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ユーモアと哲学と戦争とワニ  作者: むささび
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自分の部屋の天井は、心の背景である。

僕は空中にメガネカイマンを展開させながら、そのことに気がついた。空想で現実は免れない。朝ごはんを食べなくてはならない。

今日は6月29日。嫌な日だ。今日の給食は豆カレーだ。豆は嫌いだ。昼ごはんが嫌いなものだから、朝ごはんは好きなものを食べたい。卵かけご飯で中和しよう。

そこまで思って、やっぱり布団から出るのは億劫だった。考えが先に立ってしまって、行動に移せないのはとても悪い傾向である。とりあえず朝ごはんを、は今日の僕にとって難易度が高い。だからハードルを下げる。とりあえず仰向けからうつ伏せになってみる。

くるり。

なんだか違和感があった。そもそもうつ伏せがちょっと辛い。顔がベッドにべったりくっついてしまうからだ。でも他に何か忘れているものがあるような気がした。いま無意識下で考えているもの……なにか背後にいるもの。そうだ、メガネカイマンを想像したままだった。空中のメガネカイマンに背を向けながらいるのは食べられてしまいそうで怖いので、僕は立ち上がり、部屋の外に出ることにした。

こうして僕は合理的に快楽的に部屋を出ることに成功したのである。

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