表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/88

28話

20160308公開

 朝食はそれなりのものが出た。

 ベーコン(豚肉では無い)と卵(これは鶏卵)を焼いたものに、サラダ(ほとんどが未知の植物)、コンソメスープ(出汁は馴染深いのだが具材に心当たりは無い)、それとパン(小麦とは違った味わいでコクが有る)という献立だった。

 そして、朝食の場はそのまま俺たちへの質問タイムと化した。


「ノブナガ殿、砦から見ている限り、槍でも剣でも無い武器を使っておられましたが、どの様な武器なのでしょうか?」

「我々でも使えるものなのでしょうか?」

「どこで訓練を?」

「どの様な訓練を?」

「『大型敵獣』とさえも真っ向から遣り合うだけの筋力はどうやって手に入れたのでしょうか?」

「お二人しか見掛けませんが、他にも居られるのでしょうか?」


 まあ、質問をしたくなるのも分かる。

 考えたら、2人だけで倒した『害獣』と『敵獣』の数を相手にする場合は、本来は中隊規模の軍隊でさえ無傷では済まないからだ。それを圧倒的な数における劣勢を覆した挙句、小隊規模で当たるべき『敵獣』を単独で倒すなんて事は有り得ないのだから。

 だが、現時点ではだ正体を明らかにするのは無理だった。

 その辺りはナジド王とのすり合わせが出来ていない。


 そして、朝食も終わり、この砦を視察する事にしたナジド王に同行した俺たちだったが、ナジド王は帰還に先だって行われた、砦勤務の兵たちへの激励の挨拶の時に爆弾を落として行った。


『女神様が我らの為に遣わす救世主という者が居るとすれば、ノブナガ殿とイシイ殿こそ、そうではないか?』と・・・


 オイ、オマエ、ソレ、シャレニナラナイ・・・・・

 石井青年も苦虫を噛み潰した様な顔になっている。

 うん、勿論、兵士たちの反応は爆発的な熱狂でしたとも・・・・・

 王城に戻ったら、ちゃんと話し合う必要が有った。


 行きと違い、王城への帰途はのんびりとしたものだった。

 王が乗る馬車にはひっきりなしに伝令の騎士(騎兵隊ではちょっと違う気もする。外観も有ってこっちのほうがしっくりする)がやって来るが、俺たちは暇を持て余したので、『西の国』の風景を楽しむ事にした。

 目に入る風景は山がちな国土だった。

 インターフェイスからインストールした資料でも穀物の生産は少なく、不足する分は『中の国』からの輸入に頼っている面が有ったが、この光景を見ると納得だった。

 日当たりが有る、緩やかな山の斜面にはびっしりと畑が貼り付いている。

 日本でも田んぼで見掛けるが、とにかく耕せそうな斜面は全て手が入っていた。

 必死に収穫量を上げようとしている涙ぐましい努力の結果だ。


 だが、俺は、そこまでしている『西の国』の民に、国を捨てろ、と言っている。

 そうしなければ、人類が最終的に滅びるからだ。



 俺は、その風景を目に焼き付けるように見ていた。

 

お読み頂き誠に有難うございます m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
[一言] 判断が緩い。 命かかってんのにキャリバーが云々なんて よく分からないです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ