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ちょこっとくらいならね 『夏休みの遊び方』

作者: 物語のあるリボン/いろいと

物語のあるリボン作家『いろいと』です

私の作るリボンには、1つずつ名前と物語があります

手にとって下さった方が、楽しく笑顔で物語の続きを作っていってもらえるような、わくわくするリボンを作っています


関西を中心に、百貨店や各地マルシェイベントへ出店しております



小説は毎朝6時に投稿いたします

ぜひ、ご覧下さい♡



Instagramで、リボンの紹介や出店情報を載せておりますので、ご覧下さい

hhtps://www.instagram.com/iroit0

私は水場が苦手だ

水で濡れている床に足を付けるのも、水の中に入るのも、どれも私にとって難易度が高い行動である

それより何より、何が一番苦手かと言えば、水に濡れること

水に濡れる事が苦手な私は、どうしてもプールや海、銭湯は嫌煙しがち

それでも子どもたちは、夏になればプールへ行きたがる

そんな時は、旦那様という救世主に代わりに行ってもらっていた

もちろん、私は一人お留守番

しかし、今日はどうしても一緒に来てほしいと言われたので、正直イヤイヤ付いて来ている

歩く時は、サンダルを常に履いていたいし、何なら服のままプールサイドで見物していたい

まぁ、そんな事が出来ないのは百も承知の事

しぶしぶ水着に着換え、子どもたちと一緒にプールサイドへと向かう



『ママ!流れるプール行くよ!』

『浮き輪に乗ってたらいいんだよ』

私の手を引く子どもたちは、流れるプールへと連れて行く

そして水の中へ入れば、プカプカと浮き輪に身を任せ、流れゆくまま、ゆっくりと流れていく

無邪気な笑顔と、キラキラ光る水しぶきが太陽に照らされ、余計に眩しく輝きだす

楽しそうに笑う子どもたちは、私を自然と笑顔にしていく

『ママは、プール苦手だけど、めっちゃあ泳げるんだよ』

『えー?うそだー!私の方が上手だもん』

『ぼくのがおよげるよ!』

小学3年の娘と、小学1年の息子は自分の方が上手に泳げると、アピールをしてくれる

負けず嫌いな私は、少しムキになって子ども達に言い返す

『ほんとだもんねぇーじゃあ、あっちの大きなプール行こうよ!ママ泳ぐから見てて』

『いいよ!絶対、私のが早いし泳げる』

『ぼくもぼくも!』

負けん気の強い家族は、こうして大きなプールへと移動することになった

もちろんパパも参加決定で



流れるプールの隣には、8コースもある大きな25mプールがある

2コースだけは、普通に泳ぐ人向けのレーンになっているので、私達はそちらへ向かう

『ちょこっとくらいならね』で髪を結び直し私は気合を入れる

『じゃあ、ママが行きまぁす!』

『よーいスタート!!』

パパの合図と共に始まったレース

ついでにタイムを測る

小学校の時には、水泳の選抜メンバーに選ばれ大会に出たこともあるのだ


バシャバシャと音を立て、勢いよくクロールで泳いでいく

久しぶりに泳ぐが、泳ぎ方を忘れる事はないんだなと、自分の体の不思議と向き合ってみる

自転車を漕ぐのと同じ感覚なのだろうか

息継ぎをし、腕を回す

少し耳に水が入った気がするが、気にせず泳ぎ切る

折返しは、もちろんかっこよくターン。と言いたかったが、そこまでは出来ずにゆっくり振り返と子どもたちが、手招いている

再び潜ってクロールで帰っていく

ザバンと、水しぶきと共に水の中から立ち上がり、私は家族の元へ帰ってきた

『タイムは?』

『あー。ごめん。忘れてた』

『もー、頑張ったのに』

パパのうっかりミスで、私のタイムはナシ



しかし、子ども達の目はキラキラと、先程と違う目で私を見つめる

『ママすごーい』

『かっこいい』

『でしょ?ほらね、泳げるもん』

どうだ!と言わんばかりに、胸を張り自慢げな顔で、ポーズを決める

『次、私!』

イヤイヤ来たはずの、プールも楽しく過ぎてゆく



あっという間に帰る時間になり、帰りの車の中で、うとうとする子どもたち

8人乗りの車の後部座席2列は横たわる二人でいっぱい

息子は私の膝を枕にしている

『眠いの?寝てていいよ』

すると、うとうとしながらも何か言いたげな息子に、どうしたの?と聞いてみた

『きょう、ママいてくれてたのしかった』

『ママまた行こうね?』

『ママも楽しかったよ。うん、行こうね』

そういうと安心したのか、ふふっと笑って二人は寝入ってしまった

そうね。たまにはいいな。子どもたちの嬉しそうな顔と笑顔を思い出し、私は少し申し訳思う

苦手なばかりに寂しい思いをさせてたのかな?と

『無理しなくても、たまにでいいと思うよ』

私の気持が聞こえていたかのように、運転手のパパが声をかける

『うん。ありがとう』

苦手な事もあるが、出来る事でたくさん笑顔にさせてあげるといいかな?と自分で少し納得させながら、子どもたちの顔を見る

気持ちよさそうに、私の膝で眠る息子の頭を撫で、私は口角を上げた

『おやすみ』

夜の闇と、街灯の暖かい光が定期的に車の中を流れていく

少しうとうとする私は、いつしか夢の中へと落ちてゆくのだった



最後まで読んで下さり、ありがとうございます


色々なお話を書いておりますので、どうぞごゆっくりとしていってもらえると嬉しいです


また明日、6時にお会いしましょう♪

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