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一言おきに腕組み! 地の文に狂わされた物書きの嘆き!

作者: 熊ノ翁

 どうも!

 地の文読むのは好きだしプロット作るのも物語考えるのも大好きだけど、文章書くのは自分の頭を壁にぶつけてカチ割りたくなる位に辛い熊ノ翁です。


 あのさあ。

 ちょっとこれ本気で思うんですけど、小説でセリフで無い部分の、いわゆる「地の文」書くのって辛くね?

 そりゃあね、熊もこんなアホみたいにエッセイ書いたりTwitterしたり小説……はそんなにかけてないけど、それでも多少は書いたりしているわけで。

 物語を考えるのはもちろん、文章書くのも嫌いってこたあ無いんですがな。

 

 にしても地の文書くの辛すぎだろ!

 あ、一応説明しとくと地の文ってのはアレね。

 小説で、セリフじゃない文章全般ね。


『夕暮れの光が、狭いアパートの中をほの暗く照らしていた。窓から斜めに差し込まれる赤い日差しは、今の自分と同じほどに弱々しく頼りなく揺れている。部屋の中は静寂に支配されていて、生活の痕跡がまるで感じられず閑散としていた。家具らしいものも、部屋の中央に折り畳み式の小さなテーブルがポツンと一つ、離れ小島のように残されているだけだ。驚くほど物が無い。前の住人が引っ越しをした後だと言われたら、誰もが頷く事だろう。事実そうだった。昨日まで一緒に暮らしていた妻という住人を、この部屋は失っている。テーブルの上に置かれた、恐らく別れの言葉と恨み言が書かれているだろう一通の手紙を残して。中は見ていない。見たくない。外の明りが暗くなるに任せているのも、部屋の灯りをつけないのも、手紙を、なにより現実を直視したくないからだ』


 とか。

 ちょいと即興で書いてみましたが、まあこんな感じの。 

 

 これ、こういのさ。

 マジでキツくね?

 いや、熊の書いた文章が読んでてキツいとか、そういう話ではなくて。


 だってだって。

 話進んでねーじゃんこれ。

 こんなん「カミさんに夜逃げされて俺悲しい」の一言で終わるやん。

 イギリス人の言う「おお、ドイツの歴史書だ。負けたと書くだけでこの厚み?」って奴ですよ。


 いや、でもね。

 これは全然良いの。

 こういう一人称の地の文は、なんかこう、キャラクターになりきって心情を吐露してりゃあいつの間にか出来上がってるし。


 問題はね、キャラクター同士の会話中に挟む地の文! 

 これがキッツい!

 小首をかしげさせたり、嘆息したり、目を細めたり、指でテーブルを叩いたり、肩をすくませたり、腕を組んだり!


 あああああああマジで嫌!

 あのな!

 そもそも人間、会話の最中にそんな沢山リアクション取るもんじゃねーんだよ!

 自分たちが会話してる所を考えて見ろよ!

 演劇やってるわけでも無いんだから、一言おきに何かしら動作する事なんてねーだろが!

 立ち話してる時に、何かしゃべるたびに腕組んで髪をかき上げて指を鳴らして手をポケットにつっこんで、なんて動作しねーだろ普通!

 そんなんしてたら挙動不審すぎて病気かクスリを疑うし!


 みんな世間話する時、大体10分間くらい同じ姿勢で喋るだろ!

 その間の会話量、多分原稿用紙5枚分は行くぞ!


「この前行った居酒屋でやっべえメニューあったんだけどさあ」

「なんだよ」

「悪魔的に美味いパクチーだかなんだかってメニューで、まあパクチー大目に使われたサラダでも出てくんのかなと思って頼んだんだけどさ」

「お前、そういうよくわからん食べ物注文すんの好きだよな」

「新しい出会いがあるからな。で、注文して出てきたのが、マジで山盛りの生のパクチー。パクチーオンリー。いや最初店員がからかってんのかと思ったんだけどさ。顔がマジなんよ。真顔で出されたんよ。塩とオリーブオイルが掛けられただけのパクチーを」

「美味いのかそれ」

「悪魔的にまずかった」

「だろうなぁ」

「高円寺の居酒屋で食ったバッタとざざ虫の方が全然美味かったわ」


 こんな感じで日常会話って延々と続くわけだけど、この間、リアルではそんなリアクションなんて取らんでしょ。

 たまに目を掻くとか、そんなもんでさ。

 小説で書かれてるような大仰なリアクション、話してる最中に人は取らないんだよ!

 じゃあ「現実での会話は人間大して身動きしないから、地の文で動作挟むのやーめよ!」とやると、途端に読みづらくなるしなんか味気なくなるのよ!

 んで「オーバーリアクションでも良いから、とにかくなんか動作挟むんや! なんか言うたびに手を叩いて指を鳴らして、気に食わない事があったら地団太を踏め!」とやると、そりゃあもう嘘くさくなるというか、鼻につくの!

 つーかンな事続けてれば、リアクション芸人の大家、小島よしおでもリアクションのバリエーション尽きるわ!

 そんで取るリアクションの尽きた結果どうなるかというと、待ってるのは「〇〇は言った」「〇〇は視線を向けた」とかそんな感じの、バカの一つ覚えな文章ですよ。


 死ね!

 マジで死ね!

 

 アホなオウムよろしく同じ文章の繰り返しを延々と続け、読者さんには「あ、コイツなんか色々と力尽きたな」と見透かされる。

 これキツいのが、そうなるとわかっていてもそう書くしかないって所!

 そらそーだ!

 もうネタ切れで思いつかねーんだもん!


 とっくの昔に脳内で出来上がってるはずの物語が、物語の大筋には一ミリも関係ない部分をどう書くかで悩んで進まない!

 これもう、気が触れそうになる位ストレスなんですわ!

 何なんだよマジで!

 どうすりゃいいんだよ!

 もう取るリアクションなんてねーって!

 何回肩をすくませりゃあいいんだよ!

 

 で、こんな事を書いてると「いや、そんな気にすんなよ。どーせお前の書いた文章なんて大して読まれねーし、読まれても読み飛ばされるしよ」みたいな感じの嫌味を言われるわけですが。

 でも「じゃあみんなそんなに気にしないって言うなら、こっちも気にせずガンガン書いちゃお!」ってやったら、お前ら「ト書きだらけ」だ「体言止め連発」だなんだって、おもいくそバカにしてくんだろ!

「これだら文章力の無いウェブ物書きは~」とか「脚本でも書いてろ」とか!

 だったらしっかり地の文書こうと状況や情景詳しく書いて、設定もガッツリ補足説明盛り込んだら「おーおー、独りよがりな文章書いちゃってまぁ」とか「テンポ悪!」とか「お前のオナニーなんて見たく無いんだけど」とか言われるし!

 

 んだよもおおおおおお!

 何やったって言われるやんけ!

 それでアレだろ?

「極論言い過ぎなんだって。ちょうどいい具合に書きゃあ良いだろ」とか言っちゃうんだろお前ら!


 そりゃ言うよなぁ!

 だって熊が読む側で考えてみても、同じ事言うもん!

「いやそこが作者の腕の見せ所で、いわゆる文章力ってのが問われる部分だろが。言われんの嫌なら泣き言ホザいてないで量書いて質上げろや。これはお前が始めた物語だろ」って!


 ああああああ!

 もーいい!

 もー考えない!

 

 どうせ何書いたって文句言われるんだ!

 だったらこっちが書きたいように好き放題書いてやる!

 おら、キャラクターども!

 お前ら一生アホみたいに肩をすくめて嘆息して、膝をポンと叩いて眉をひそませとけ!



一言おきに腕組み! 地の文に狂わされた物書きの嘆き!……END

最後までお読み頂き有難うございます。


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よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
地の文要らねぇ、はマジでわかるわ。 書きながら「なんでこんなことになってんだろ?」ってなる。 一人称書いてると特に思う。 なんなんだろうね?あの不思議な感じ。
 こういうマジレスは不要かとも思ったのですが、娯楽小説はある程度物事を誇張しないと伝わらない、という側面もあると思います。  そう考えると、リアクションが現実と比べて多いのも「誇張しているから」なので…
義務のように動作を差し込んでは「これ受け手の視点だと逆に読みづらくね?」と疑心暗鬼に陥ったり
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