旅のはじまり
夜明け前
凪いだ海に 最初の風が吹いた
さあ、漕ぎ出そう
一艘の舟に乗って
出発の時が来た
新しい帆も張った
羅針盤代わりに
コンパスとGPSを携えて
漕ぎ出そう、沖へ
海色の波が呼んでいる
風が支えてくれる
遠い彼方の地を目指そう
カモメが誘う
何が待つのかは知らない
それでも何か
新しい朝が始まろうとしている
南方へ舵を切り
白い帆を高く上げて
気流を読んで
海流に乗って
どこまでもすっきりと蒼い
空と海のあいだに
イルカたちの群れとともに
滑り出そう
日照りの日もある
嵐の日もある
それでもいつか
島や 大陸を見つけて
未知の言語に
知らない風土に
世界は広かったと
驚きに行こう
時は満ちた
今こそ
大海原に向けて
漕ぎ出そう