うちの家賃2万円のボロアパートに大魔王と聖女がリスポーンしてくるんだけど
「決着を付けましょう、大魔王ガンダー!」
「今度こそ地獄へ送ってやろう、聖女アニエス!」
現在、目の前で大魔王と聖女がバトルを始めようとしている。
うちのボロアパートの一室で
「どうしてこうなった」
遡る事1時間前
『電雪 勇』は冴えないサラリーマンである。
そんな彼が住んでいるのは家賃2万円のボロアパート。狭い、暗い、小汚いの三点セット付きだ。
今日も疲れて帰宅すると、何故かファンタジーなシスター少女が鎮座していた。
「えっと、どなた?」
「私は聖女アニエス。今日からご厄介になります」
事情聴取
「つまり君は異世界で魔王と相打ちになってここに蘇生したと」
「神様がそうおっしゃってましたのでそうなります」
「無茶苦茶だろ神様……」
「それで、ここに置いて頂いても大丈夫でしょうか?」
「まあこんなボロアパートで良ければ。食費はどうするかな……」
次の瞬間、押入れが爆発した。
「何事?!」
「ううむ。何とか蘇ったがこんな狭い場所に放り込まれるとは……」
「その趣味の悪い格好、大魔王ガンダー!?」
「その忌々しい声は聖女アニエス! 何故貴様がここに?!」
「神様に蘇らせてもらったんです!」
「奇遇だな、吾輩も邪神に蘇生されたのだ!」
「すいません勇様、少々お騒がせします!」
そして今に至る
「聖なる光よ!!」
「闇に消えろ!!」
光と闇が炸裂して互いに直撃する。
そして倒れた。
「ええ……」
勇は呆然とその光景を見ているしかなかった。
すると、聖女と魔王の体が消えて、押入れからヌルリと出てきた。
「えええ……」
数分後
小さいテーブルを勇、聖女、魔王が囲んでいた。
「つまり2人は神様と邪神の手違いでここがリスポーン地点になってるわけだ」
「さっき押入れを通して聞いたらそうみたいです」
「まさか聖女と同じ場所に蘇生するとは」
「とりあえずさ、戦うだけ無駄みたいだし、一時休戦したら?」
「何故貴様が仲裁する。関係無いであろう」
「いや俺部屋主。ボロアパートだから騒ぐと近所迷惑だから」
「知ったことではない! 聖女はここで殺す!」
「やめい!!」
勇の拳攻撃! ガンダーに9999ダメージ! ガンダーは死んだ!
ガンダーはリスポーンしました。
「な、何が……」
「俺は普段冴えないリーマンだが、トラックに轢かれてもトラックが凹む強さを持っているんだ」
「何だその唐突な設定!?」
「神様がリスポーン地点にした理由って勇様……?」
こうして、停戦協定が結ばれ、3人の奇妙な毎日が始まるのでした。
お読みいただきありがとうございました。
1000文字と短い内容ですが、楽しんでいただけたなら幸いです。
お目汚し失礼いたしました。