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8話  「衰亡の人類」

20160222公開



20160222 タイトル・ジャンル・あらすじ変更

20160223 一部表現変更

 四国程の面積の島に、15年前までは約141万人の(インストールされた数値では1桁の位まで把握していた)人類が住んでいたが、今では約102万人にまで人口が落ち込んでいた。

 原因は6つの国に分かれていた内の2つまでもが『敵獣』によって滅亡したからだ。

 『南の国』は15年前に滅んでいた。

 その国に生活していた約20万人は約9万人まで激減した。辛うじて維持されていた防衛線が一度崩壊すると、戦う術を持たない無い国民が『敵獣』に蹂躙されたからだ。

 『東の国』は4年前に滅んでいる。

 『南の国』の滅亡を目の当たりにした国民たちは早目に逃げたが、それでも約30万人も居た国民は半減した。

 そして、それら難民を受け入れた『北の国』と、『中の国』(俺たちが現在居る国)は人口が増えたにも拘らずに食料の生産量が減少した。

 食糧生産に携わるべき農民を『敵獣』に対する兵士に振り向けざるを得なかったからだ。

 そして、遂に『西の国』も崩壊の手前にまで追い詰められて来た。

 約18万人居た人口が今ではほぼ12万人にまで落ち込んでいた。


 そして、『西の国』は最後の賭けに出た。

 『中の国』だけが成し遂げる事が可能な『“力”の召喚』を強引に行うべく、王自らが率いる外交団の体裁で送り込んだ部隊による乗っ取りを図ったのだ。

 計画は成功した。

 この『中の国』の名目上のトップを監禁して、強引に『禁じられた儀式』を強行したのだ。

 その成果が俺たちという事は、彼らの誤算だっただろうが・・・・ 

 もっとも、俺にとってはこの国のトップの存在こそが想定外なんだが・・・


「て、店長・・・ 何かずっとささやかれているのですが?」


 インストールされた情報を確認している俺に、突如、声が掛かった。

 お客様の対応を任せていた佐々木副店長の声だった。

 その声に触発されたのか、何人かの店員も同じ様な事を告げて来た。


「スーパーの店員は全員、解放を選んでおく様に。その件はお客様には俺から説明する」


 指示を出しながらも、我ながら酷い事を言っていると心の中で自分にツッコミを入れた。

 解放を選んだ場合、先程の俺のように人外な身体能力を獲得する事は確実だった。

 だが、それでも修羅の道を選ぶしか無かった。

 もし、封印の方を選んでしまうと、この世界では生き残る可能性が無くなってしまうからだった。

 俺の指示通りに開放を選んだ店員たちが一瞬だけ麻痺した様な反応を示した。 


「可能ならば、みんなの実力と云うか、ステータスと云うか、そういった情報を知りたいんだが?」

「採集サンプルMale-3の要求を承認。視覚情報に重ねます」


 俺が目を向けている店員に子供の頃に遊んだ某RPGに似たステータス画面が重なった。

 ひらがながほとんどを占めていた・・・


 コマンド画面も有るのだろうか?

 『ガンガンいこうぜ』なんて、出て来たら怖くて選べないのだが?

お読み頂き誠に有難うございます。

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