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始まるわけにはいかない!  作者: あおと
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【番外編】クリスマス前に

 美紀は手帳をめくり、想いを巡らせる。二十五日には圭織の名前があった。美紀は目を細めた。三日後はクリスマスだ。

「クリスマスは圭織と一緒……」

 呟いた声には幸せが乗せられている。美紀はくすりと笑う。今年はそうとう浮かれている。インフルエンザの注射も既に済ませていた。仕事終わりの夜、美紀は圭織と会う約束をしている。わざわざ、平日の夜に会おうと切り出した美紀に圭織は僅かに煩わしそうな顔をしたが何とか了承を得たのだ。美紀は興奮で震え上がった。

「ああ、楽しみね……」

 美紀は口許を緩ませ、視線を移す。部屋の隅には真っ赤な袋があった。勿論、圭織に贈るクリスマスプレゼントだ。スエットの代わりにと美紀が準備したパジャマと分厚い靴下だ。猫耳と尻尾が付いた柔らかなパジャマで淡いピンク色をしている。一緒に買った靴下も淡いピンクでとても可愛らしい。

「ふふ、圭織に似合わないわけがないの……」

 美紀は息を吐く。そして、ガラステーブルに置いた二本の腕時計をうっとりと見た。

 お揃いの時計、これはサプライズだ。以前、圭織が欲しいと言っていたブランドのクリスマス限定商品なのだ。美紀は笑う。当日、美紀はこの腕時計をする。圭織はすぐに気が付き、羨ましそうに美紀を見るだろう。美紀はくすくすと笑う。圭織の表情が容易に想像できる。

「そのまま、イルミネーションも一緒に……」

 美紀は呟き、圭織と過ごすクリスマスを思い、胸をときめかせる。きっと誰よりも幸せになれる、そんな気がした。

本編に戻らず、季節のお話を書いてしまいました。

次は25日に公開予定です(それも番外編)

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