表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
65/88

59話 「戦力比」

20160418公開

 てんちょーはきっと『畳の上で死ねない』人だと思う。

 だって、1頭の『敵獣』を爆発させただけで、300頭もの『敵獣』を“部下”にしてしまうという様な事をする人だから・・・

 取敢えずてんちょーが畳の上で死ねないなら、私は荒野であろうが、地獄であろうが、てんちょーを膝枕しながら看取るだけだ・・・・・





 敵対する『敵獣』の群れの併合はスムーズに進んだ。

 リーダーを一瞬で失った群れは、自分が何をすれば良いのかを考える間もなく『ラカ・クヌ・ナク』の支配を受け入れてしまった。


≪この群れの構成は?≫

≪採集サンプルMale-3の質問を確認。標準サイズの『敵獣』が197頭、大型の『敵獣』が102頭です≫

≪『害獣』は数に入れないのか?≫

≪採集サンプルMale-3の質問を確認。群れの構成員では無く、共存しているだけです≫

≪こっちに向かっている『害獣』の内訳は教えてくれるのか?≫

≪採集サンプルMale-3の質問を確認。『大型害獣』が745頭、更に大型の『巨大害獣』が255頭です≫


 俺は、ざっと彼我の戦力比を計算してみた。


 併合した群れには、標準的な『敵獣』が197頭、それと大型の『敵獣』が102頭が居る。

 『ラカ・クヌ・ナク』が率いる群れは、『害獣』が1010頭。標準的な『敵獣』よりも小型の『敵獣』が103頭に付け加えて『ラカ・クヌ・ナク』自身。 

 これらの数字に戦力にならない幼い個体と、それらの面倒を看る母親の個体は含まれていない。

 対する敵は大型の『害獣』が745頭で、巨大な『害獣』が255頭。

 それぞれに仮で組んだ戦力値を当てはめてみた。

 戦力値の基準は最小の単位の『害獣』だ。


 旧『西の国』方面に侵攻して来る『害獣』の戦力は、

 『大型害獣』:745頭×8(害獣相当)として5960

 『巨大害獣』:255頭×64(害獣相当)として16320

 合計は22280だ(単位は何がいいのだろう? 害獣の頭文字を当ててみるか?)

 戦力値としては22280頭の『害獣』に匹敵し、1114頭の『敵獣』に匹敵する。

 この段階で数値化を止めたくなった。


 対する味方の戦力だが、新たに併合した『敵獣』が

 『標準敵獣』:197頭×20Gとして3940G

 『大型敵獣』:102頭×40Gとして4080G

 『ラカ・クヌ・ナク』が率いる群れは、

 『標準害獣』:1010頭×1Gとして1010G

 『矮級敵獣』:103頭×16Gとして1648G

 『ラカ・クヌ・ナク』:1頭×80Gとして80G

 2つの群れの合計が、10758Gとなる。

 22280対10758・・・・・

 計算するまでも無く戦力は半分以下だ。

 この戦力比でまともにぶつかると実際の戦力比は4対1となり、勝利を得る事は不可能とは言わないが、困難だとしか言えなくなる。

 ただし、こちらには『ラカ・クヌ・ナク』が居る事で統率力に大きな差が出る。本来なら戦力として考え難い『害獣』でさえ、束ねる事で多数対個の形に持ち込めば数で押し切る状況は生み出せる。

 併合した群れも思ったよりも戦力としては大きい。

 人間の軍隊相手なら弱点を突く戦法は有効なんだが・・・

 例えば、人間の軍隊は補給線を徹底的に遮断する事で継戦能力は失われて行く。

 だが、野生そのものの『害獣』では、その戦術は使えない。

 弾薬の要らない自分の肉体が武器であり、食料は1日先行している『益獣』を追い掛ければいいのだ。

 集団から落伍してしまった『益獣』を食べるだけで十分と考えてもいいだろう。


 やはり、各個撃破の形で数を削って行くのが無難だが、連携はしないが集団として移動して来る場合は難しいだろう。

 その場合は、強制的に分断させる必要が有る。

 問題は俺自身にも有った。

 防大で戦史を含めた教育を受けたが、自分自身で率いた部隊単位は小銃小隊までだ。それ以上の単位の部隊を率いた事は無いので、もしかすれば大事なところでボロが出る可能性は捨て切れなかった。

 これまでにも2個中隊を率いる様な事もしたが、それもそれぞれに中隊長が居て、指揮系統もしっかりしていたから問題にならなかっただけとも考えられる。

 戦いの中に身を置くと益々指揮を執り難いので、いっその事、『敵獣』と『害獣』は全て『ラカ・クヌ・ナク』に任せて、俺は離れた高所で全体を見ながら指示を出す方が良い気がして来た。

 

 野生の『益獣』を狩りながら補給場所に向かう道中で、俺と石井青年と『ラカ・クヌ・ナク』は話し続けた。

お読み頂き誠に有難うございます m(_ _)m


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ