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新たな旅路の祝福を  作者: 稀一
序章
1/54

あの日々の祝福を

「私はずっと。ひとりじゃなかった」

「幸せだった。間違いなく、私は幸せだった」


 そう綴られた文字を指でなぞり、息を吐いた。

 この世界に君が来たのは何故だったのだろうか。私に出会ったわけは。

 ここで生きることに、なにか意味でもあったのだろうか。

 特別なものなどない。時代に揉まれ、人の思いに揉まれ、翻弄されながらも自分の足で生きたたったひとりの人生だ。


 たったひとりが、必死に生きただけなのだ。


 君の思いが詰まったそれは、傍から見れば退屈な、つまらない人生かもしれない。それでもその中で出会い、別れ、何かを得て何かを失ってきた。

 最後に残ったものがなんであったのかはわからない。君の最初の望みが、本当に叶ったのかさえ私には。

 だが少なくとも、無意味ではなかった。


 見上げた空は晴れている。風も心地よく頬を撫で、木の枝葉を擦り小さく音を立てていた。

 旅立ちにはもってこいだろう。初めは私一人が祝福した君の、新たな旅立ちもまた、祝福されているといい。

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