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二条館、北門防衛

色々消化していたら一ヶ月以上経ってました。申し訳ありません。

もう少し涼平とヒロインたちを絡ませて行きたい。

 剣丞が二条館にやってきて数刻。剣丞たちの動きを見かねた三好衆がついにこの二条館へ攻め入ろうとしていた。

 三好の数は四千。小波曰く、千が北側に居るということで俺と剣丞隊の足軽達でこちらを見ることになっている。


 同時に一葉が剣丞の良人になることを告げた。俺は内容を知っているので、一葉に言われて北側で戦の準備を行っていた。

 しばらくすると、雷蔵が兵たちの状態を報告しに来てくれた。


「副長、いつ来られても大丈夫な状態だ」

「わかった。小波、いるかー?」


 雷蔵から準備が整ったのを聞いてから、どこかに居るであろう小波を呼び出す。すると、小波はすぐに俺から少し離れた場所に現れる。

 更に後ろに控えている部下たちも小波に対する耐性ができたのか特に驚くことなくそのままの状態で控えている。


「お呼びでしょうか」

「こっちはいつでも行ける。剣丞達は?」

「はっ。あちらも準備が整っているようです」

「了解した。剣丞にこっちは心配要らないが、何かあれば小波を通して呼び出せと伝えてくれ」

「畏まりました。失礼いたします」


 そういって小波は俺のもとを離れて、さらに違う場所へ向かっていった。あの移動術、覚えたら色々楽そうだな。今度教えてもらうか。


「ところで副長」

「なんだ?」

「こちらは俺たちだけだが、大将のほうは大丈夫なのか?」

「ああ、向こうには足利の兵もいるし、残りの隊もいる。それに一葉と鞠もいる。三千という相手にはちょっと物足りないような気もするけどな」

「……千に対して二十はひどいんじゃないか?」


 確かに普通であればこの戦力で千という相手は無謀を通り越して無茶だろう。

 だが、この戦力でも十分な理由がある。


「小波の情報だとこっち側には下級の鬼しかいないらしい」

「南のほうが強固ということか」

「たぶんな。それに雷蔵。気が付いてないのか?」

「何?」


 俺は後ろに控えている部下たちに目を向け、雷蔵もそれにつられて後ろを見ると雷蔵は驚きの声を上げた。


「これはっ!?」

「見ろよ、あの目を……」


 俺たちはこのために、鬼を倒せるように鍛錬を続けてきた。最初は筋肉痛や修行内容に弱音を吐くやつもいた。心が折れそうになる時もあった。

 だが、部下たちは諦めずここまで来てくれた。その乗り越えた強さをここで発揮できることにあいつらはうずうずしているのだ。

 同時に、物見櫓から鏑矢が放たれ、空気を切るような甲高い音と共に敵の来訪を告げた。


「さぁ、開戦だ。全員! 抜刀!!」

「「「「「「応!!!」」」」」」」

「行くぞぉ!!」


 さぁ、来いよ。これが俺たちの始まりだ。

























「いいか!決して一人で動くな!二人一組で確実に倒せ!」


 雷蔵の掛け声に合わせて、部下たちの士気が更に上がり鬼たちを押し返す。今のところ二十という数でも鬼たちは統率はなくただがむしゃらにこちらに向かっているという感じで、この数でもなんら問題ない。

 強い鬼が出てこない限りは大丈夫だろう。


「つーか、数多すぎだろ。あとどんくらい居るんだよ」


 素直な感想です。倒しても倒しても湧いてくる。無双ゲームかっての。


「涼平さま」

「小波? 南で何かあったか?」

「いえ、剣丞さまが様子を見てきて欲しいと」

「……見た感じだな」


 特に苦戦もしていないし、順調と言えば順調に相手の数を減らしている。


「……妙に涼平さまに集中してますね?」

「そういえばそうだな」


 小波に言われてから周りを見れば確かに自分に対してだけ妙に鬼が突っ込んできている。ほぼ一太刀で倒せているので苦にもなっていない。


「まあ、部下たちには丁度いいな。修行の成果も見れるし、向こうの増援もなさそうだ。片付いたら南に向かう」

「畏まりました。では、失礼」

「おう」


 近くに居る鬼をすべて切り伏せて、次の標的を倒す。小波に言った通り、部下たちにはいい刺激になる。二人一組で組めば余裕で下級の鬼程度なら処理できている。

 むしろ、これで処理ができないようだと今後が困る。修行のメニューを増やすところだが、今のところは心配なし。


「とっとと処理して剣丞と合流しておくか」


 鞠と一葉が居ると言っても隊長の身は心配である。鬼にはめっぽう強いらしい刀を持つ剣丞だが、俺と違って実践での経験が少ない。剣丞にも他の部下と同じような訓練を受けさせたほうがいいのだろうか?


「副長! なんか奥の方で数が増えてますぜ!」

「むっ」


 比較的前線の方で戦っていた部下が大声で叫ぶ。


「少しマズイな」


 疲労したところに増援は今の人数ではキツイ。やられたりはしないだろうが、士気が下がる。


「どうする副長。流石にここで増援はキツイぞ」

「分かってる……仕方ない。俺が前線にでる。指揮は任せるぞ、雷蔵」

「大丈夫なのか?」

「ああ……ちょっと試したいこともあるしな」

「了解した。気をつけろよ、副長」


 こうなると俺も前に出て数を減らすしかない。今までは取りこぼしやヤバさそうなヤツしか相手してなかったが、そんな悠長なことを言って兵の数も減らしたくない。

 その場を雷蔵に任せて、襲いかかる鬼を切り伏せながら前線にでる。数を減らしつつ、北門へと立つ。


「うおっ、うじゃうじゃいるな」


 唯一の進入路である北門周辺に増援と思わしき鬼たちが湧いている。色々試しておきたいことができそうだ。

 相手との距離も少しばかりあるので集中もしやすそうだ。


「さぁ……てと」


 腰を軽く落とし、右手の甲を眼前に、左腕を交差するように構え、切っ先を正面に向ける。霞の構えと呼ばれるもの。

 そこから更に意識を集中させ、呼吸を整えながら体にある気の流れを刀へと集中させる。

 刀は体の、腕の延長線として考えろ。普段、自分の体に行っていることの応用だ。


「!?」

「!?」


 鬼たちが俺が行うことに危機感を感じたのか一斉にこちらへと向かってくる。大丈夫、イメージは出来ている。一葉も俺ならば出来ると言っていた。普段から気を使ってるのだから出来ないことはないと。

 自分を信じろ。俺が今まで見てきたこと、体験した戦いは無駄ではない。


 気を研ぎ、鋭く、鋭くするイメージだ。そうすればこの一撃はすべてを切り裂ける。

 

 もっと。

 もっとだ。

 もっと研げ。

 

 そして、それをぶっ放せ!!!


「切り……裂けぇ!」


 刀をその場で全力で振りかぶる。

 すると刀身に集まった気が刀を振った軌道に沿って放たれる。幅はおおよそだが5メートル程度で、この幅は俺の刀身に集めた気の量で決まると思うが、これは今後検証していこう。

 刀から放たれた衝撃波はそのまま真っすぐ突き進み、正面に居た鬼たちを切り裂いていく。だが、距離が遠くなると威力が衰退しているのか切り裂けずに切り傷程度で衝撃波は消えてしまった。


「くそ、半分も減ってねぇな」


 大雑把に見た限り、鬼の数は増援分の半分も減っていない。少し体力を持っていかれたが、まだ余裕はある。部下たちも声を上げ、うまく連携を取りながら鬼を倒している。

 俺もまだまだ前線で頑張ろうじゃないか。


「皆! まだやれるよなぁ!」

「へへっ、お頭も北で頑張ってんだ。この程度じゃまだまだですぜ!」

「副長の訓練に比べたらあんま辛くない!」

「そうだ! あの地獄に比べたらマシだ!」

「いっそ死にたいと思う修行なんて修行じゃない!」

「そうだ!」


 あれー、なんか皆修行の文句いい始めたぞー。しかも、それで鬼を倒す勢いがましたぞー。


「てめぇら! 副長への文句は後にしろ! 鬼を倒せ!」


 雷蔵の喝で真面目に鬼退治を始める部下たち。

 とりあえず、雷蔵以外は修行内容増やす。絶対増やす。中級倒せるレベルにしてやる。

 心のなかで部下たちに対する対応を決めながら、俺に向かってくる鬼を倒していく。

 あの技は時間がかかるからこういった乱戦状態だと、うまく気を錬れないので奇襲や開幕の一撃で放つのが良さそうだな。あとはこの防衛が終わってから考えよう。


「そろそろ終わるか?」


 色々考えながら鬼を倒していると鬼の数は数体までに減っており、あとは部下たちでも対応出来る程度になってきているな。


 無意識に奮っていた刀が金属音と共に動きが止まる。

 視界をその動きを止めたモノに向けると明らかに今までとは違う鬼が俺の刀を自身の刀で受け止めていた。


「ん?」

「その身に纏う雪月桜! 小童が風雲だな」

「おお、鬼のくせに喋った」

「確かに見た目は鬼となったが、人の皮を被っていた頃より、甚だ気分は爽快よ」


 くぐもった声で笑いながら俺の刀を押し返そうとしながら、更に続ける。


「貴様の頸を取り、義輝の頸も取れば、更なる強さを得られるであろう」


 え、何この人……いや、人か怪しいけど何だこれ。


「ガハハハ! この姿に恐れをなしたか、小童! 戦場に勝利を呼ぶと言われておっても所詮は小僧か。泣いて、喚いて、怯えて顔を歪める貴様の頸、きちぎってくれるわ!」


 俺が何も言わないことで何を勘違いしたのか恐れを抱いたとかいい始める。

 強さはよくわからないが、とりあえず切ってみるか。


 受け止められた刀を軽く逸して、相手の刀を流し、そのまま渾身の力で目の前の鬼を切り裂くこうと思いっきり振り抜く。


「え」


 びっくりしすぎて素っ頓狂な声が出た。

 すると周辺の鬼を狩り終えた雷蔵と部下たちが俺のもとに集まる。


 唖然としているであろう俺を見て、雷蔵が俺に声を掛けてきた。


「ん? 副長どうかしたか?」

「いや、威勢よく出てきた鬼がどんくらい強いのか試そうと思ってな」

「ああ」

「渾身の力で袈裟斬りしたら死んだ」

「は?」

「まあいい。どうやら、援軍も来てくれたみたいだしな」


 遠くに見えるのは織田家の家紋である木瓜。久遠たちがやっと来てくれたようだ。

 無事に北門は防衛できた。警戒はしているがほぼ問題はないだろう。


 あとは適当に久遠や剣丞に任せるか。

りょうへいは おいえりゅうを しゅうとくした▽


剣丞たちが合流する前に一葉に聞いて覚えました。


ステータス風に言えば 御家流Lv1


さらに、14話あたりで久遠や結菜にも聞いているため、きっかけがあれば云々。


かなり出遅れた挨拶ではありますが、今年も剣友伝をよろしくお願いします。

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