表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Silver Sisters 2 ~HARUNA~  作者: 瑞城弥生
第六章 魔法少女協会
31/40

 目の前で崩れ落ちていった成子を見届けてから、桜子は本命の相手を探す。

 涼子はもう姿を消していた。

 近くに気配も感じなかった。


「逃げ足は早いわね、相変わらず」


 魔法少女としての桜子は、正直強かった。十番より下ならば瞬殺できた。やったことはないけれど、多分間違いないだろう。

 そしてこの新しい力があれば、エースにも勝てそうな気がした。

 だからといって、エースを相手にするつもりなどない。

 現時点では、そうする理由も、意味もなかった

 止むを得ず成子を殺してしまったけれど、その情報を持ち帰った涼子はどうなるのだろう。独断専行を諌められるか、それとも魔法少女の総意としてあくまでも桜子を排除しに来るか。

 いずれにしても戦うしか無い。

 桜子にとって、魔法少女は、古くからの友人ではなく、この瞬間から敵になった。

 敵としか思えなかった。


「どやった?」


 遠くから様子をうかがっていたであろう霧島が、楽しそうに笑いながら現れた。

 桜花あたりが来ていたら戦況も微妙だった。桜子より戦闘力が長けている霧島が控えてくれていたから、安心して対決に望めたのは大きかった。


「素晴らしい力ですね」


 それでも、そんな心配をする事がないほどの力だった。


「そら良かった。それで、どないするんだ」


 桜子の復讐はまだ終わっていない。

 倒すべき涼子は、逃げてしまったのだから。


「仕方ないです。次の機会を待つとしましょう」

「せやな」


 桜子は、両手を失い倒れている成子をみて思いついた。


「そうですねぇ」


 そして彼女の死体を担ぎ上げた。

 それを見ていた霧島が怪訝な顔をする。

 当然だ、そんなもの持ち帰ってどうするのだろう。

 霧島は何も言わないけれど、桜子には霧島の気持ちがよくわかった。


「ちょっと実験をしてみたいんですよね」


 だから、普通に説明した。


「実験ってなんや」


 説明になってなかった。


「多分博士も喜んでくれると思いますよ」


 魔法少女と言えども蘇生の魔法は使えない。どう考えたって、人間は生き返ることなど出来ないのだ。

 ただ、桜子は考えた。

 蘇生がだめでも再生なら可能かもしれない。再生というか再利用と言うかリサイクルというか。伊集院博士の研究成果を応用すれば、この死体は立派な戦力と成るだろう。


「意外とじぶん、やばいやつやなぁ」 


 それを聞いて、楽しそうに霧島は笑った。


「わたしはね、本当は普通の人間の生活をしたかったんですよ。普通に生きたかったんですよ。普通にOLをして、普通に恋をして……」


 だから、桜子は涼子を許せない。

 涼子が壊したものは、それが不可抗力だとしても、桜子にとっては大き過ぎた。


「だからもういいんです。どうせ叶わぬ望みなのだから、これからはずっと女王陛下のために尽くすつもりですよ」


桜子は決心した。

 もう後には戻れない。

 戻る気もない。


「まあ、まだ女王ではないんだけどな」


 霧島がツッコミを入れる、


「それは些細な事ですね」


 そう。桜子は、すべてをユキに捧げることに決めたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ