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潜入

早めの更新で三の丸に潜入したよ!なお話です

 あの後、作戦を説明されたが、詩乃の予想通りに獣道を抜けて壁を登り目的地に到着。一足早く壁を登り終えた後ろから遅れて剣丞たちも登ってきた。

 昔はよくこういう壁をクライミングしてたし、ここの崖は比較的登りやすかった。


「りょ、涼平。登るの早すぎ……」

「だらしないな……頑張れよ、男の子」

「縄無しでは流石に登れないよ、俺……そんな技術教えてもらってないし」

「なんだ、師匠でもいるのか?」

「うん、小さい頃から色々とね。馬術とかちょっとした兵法とか」

「へー、面白い師匠だな。剣丞の時代にそういうの教えるなんて」

「おじさんとその奥さんなんだけどね。ちょっと特殊な人でね」

「ちょっとお頭、涼平さん。そんなこと話してる場合じゃないですよ!」

「っと、そうだった。涼平、この話は終わってからでいい?」

「……ああ」


 ころからのツッコミを受けて会話を一時中断し、本来の目的に集中する。城門への道はざっと百メートルほど。

 んー、突っ込むにも微妙な距離だな。


「お頭。前方に門番の他に守備が二百といったところでしょうか」

「二百?攻められてるのに人が少ないような」

「百曲道は細くうねった道ですから、ここから多くの軍勢は攻め上がってくることはないって判断でしょう」

「なるほどねー。だけど二百は流石にどうにかできる人数じゃないよね?」

「出来なくはないが、戦ってる途中で援軍を呼ばれて……って感じになっちまうな」

「だよね……でも大丈夫。ちょっとした作戦があるから。……もう少ししたら」


 と剣丞が大手門側に視界を向けると、爆竹のような音が響く。

 城内の兵は織田軍がこちらに攻めてきたのかと焦り、上の身分っぽい嬢ちゃんが指示を飛ばしこの場は30人に任せて大手門の方に向かった。

 なんつーか、頼りない将だな。兵たちの信頼も全く無いみたいだ。

 そんな評価を下しながら眺めていると母屋から火が上がり、何人かが消火に向かっていった。


「……剣丞、お前意外とせこいな」

「勉強って大事だなって常々思うよ。あとセコいじゃなくて兵法だよ」


 化学反応起こして発火させたのか。内通者みたいのがいると詩乃が言ってたし、仕掛けをその人にお願いしたのかね。

 とりあえずこれで兵の数はかなり減った。


「これならなんとかなるでしょう」

「楽観はできないけどね」

「ん?ひよ、大丈夫か?」

「あ、あはは……緊張してきちゃって」

「いや、緊張しすぎだろ」


 ひよの表情はいつもの笑みではなく、引きつっており体も小刻みに震わせている。さらに唇も青くなってるし、節々が白くなっている。

 でも、ひよは両の頬を両手で軽く叩いて気合を入れなおし、いつもの笑みを浮かべる。


「でも、やります!やってみせます!」

「うん、その意気だ。……じゃあ、ひよは俺の後ろを守ってくれる?」

「後ろですか?」

「そっ。前は俺と涼平に任せて、ひよは俺たちの後ろで、隙を見つけて閂を開けて欲しいんだ」

「やれるよな、ひよ?」

「はい!」

「よし、行こうか。涼平、ころ」

「おう、先行くぞ」


 刀を抜いて、兵の前に出る。

 突然、目の前に侵入者が現れ、怯えた表情を俺に向ける斎藤の足軽。あまり騒がれたくないので、一太刀で仕留めるために全力で振りかぶる。


「な、なんだ……ぐあっ!」

「御城が欲しくて堪らない山賊でーす」


 自己紹介も忘れずに。


「て、敵!?どこから」

「な、何人いるんだよぉ」

「囲め!」

「えーい」

「ぐあっ!」


 武士っぽいやつをとりあえず左のグーで殴る。武士が怯んでる隙に俺を囲おうとした他の兵を一気にたたっ斬る。

 他の兵も剣丞やころたちが対応している。

 怯んでいた武士が剣を構え、俺と対峙する。


「な、何だ貴様は!」

「彼処にいる男の剣だ。んでもって、織田家に雇われた傭兵だよ」

「こ、こいつ! 背中に雪月桜の家紋! 貴様、風雲か!」

「風雲!な、何故、織田如きに貴様のような傭兵が!」

「……くたばれ」


 ムカつくから氣で強化した拳で顔と腹を同時に殴ってやった。

 安い防具使ってたのか、殴った衝撃で甲冑がひん曲がった気がする。

 昔教わった氣の運用方法だが意外と便利なんだよな、これ。甲冑殴っても拳が痛くないんだ。


「ぎゃふっ!?」

「涼平、拳で甲冑壊したよ」

「す、すごいですね」

「剣丞、攻めるなら今だぞ」

「うん! ひよ! 今のうちだ!」

「なっ!」

「せーの!」

「なっ……!?」

「まあ、俺たちの目的はこっちなんでね。お勤めご苦労さん」

「俺たちの勝ちだな」


 閂を抜き、ひよが扉を開くと同時に兵を引き連れた麦穂が城内に潜入してくる。麦穂は乗っていた馬から降りて剣丞の方へと掛けより声をかけている。

 さて、俺はどうするかな……体力有り余ってるんだよな。


「涼平」

「ん?」

「俺は一回本陣に戻るけど涼平はどうする?」

「お前についてなくても大丈夫なら俺も城攻めに参加するが」

「じゃあ、お願い。涼平って俺たちよりも強そうだし……元気有り余ってそうだしね」

「……やっぱり、剣丞って人を見る目があるな。了解。俺は残って城攻めに入ろう」

「うん、よろしくね」


 そういってひよところに抱きつかれた剣丞は本陣へと戻っていく。

 両手に花とか羨ましくなんてない。ああ、羨ましくなんてないさ。すると妙に機嫌のいい麦穂が俺の元にやってくる。


「涼平くん、よろしくね」

「へいへい。精一杯やらせてもらいますよ。とりあえず、三の丸の残党狩っておく」

「はい、ご武運を」

「任せろ……麦穂も気をつけてな」


 どうやら俺にも一言掛けに来てくれたみたいだ。

 ちょっとばかり本気出しちゃいますかね。

 麦穂と別れ、三の丸を制圧しに向かう。




 残っているのは火消しに向かった数十人程度。

 あっという間に麦穂の率いいていた兵と一緒に残党を捉えていき、三の丸を制圧するのに時間はかからなかった。

 途中、強そうな気迫というか覇気?のようなものを感じたが一体なんだろうか。

 確か、二の丸の方だよな?


次は森一家との出会い

涼平くんは氣の運用もできるので、素手で敵を殴ることが出来ます。

といっても篭手はしているので普通に痛いでしょう。


話書くのって難しいですね。これからも頑張ります

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