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『1章完結!』光と闇の継承者〜神に選ばれた少女の物語〜  作者: 加藤 すみれ
2章 歪みの中で出会う者たち

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連れ去り

「契約成立。これからは僕も君たちの冒険に参加させてもらうよ」

スミレたちは、サリの家に案内された。


そして、次なる地を話し合う。

「で?次は決まってるの?」

サリが楽しそうに聞く。

「次は、妖精の森に行く」

サリの顔色は一変する。

「本気?妖精族ほど女神族と魔人族を恨んでる種族はいないよ?」

その言葉に誰もが、俯いた。

「わかってる。でも、多くの者の力を借りなければ......」

スミレは、グレイルが現れた時を思い出す。


村に戻ると、そこにはいくつも命石が落ちていた。

息を吸うたび、鉄と血の匂いが喉に貼りついた。

命石を砕かれ、身体すら灰になった者もいた。

スミレは、それを見て涙を流す。

「命石が......なんてことを」

命石を割られる。それは魂ごと砕かれることだ。転生の希望すら残らない。


「獣人族の力を借りられるとはいえ、グレイルには適わない。

妖精族の力を借りても、勝てる保証はない」

スミレはもう、力を借りることに迷いはない。

だが、その力が通用するのかが問題だった。

「強くなりましょう。私たち自身がもっと、強くなれば......」

リリナが言う。

「えぇ、そうね。

私たち自身が強くならないと......」


翌日、スミレたちは妖精の森へ向かった。

その道中でスミレとサリは止まった。

「どうした?まだ、妖精の森にはついてないぞ?」

ルイが少し先で立ち止まったスミレに気づいた。

「それがさ、昨日の試合を見てたやつがずっとついてきてるんだよね。

そろそろ出てきたら?」

サリが後ろを振り向いて言う。

「へぇ、オイラの気配に気づいてたんすか」

声がする方を見ると、そこには一人の妖精がいた。

「森の匂いに混ざって、変な魔力がずっと張りついてたんだよ」

サリが面白そうに、妖精に言う。

「街道から外れたのは、巻き込みたくなかったから」

スミレがそう言いながら、警戒態勢に入った。

「面白いっすね。妖精族は、気配を消すのが得意なんすけど......」

妖精は少し、悔しそうにした後ニヤッと笑った。

「それで?オイラが君たちをつけている理由は、わかるっすか?」

その言葉は、少し弾んではいるものの厳しさが滲んでいる。

「交渉の余地があるか。それを測りに来たってところ?」

スミレがそう言うと、妖精はケラケラと笑いだした。

「半分正解で半分不正解。

オイラが見ていたのは、話をするためじゃないっすね」

急に真剣な顔になった。

「君たちの能力を測っていただけ。

君たちは、強いっすよ」

妖精は、スミレに近づいてきた。

そして、

「君は、相反する気配がする。危険分子だ。

樹牢」

地面が揺れ、木の根がスミレを囲う。

「スミレ!!」

サリの声には少しの焦りが含まれている。

「くっ、なに!?急に、力が......」

スミレは歯を食いしばり、魔力を押し返そうとする。

「大丈夫っす。

殺したりはしないっすよ。」

そう言うと、妖精は去ろうとする。

サリが一歩踏み込み、腕を振り上げた。

「そんな根、僕が燃やしてあげる!炎爪!!」

炎が根を引っ掻く。

だが、木は焼けず焦げ目すら付いていなかった。

「なっ」

「世界樹の根に炎が効くわけないじゃないっすか。

それじゃ、お暇させてもらうっす」

その言葉とともに、根が地面へ引きずり込むように沈み、スミレの気配が遠ざかった。

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