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月の砂漠
砂漠を歩く夢を見た。
歩いても歩いても砂しかない。
サボテンひとつない。
疲れもしないからとにかく歩いてみる。
ひたすら同じ景色。
何か発見はなかろうかと、砂を見る。
僕の目はまるで顕微鏡のように砂の細部まで見せてくる。
水晶のようだ。
無数の水晶の粒。
やがて夜が来た。
今度は望遠鏡のように輝く星を見せた。
シリウスに見えたものはアクアマリン。プロキオンはアメシスト。オリオンの星雲は砕けて広がるエメラルド。
ここはどこだろう。
青い地球はさながらアズライト。
月は見えない水晶の海。
夢かどうか疑い始めた頃、目覚ましの音がして、朝ご飯を食べた頃には内容は忘れてしまった。
今日は地理のテストだったか。
家を出た。