でも楽しんでいただけるよう書いたつもりです^^


どうぞ!

寒い季節の布団の中は、とても居心地がいい。

ずっと入ってたいから、いつもはタニア姉に怒られるギリギリまで粘るんだけど……



でも、今日は違う!


今日こそは、絶対にアイツに勝ってやるんだから……!!!




私は今まで"駆けっこ"で負けたことがない――いや、なかった。


それがある日突然、負けたんだ。

しかも私と同じ5歳のアイツに!



悔しくて悔しくて、私はこの日のためにいっぱい練習してきたわ。


昨日の夜は「私に勝ったらなんでも言うこと聞いてあげる」ってアイツに言ったから、きっと今日は鼻息を荒くして勝負に来るハズ――


そしたら返り討ちよっ!!!



だから、こんな朝早くから孤児院の庭でアイツを待ってあげてるの。


あぁ、猫耳(・・)が寒い……



ククク、見てなさい。

奥歯をガタガタ言わせて悔しがらせてやるんだから……!!!




あ、来た……


向こうから歩いてくるのは……ってなんだ、ランドか。



「ミリア~、ソラ仕事行っちゃった」


「えっ!?」


「"いなかった"って言っといてだってさ……」


「なっ……」



私は膝から崩れ落ちた。


む~、あんのやろ~……



「ねーねー、僕が勝っても何でも聞いてくれるの?」


「……勝てたらね」


「ゴホッゴホッ……約束だよ?」



なんか咳してるけど大丈夫かな?


にしても……1つ年下のランドは、孤児院の子ども達の中でもダントツに足が遅い。

ランドにまで舐められるなんて……それもこれも、アイツに……ソラに負けたからよっ!


今日こそ、このままじゃ諦めないんだから。





※  ※  ※





昼ごはんを食べた後、私はソラを探しに街へ来た。


絶対に勝負させてやる……!



私たち孤児は、普通は10歳から仕事を始める。

ソラはまだ5歳だから、きっと大した仕事なんてしてないわ、たぶん。


だから、ちょっと邪魔したら遊んでくれ――違う違う、勝負してくれるハズよ!!!



ソラの働いているお店に向かおうと、足早に商店街を通り抜ける。


急ぎ足なのは、いつも街を歩いていると、いろんな人が声をかけてくるからだ。

鼻息を荒くした太ったおじさんとか、酔っぱらった怖い人とか。


ほら今日も……



「猫人のお嬢ちゃ~ん、おじさんと遊ぼうよ~♪」


「グヘヘヘ、ちょっと猫耳触らせろよ」



……怖い。


私はそんな人たちを避け、本気でダッシュする。



――追いかけてくる様子はないようだ。


はぁ。


しばらく走ってから、周りを確認して立ち止まる。



「ハァ、ハァ……」



息を切らしながら、ここまで来た。

目の前のここが、ソラの働いているお店だ。


実は、何度かここまでは来たことがあるんだけど……なんか「オトナのお店」って言ってたし、怖くてなかなか入れないんだよね……



でも、今日こそ――


今日こそ、この店に入ってやるっ!!




「あ~ら猫人のお嬢さん、ウチのお店に何か用~?」



突然、背後から話しかけられた。

振り返った私の前には……



綺麗な長い金色の髪に、青い目。

筋肉モリモリの大きな体。

青い目と同じ色をした青ヒゲ。

はち切れそうな、フリフリのメイド服。



……可愛く着飾った、オニイサンがいた。



「お、おか、おか……」


「あら~ん、ウフフ、ちょっと落ち着きなさいよ♪ はい、吸って吸って吐いて~」


「すぅ~ すぅ~ はぁ~……なんか違う気がする……」


「ウフフ、あなた面白いわ~☆」



あぁビックリした。

オカマさんって初めて見たけど……みんなこんな感じなのかなぁ。


でもソラ、この人のお店で働いてるんだよね……もしや……



「あ、あの、ソラもここで働いてるんだよね……?」


「そうよん♪」


「もしかして、ソラもその、オカマさん……なの?」


「ウフフ、もしそうだったらどうする?」


「困るっ! なんか嫌っ!」


「そう、じゃあ本人に確認してみたらどうかしら……ププっ……今の時間は、臨時で工事現場に行ってるわよ」



私はそのお店の人――ローラさんって言うらしい――から工事現場の場所を聞くと、走り出した。



もしソラがオカマだったら、ソラは男の子が好きってことになって……なんだろう、なんかモヤモヤするの。


……なんか嫌っ!



私は街の外壁の外側、工事現場に向かって走り続けた。


途中で優しい兵士さんに道案内してもらったり、お肉屋さんに干し肉をもらったりしながら街を通り抜ける。




ちょっと迷ったけど……ふぅ、着いた着いた。




工事現場から少し離れた場所。

私は、外壁のそばからソラの様子を覗いた。



「なにあれ……」



私が見たのは、大人に混じって……どころか、大人よりも遥かにすごいスピードで土壁を掘っているソラだった。



確かに、最近のソラはすごい。


駆けっこが速くなっただけじゃない。

この前は算術を使いこなして、孤児院に来たエセ商人を追い返してたし。

タニア姉がすごい量の買い物を頼んだ時も、涼しい顔して運んできた。


ソラはなんでもできる。



でも……


なんか大人みたいな顔をするようになって、あんまり私たちと遊んでくれなくなっちゃった。



……話しかけられないでいるうちに、日が傾きかけてきた。




ソラを遠くから見つめる。




すごいなぁ……あんなに一生懸命働いてる。




夕日に赤く照らされた横顔。




汗を拭きながら、横にいるおじさんと笑ってて……




――トクン




心臓が、小さく跳ねる。


私は胸をキュッとおさえた……。


なにこれ……




ソラを見てると、なんかこう、モヤモヤする。


顔が熱いし……ワケわかんない。




それ以上ソラを見ていられなくて、私はフラフラとした足取りでその場を離れた。





※  ※  ※





どうやって帰ってきたのか、正直覚えてない。

ボーッとしながら歩いてきたから、けっこう時間が経っていたと思う。



……あれ?


なんか孤児院が騒がしい――



「ミリア、遅かったじゃない。 早くご飯食べちゃいなさい」


「タニア姉……騒がしいけど、何かあったの?」


「うん…… ランドがね、流行り病で寝込んでるの」


「流行り病……?」



そういえば、最近流行ってる病気があるって、タニア姉が言ってたけど……


ランドが?



「今朝は元気だったじゃない!」


「熱があるの、隠してたみたい……咳も止まらなくて……」


「ランドは大丈夫なんでしょ?」


「……」


「ねぇ、タニ――」


「薬がないの」



タニア姉が震えてる……?


私の心の中に、黒い不安が広がる。



「ランド……死んじゃうの?」


「まだ、分からないわ。 とにかくミリアは早くご飯を食べて、寝ちゃいなさい。 あとは私たちが――」


「ソラは?」


「今日はいつものお店で夕飯まで食べてくるらしいわ」


「……私、呼んでくる」



タニア姉の顔を見れば、状況が良くないのなんてすぐにわかる。


でも、ソラなら……


ソラなら、なんとかできるかもしれない!


私はソラの働いている宿屋兼酒場、「薔薇の香り亭」へ急いだ。




不安を掻き消すように、思いっきり足を動かす。


いつも私の後ろを付いて回ってる、ランド。


どんくさいけど、私が怒られて泣いている日は、こっそりおやつを分けてくれた優しい子。


ソラなら、ランドを助けてくれるかな……




裏道をくぐり抜け、商店街を突っ切って、ソラのいる店までやってきた。


変な人にも絡まれなかったからか、いつもより早く着いた気がする。



「……ハァ、ハァ……ソラ、いるかな……」



扉の隙間から、ちょっと中を覗いてみる。


見えたのは……




ソラの横に、見覚えのない綺麗な黒髪の女の子がいる。

二人並んで仲良さそうにしていて、ソラはご飯を食べていた。



「うまいっ!」

「ふふっ」

「どうせだから、一緒に食べないか?」

「いいの……?」

「もちろん! はい、あーん」



な……なんなのよ、この甘い空気は……!!!




――バンッ




それ以上見ていられなくて、私は大きな音を立てて扉を開けた。


ランドのことと目の前の光景が合わさって、頭の中がぐちゃぐちゃだ。



「――っ!!!」



自分でもよく分からない事を叫んだような気がする。

そんな私に、極めて冷静にソラは答える。



「……ランドが、どうしたんだ?」



私は息を整え、ソラに答えた。



「ランド、死ぬかもしれない」



私はソラを連れ、孤児院へ帰った。





※  ※  ※





孤児院に着くと、ソラは早速ランドの病室に向かった。


病室は暖炉で暖められて、ランドは毛布をかけられてる。

暑そうだけど、病気だから仕方ない。



ソラはランドと話したあと、ランドの体を観察しているみたい。


ソラなら、ランドを治せるかな……?



「ゴホッ…… もしかして、ミリアもそこにいるの?」



ランドが私に気づいた。

辛そうなランドの声に、泣きそうになる。



「うん、いるよ! ランド。 私はここに――」


「ダメ!!! ミリ――ゴホッ……近づいたら、病気がうつっちゃう」



近づこうとしたら、ランドに止められた。

いつも気弱なランドの、強い声。

少しびっくりしていると、ソラが話しかけてきた。



「ミリア…… ここにいて解決するわけじゃない。 一旦部屋の外に出るぞ」


「嫌! ここにいる!!!」



せめて、ランドを励まさないと……!!!



「馬鹿、ミリアまで病気になったら――」


「嫌よ! ここにいるの!!」



絶対に引かない、ここだけは。



こんな辛そうなランドを、放ってなんておけない。

でも、私にはランドを治すことはできないし……何をしたらいいのかも分かんない。


私に出来ることは、ランドを一人にしないこと……

一緒にいることだけ。




「ミリア、大丈夫。 ぼくは頑張って治すから。 だって、まだミリアに駆けっこで勝ってないもん」


「ランド……?」



何よ、ランド……

そんなに辛そうな顔してるくせに。



「ゴホッ……勝ったらなんでも言うこと聞いてくれるんでしょ?」


「……うん」


「ミリアには絶対チューしてもらうんだから、早く治さなきゃ」



なっ……



「バ、バカっ! 何言ってんのよこんな時に!!」


「ゴホッ……ぼくは大丈夫だから、外でまってて」



……そんな風に言われたら、外に行くしかないじゃない。


そんなに無理して……私に病気をうつしたくないんでしょ?



「……はぁ、分かったわよ。 一旦外に出るわ」



ランドに背を向ける。


何もできないのが悔しくて……ソラに駆けっこで負けたのなんかより、ずっとずっと悔しくて。


気づいたら、私の目からは涙が溢れていた。



「……頑張って治しなさいよね」



病室の扉に向かう。

ランドになんて言ってあげればいいのかな。



「私のチューは安くないわよ」



バン、と思いっきり扉を閉める。


そんな言葉しか出てこなかった自分が嫌になる……




私は涙を拭うと、タニア姉のいる調理場へ行った。



調理場では、タニア姉が料理をしていた。



「何作ってるの?」


「ランドでも食べられる、体にいいものを作ってるわ……どうしたの?」


「私にも何か手伝えない……?」


「そうね……ううん、ミリアはランドが無事に治るように、祈ってて」



……当たり前か。


今まで料理の手伝いなんて、全然したことなかったもん。



私には、何もできない……



タニア姉の邪魔にならないように座ってひとり落ち込んでいると、ソラが調理場に入ってきた。

タニア姉と何か話をしているけど……と、ソラが腰から皮袋を取り出した。


ジャラジャラと音がする……お金かな?



「27万ルピ。 これでなんとかならない?」


「街中の薬術師さんに聞いてみたけど、今はとにかく材料が足りなくて……そもそも薬がないらしいの」


「そっか……」


「ウチにもお金の蓄えはあるから、ソラのお金はしまっておいて」



正直、ビックリした。


私と同じ5歳なのに、あんなにいっぱいお金を持ってるし……それに、お金で解決しようなんて私は思いもしなかったから。

薬術師だって、そういう人がいるっていうのは知ってたけど……



「教会の聖術師は――」


「……ワシが行ってきたが、話を聞いてもくれんかったわい」



院長が入ってきた。

どうやら、貴族が邪魔して聖術師は連れてこれなかったみたい。

だけど……


なんでソラは、次から次へと考えられるの?

私も同じ5歳なのに、全然、なんにもできない……



「……俺も交渉してみる」



ソラがそう言うと、タニア姉と院長がソラにお金を預けた。

すごい大金だ。



ソラは、あんなにいろいろ考えて動いてる。

私はソラみたいに何でもできはしない……けど。



「ソラ! 私も行くっ!!!」


私は自分の財布を握りしめた。

中身なんてほとんど入ってない……けど。


「私も……何もしないのは、嫌!!!」



例え断られても、絶対一緒に――



「行こう、ミリア」


「うん……!」



ソラに頼るんじゃない。

私も自分で考えて、この手でランドを助けるんだ。


……絶対に。



こうして、私とソラは孤児院を後にした。



ランドのことを考えながら、私はただ夢中に走った。


ソラは、走るのがものすごく速い……これじゃ普段の私が勝てないっていうのが、よくわかる。

でも、何故だろう、今日はすごく足が軽くていくらでも走れてしまいそうだ。




「まず、教会に行ってみよう」




教会には聖術師がいる。

聖魔術という不思議な魔術で病気や怪我を治すらしいんだけど……呼ぶ値段が高いからね、今まで一度も見たことがない。



教会に着くと、聖術師の人が4人ほどいた。

早速ソラが、白い服のおじさんに話しかける。



「すみません」


「……ん? 子どもか」


「ウチの孤児院で、流行り病の――」



ソラが事情を説明する。

すごいなぁ、大人相手にこんな風に説明なんかして。

私じゃムリ……


ソラが頭を下げた。

私も、おじさんにすがり付く。



「お願いします! 助けてください!」


「ランドを助けてっ!!!」


「……今から貴族の屋敷に行かねばならない……のだ。 本当にすまない」



なっ……



「なんで! なんでよ!?」



納得出来ない!

4人もいるんだから、1人くらい来てくれてもいいのに……



そう思っていると、後ろから馬車が現れた。

中からおじいさんが出てくる……



「聖術師様方、ミルフォート家の執事でございます。 馬車の用意ができましたので、どうぞお乗りください」



……これが、貴族……?


戸惑う私の横で、ソラが執事に話しかけた。



「執事さん。 私はレイアお嬢様の友人のソラと申します。 ……どうかお一人でいいのです。 聖術師様を必要としてる患者が――」


「大変申し訳ございませんが、ご主人様のご意向ですので、お一人であっても聖術師様を譲ることは叶いません。 お引き取り下さい」



ソラと一緒にいたあの黒髪の女の子――レイアって呼ばれてた子、貴族だったの……?

それに、何よ、たくさんいるんだから一人くらい譲ってくれても……



「ケチッ!!!」


「そちらのレディは礼儀作法を身につける必要があるかと」



なっ……なによーっ!

ムカつく、ムカつく、あームカつく。


ソラがお金を渡そうとしたけど、受け取ってもらえなかった……

聖術師たちは馬車に乗っちゃった……


最後に、執事がこちらを向く。



「平民は安価な薬でも買い求めればいいでしょう。 それでは――」


「こんの――!!!」



もう我慢できない!!!



私は前に飛び出した。



あいつ、一発殴る――




「粗雑な……」




執事はなんか棒みたいなのを取り出すと、視界から消えた。



――ガッ



私は地面に押さえつけられた。

棒を使って動けなくされている。



なんなのよ……なによ!!!

許せない……!



「こいつ! こいつはっ!!!」


「やめろミリア! 殴っても何も解決しない!!!」


「お嬢さん、よかったですねぇ…… 剣じゃなくて(・・・・・・)




悔しい……。


私の体から力が抜ける。

気づいたら、執事は馬車に乗り込んでいた。




「ちなみに、レイアお嬢様には平民の友人などおりません。 滅多なことは口外なさいませんよう……」



……馬車が出発した。

私は思わず唇を噛みながら立ち上がった。



「……あのレイアって子、貴族だったの? 貴族……嫌いっ!!!」


「待てよ、レイアは――」


「うるさい!!!」



貴族は私から全て奪っていく。


ソラの心も、ランドの命も、何もかも。


……このまま引き下がれない!



「さっさとあの馬車追いかけるわよ!!!」


「いや、ミリアこっちだ」


「なんで!? 馬車は――」


「薬術師の所へ行く」



……既に、ソラは気持ちを切り替えて次のことを考えていた。


私は……いつも、ソラの後をついていくだけ……。




私はソラの後ろを走った。


これじゃ私、いてもいなくても同じじゃない……




しばらく走ると、木でできた小屋が見えてきた。

ずいぶん小さいけど、こんなところに人なんて住んでるの?



コンコン

――ガチャ



ソラがドアをノックすると、中から小さい人が出てきた。

体の大きさは……膝くらいまでかな。

カブトムシの虫人だ。



その虫人――エイラスさんは、私達を中に招き入れた。

お茶を出してくれたし、すごくいい人だ。


ソラはエイラスさんにランドの現状を説明する。



「今はね、材料が足りないんだよ」


「材料って?」


「ナル草という薬草に、ブラウンウルフの肝。 光輝石という石だ。 どれも品薄になっていてね」


「その材料って、俺たちでも準備できますか?」


「無理ではないけど、やめといた方がいいね。 危険すぎるよ」



……また、協力を断られるの……?


私は前に出て、叫ぼうとする……が。


頭の中でさっきのことがフラッシュバックする。



『そちらのレディは礼儀作法を身につける必要があるかと』



悔しいけど、叫ぶだけじゃ誰も何も聞いてくれない。


私は深々と頭を下げた。



「お願いします。 材料のことを教えてください」



これが、今の私にできる、精一杯丁寧なお願いだ。



「ダメです。 気持ちはわからなくもないですが、薬を作るために怪我をしては本末転倒でしょう?」



エイラスさんはパタパタと羽を動かして空中を飛び、私の頭を撫でてくれる。



ソラも説得してるけど……このままじゃ、教えてくれそうにない。


なんとか、お願いしなきゃ……



「私は……!!!」



肩のエイラスさんを両手で掴んだ。




「私はランドに何もしてあげられないの…… 料理も作れないし、お金もないし――」




タニア姉を思い出す。

……私はあんな風にはできない。




「聖術師も呼べない。 貴族に勝つ力もない。 助けてくれる人も知らない――」



執事の顔を思い出す。

悔しくて悔しくて、泣きそうだった気持ちがよみがえってくる。




「そばにいてあげることもできない――」




ランドの顔を思い出す。

自分が辛いのに、私に病気をうつしたくなくて無理して。

私には、横で励ますことすらできなかった……


絶対に、助けたい……!




「ソラみたいに、いろいろ考えられない。 でも私も、ランドを治したいの!!!」



「――そうかい……」



今の私の気持ちを、全部ぶつけた。

もう本当にこれくらいしか、私に出来ることはない。


……お願い……!!!




エイラスさんは息をふぅと吐き出して何か考えてる。


少し待っていると、口を開いた。




「いいだろう。 いろいろと条件がある。 それを守ってくれるのなら、材料のことを教えるよ」




……よかった!!!


私の思いが通じた……!!!

このチャンス、逃せないわ。



私はエイラスさんを掴む手に力を込める。



「絶対に守るわっ! 条件ってなに?」


「そうだね、まず……僕の体を離してくれないかい? 内臓が飛び出てしまうよ」


「あっ!」



危ない危ない、エイラスさんを潰してしまうところだった。



「君たちに守ってもらいたい条件は――」



薬の材料の情報と条件を聞いた私たちは、夜の街に向けて走り出した。





※  ※  ※





夜の街を走る。

目的地は「薔薇の香り亭」――ソラが働いてる、オカマさん達のお店だ。


おっぱいがこぼれそうな女の人とか、それにデレデレしてる人とか、いろんな人でゴミゴミしてる街の中を私とソラは走り抜ける。



「おーい猫人のお嬢ちゃん? おじちゃんと遊――」


「邪魔っ!!!」


「――ぐふぅっ!!!」



寄ってくるおじさんを蹴り上げながら走った。


あんなのに怖がってる時間はないのよ。

私は、ランドを助けるんだから。




しばらく走り、「薔薇の香り亭」についた。



「いらっしゃ――ってソラちゃ~ん」



扉の向こうでは、昼間にも遭遇したオカマのローラさんが出迎えてくれた。


そのままカウンター席に案内される。



周りを見渡すと……すごい。


ドレスで着飾った男の人が、隣の男の人にお酒をついでるし……あっ、向こうではオカマさんと男の人が絡み合って……うわぁ~……



しばらく観察していると、ローラさんがホットミルクを持ってきてくれた。

私の大好きな、ぬるめのホットミルクだ……私が熱いの飲めないって、なんで分かったんだろ?



「それで、ソラちゃんからお願いって何かしらぁ~?」



ソラは、ローラさんに状況を説明する。

私もあんな風にちゃんと説明できたらいいんだけどなぁ。



「――手伝ってもらえないかと思いまして……」



ソラが丁寧にお願いすると、ローラさんはため息をついて答えた。



「どうしてソラちゃんは、そんなに遠慮しているの? あなたは5歳にしては飛び抜けて頭がいいけれど……大人の事情を考えるのは、大人の仕事よ。 子どもは子どもらしく、もっとワガママになりなさい!!!」



……今度は丁寧にお願いしたら怒られた。

大人って難しいわ。

よくわかんない。



「薬の材料探すの、手伝って下さい! お願いします!」


「――50点」



なんかやり直しさせられてるし。

……もう、急がなきゃいけないっていうのに!!


私はローラさんに掴みかかった。



「とにかく時間がないの! いいから手伝いなさい!!!」


「ん♪ 120点☆ いいわよ~ん」



えぇぇぇぇ~……



「さぁみんなぁ~! 話は聞いたわね。 我らがソラちゃんのために、総力戦よ!!!」



ローラさんの言葉に、店中の人が……お客さんも含めて、みんなで片付けを始めた。



「ソラちゃん達はこれからどうするの?」


「ミリアはここで2つの材料を探させて下さい。 俺は今から"白魔の森"に行きます」



ソラは夜目が効くから、材料のひとつ"ナル草"を取りに行くことになっているんだ。


ローラさんはソラに短剣を貸しだした。

それを持って、ソラは夜の森へ出発していった。



残った私が集めるのは、「光輝石」と「ブラウンウルフの肝」だ。



「ローラさん、これからどうしたらいいかなぁ?」


「そうね、まずは情報収集よ。 ミリアちゃんはカレンと一緒に魔具師をあたって。 サリーとステファンはブラウンウルフの情報を狩人に。 ナタリーは――」



きびきびと指示を出すローラさん、すごい。

よし、じゃあ行こう。



「ミリアちゃん、これを持っていきなさい」



ローラさんが渡してくれたのは――サンドイッチ……?



「ひどい顔よ、アナタ。 何も食べてないんじゃないの?」


「あっ……」



そういえば、夕飯も食べずに飛び出して来ちゃったんだ……


思い出したらお腹が減ってきた。



「すぐにでも行きたいんでしょ? だから、歩きながら食べられるようにサンドイッチにしといたわ」


「……ありがとう」


「いいからほら、カレンと一緒に行きなさい?」


「……うん!」



私はサンドイッチを食べながら、オカマのカレンさんと一緒に夜の町へ繰り出した。




最初の目的地は、魔具師ギルドだ。



「カレンさん、魔具師ギルドってなに?」


「そうね……魔具っていうのは、魔術を使える道具なのは知ってる?」


「火を出したり?」


「そうそう、その魔具を作ってる人が魔具師。 ギルドっていうのは、その魔具師を――うーん、まとめて管理してるところ、かな?」


「うーん、孤児と孤児院みたいな感じ?」


「それはちょっと違うわねぇ……」



うーん、わかんない。

まーいいや……



「その魔具師ギルドに、光輝石があるの?」


「もしかしたら、ね。 魔具の材料として使われることがあるから……」



私たちは足早に魔具師ギルドへ向かった。





「……すまないけど、品薄でねぇ」



魔具師ギルドの受付で聞いてみると、帰ってきたのはそんな答えだ。



「どっかの馬鹿貴族が買い占めてるみたいでねぇ……ただでさえ薬の材料が足りない時に」



また貴族、だ。

ホントもう、貴族ってなんなのよ!!

そんなに偉いわけ!?



「この街の魔具店を教えるから、個別に当たってみてくれないかい」



街の地図に魔具店の場所を書いてもらうと、魔具師ギルドを後にした。


よし、順番にまわっていこう。

私とカレンさんは再び夜の街を走り始めた。





※  ※  ※





「ただいま……」


「あらミリアちゃん……って、その様子じゃダメだったようね」


「うん……」



結局、どの魔具店にも光輝石は置いてなかった……。

既に薬の材料として提供した後だったり、貴族に買い占められてたり、そもそも話を聞いてくれないお店もあった。


ローラさんも、難しそうな顔をしている。



「他の人たちは?」


「今また探しに行ってるところよ……工事現場で地面から光輝石が出てるといいんだけど、望みは薄いわね」



わかってたことだけど、なかなか材料は見つからない。

どうにかならないかな……。



と、考えていると。



お店の扉が開き、小柄な女の子が入ってきた。


黒髪に黒目の、可愛らしい子……。

この子は……




「あらぁレイアちゃん! どうしたのぉ~!?」




ローラさんが少女に駆け寄る。


……また、貴族に邪魔されるの……?




「レイア……っていうのね、あなた、貴族でしょ?」



「うん……」



「私はミリア。 ソラと同じ孤児院の子よ」




私は息をすぅ~と吸う。


ローラさんは少女の体を触って顔をしかめると、店の裏に行ってしまった。


私の口から、言葉がこぼれる。




「貴族のせいで、あんたのせいで、ランドが死んじゃうかもしれないの!」



少女は私の声に驚いたように、肘を掴んで縮こまっている。


貴族に一言、言ってやりたい……


私の中の黒い気持ちが、心の底から溢れ出てきた。




「貴族が邪魔をしたから聖術師を呼べなかった……!」




少女は下を向き、暗い表情をしている。


――ズキっ


心が少し痛む。




「薬の材料も、貴族が買い占めてる……!!」




私は今までの悔しい想いを吐き出す。


少女はその度に視線を下げ、私の言葉をただ受け止める。



――なんでなの。

私は間違ったことは言ってない、のに。


この子は貴族なのに……


吐き出す度に、胸が痛くなる。




「ランドが死んだら、あんたのせいよ!!!」




私は手を振り上げて、少女に近づいた。



頬を一発叩いて――


あれ?



……よく見ると、少女の頬には既に叩かれたあとが付いていた。


私は振り上げた手を下ろす。



「……私のせいで、ソラとミリアちゃんのお友だちが死んじゃうの……?」


「あ、あの……」



私が何も言えないでいると、ローラさんが救急箱を持って裏から現れた。


何も言わず、少女の服をまくり上げる。


その脇腹には――



――蹴られたような、痛々しいアザがあった。




「……レイアちゃん、誰にやられたの?」


「姉さんに……出てけって……今日は帰れない……」



ポロポロ涙を流し始めた少女を、ローラさんが優しく抱きしめた。




「兄さんが……っ……病気になって……私のせいだって……平民と仲良くして……病気持ってきたって……」



「そんなことないわ、大丈夫よ。 いつもの言いがかりだわ……レイアちゃんは何も悪くない……」



「ソラのお友だちも……ひっく……死んじゃ、うの……かな……私のせいで」



「そんなことない。 レイアちゃんは何にも悪くないわ……今、死なないようにみんなで頑張ってるのよ?」




……私は、さっき何を言った?


目の前の、傷ついてる少女に――私より年下の泣いてる女の子に。


私は……



「……そうだ、これ」



少女がポケットから何かを取り出した。


あ、これは……



「セバスからもらったの……光輝石……だって。 これ、薬の材料になるの?」


「レイアちゃん! すごいわぁ~、本当に助かる。 これできっと、ソラちゃんのお友だちも助かるわ☆ さ、早く治療しちゃいましょう」




……私は、馬鹿だ。


大馬鹿だ。



貴族がなによ、そんなの関係ないじゃない!



レイアちゃんはレイアちゃん……



貴族だ平民だって――そんなの、どうだってよかったのに……!!!



レイアちゃんは、泣きながら私に話しかけてくる。




「ミリアちゃん……」


「な、なによ……」


「……ごめんね?」




馬鹿!

謝らないでよ!!


謝るのは……私だ!!!


私は、レイアちゃんに近づいて、手を取った。




「レイア、ちゃん? 私……ごめん!!! 私が間違ってた……」



「ミリアちゃん……」



「レイアちゃんは何も悪くない……薬の材料、ありがと。 ランドもきっと助かるわ!!!」



「……うん」




レイアちゃんが少しだけ笑った――



――な、なによ、可愛いじゃない……!




しばらくレイアちゃんの治療を見ていると、お店の扉が開いた。

入ってきたのは、サリーさん?と呼ばれていたオカマのお姉さんだ。



「ブラウンウルフの手がかりを見つけたわ……」


「あらサリー、本当に?」


「えぇ、ただ。 ブラウンウルフが置いてあるのが、スライ村らしいのよ」


「スライ村……ねぇ」



スライ村なら私も知ってる。


この街からけっこう近い場所にある、小さな村だ。

前にキノコ狩りに行ったことがある。



「ブラウンウルフを狩った狩人が、スライ村で売ってきたみたいなの」


「そういうこと……」


「ただね、明日の朝になったらもう売りに出されてしまうでしょ?」


「そうね……朝までにたどり着くのは厳しそうだし、他を当たってみましょうか」



……私なら。



「ローラさん。 私なら、朝までにスライ村に行けるよ」


「ミリアちゃん……? 無理よ、ソラちゃんくらい早く走れるならともかく――」


「走れるわっ! 今日だって、ソラと一緒に走り回ってたんだから」


「でもねぇ……」



渋るローラさん。

口を開いたのは――さっきまで一緒に走り回っていた、カレンさんだった。



「ミリアちゃんの足が早いのは本当よ……さっきも、着いてくのがやっとだったんだから……」


「カレン……?」


「行かせてやろうよ、ローラ。 たぶん、ここで行かなかったら、この子は一生後悔するわ……」



カレンさん……。



「スライ村までの街道はめったに魔物も出ないしね」


「……はぁ。 分かったわ……まったくみんな無鉄砲なんだから……」



ローラさんは諦めたように、裏からランプのようなモノを持ってきた。



「光源の魔具。 魔物の多い場所では逆に目印になっちゃうから、何かの気配を感じたら光を消すこと。 あとはコレね、お金を貸してあげるわ」


「……ありがとう」


「ソラちゃんにも言ったけど、絶対に無理はしちゃだめよ~」



私はローラさんとカレンさんにお礼を言う。



「ミリアちゃん……気をつけて」



レイアちゃんに笑顔を返すと、「薔薇の香り亭」を後にした。





※  ※  ※





夜が明けきる前。


私は無事に、スライ村にたどり着いていた。



「はぁ、はぁ……疲れた……」



教えてもらった場所は「狩人ギルド」だ。


魔物を狩るのは夜になることもあるため、この建物は1日中営業している。


私は建物の扉をあけた。



「すみませ~ん……」


「……んごっ!? お、おぉ客か……」



半分寝てた職員が目を覚ました。

……ちゃんと仕事しなさいよね……



「ブラウンウルフの肝がほしいの」


「あぁ、昨晩入荷したんだが、お嬢ちゃん耳が早いな……」



よかった、やっと手に入れられそう……


私が安堵していると、職員が話しかけてくる。



「お嬢ちゃん、お金は持ってるのかい?」


「うん……これで足りる?」



私はローラさんからもらった袋をそのまま渡す。


職員はそれを手に取ると、何か考えているようだ。



「惜しいなぁ、少し足りないようだ……」


「え……どうしよう」



やっと見つけたのに。


ここで手に入れられなかったら……



私が涙目になっていると、少し慌てた様子で職員が話しかけてくる。



「私としてもお嬢ちゃんに買ってほしいんだよ……そうだ、その手に持ってる魔具!!! それをあわせてくれたら、なんとかお金も足りると思うよ」


「ほんとっ!?」


「あぁ……」



ローラさんには後で謝ろう。

頑張って、働いて返すことにする。


私はお金と魔具を渡した。



そしてついに――



「ほら、これだよ」


「ん? これ、エイラスさんから教えてもらったのと違う……」


「あ、あれ? ハハハ、間違えちゃったよ、ごめんごめん……」


「もう!!! しっかりしてよね!!!」



職員は裏に戻っていく。


……まったくもう。


そして、今度こそ、確かに。


ついに、私はブラウンウルフの肝を手に入れたのであった。





※  ※  ※





薔薇の香り亭へ戻る頃には、空はすっかり明るくなっていた。



「ただいまぁ~……」


「お帰り! お疲れさまぁ、ミリアちゃん」


「やぁ、無事に入手できたかい?」



ローラさんとエイラスさんが出迎えてくれる。

もう、ヘトヘトだよ……


私はブラウンウルフの肝をエイラスさんに渡した。



「これで大丈夫?」


「うん、確かに。 さっそく薬を作って、孤児院に持っていくとしよう」



エイラスさんは材料を持って出ていった。


あ、ローラさんに魔具のことを言わなきゃ……



「ローラさん、ごめんなさい」


「どうしたの?」


「お金、足りなくて。 借りた魔具も一緒に渡して、やっと足りたの……」


「ほぅ……あの金額で足りない、ねぇ……しかも魔具まで……」



なんかローラさんの雰囲気が……怖い。



「ごめんなさい、ローラさん!」


「あぁいいのいいの、ミリアちゃんは何にも気にしないで☆ それより、職員はどんな人だった……?」


「えっと……ハゲてて小太りで背は低かったよ。 あとウッカリ者! 危うく違うものを渡されそうになっちゃった……」


「ほうほう、それはそれは……」



ローラさんの顔が、笑ってるのに笑ってない。

何を言ってるか分からないかもしれないけど、私もどうなってるのかサッパリだ。



「カレン! ミリアちゃんを客室に案内してあげて。 私はちょっと行くところができた(・・・・・・・・・)わ」



そう言うと、ローラさんは出ていった。

どうしたんだろうなぁ。



それはともかく、もうクタクタで眠い。



「おかえり、ミリアちゃん。 さ、客室に行きましょう」



カレンさんに抱き上げられて――



そこからどうなったのか、もう覚えてない。


ただ、体をつつむ疲労感と安堵感だけは、深く記憶に刻まれていた。





※  ※  ※





「さぁ、約束通り、私の弟子になってもらいますよ」



私は一人、虫人のエイラスさんの家に来ていた。


薬の材料を教えてもらう条件の1つに、「ミリアは私の弟子になること」というのがあったからだ。



ちなみに、ランドはあのあと無事に回復し、徐々に以前の元気さを取り戻している。


間に合って本当によかった……。




「さて、今日から薬の作り方を覚えてもらうワケだけど……」




薬術師の弟子になれることは、私にとってもすごく嬉しい事だ。



ランドが苦しい思いをしてるときに、何もできなかった私。


ソラの後ろを付いて回るしかできなかった私は、もういない。


これからは、私にも「薬を作る」ことができるんだ……!


こんなに嬉しいことはない。




「ちょっとミリアちゃんに問題を出すよ」


「問題?」


「あなたは薬草を1つ持っていました。 さらに3つの薬草を手に入れ、薬を作るために2つ使いました。 さて、残りの薬草はいくつかな?」


「そんなの簡単じゃない!」


「ほぅ……答えは?」


「足りなくなったらまた何個かとってくればいいのよ! 数える必要なんてないわ!!!」




どうよ、この鮮やかな回答!!!



エイラスさんは、はぁ……とため息をつくと、奥から本を持ってきた。

何かな……?



「ミリアちゃんはまず、足し算……いえ、数の数えかたからお勉強しましょうか」


「えぇ~、お勉強するの~?」


「はい……このくらい、ソラくんは軽くこなすんですけどねぇ~」



む……ソラには……負けたくない、かな。



「わかったわ……よろしく、エイラスさん」


「やり直し! 私のことは"師匠"と呼びなさい」



あ、ローラさんが言ってたっけ……

"子どもはもっとワガママに"だったわね。


――よし。




「私に教えなさい!! 師匠!!!」




ククク……と笑うエイラスさん。



私、なんか変なこと言ったかな?





とにかく、こうして私は師匠のところで薬術を学ぶことになった。


私はきっと、この出来事を何年たっても覚えているだろう。


いつまでも、きっと。



構想はあって、本編では冗長だった部分を短編に切り出してみました。


ミリアは本編でそれほど活躍してませんが、これからはどんどん絡んでいく予定です^^

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「私に教えなさい!! 師匠!!!」 順調に教育されています。 ククク……と笑うエイラスさん さすがオカマさんの同類の方ですね。
2013/01/14 22:00 退会済み
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