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演習

更新に一ヶ月以上かかりましたが二話目。


かなり短いですがよろしくお願いします


 俺が織田家に入ってから三日後に行われている織田総出の演習。

 始まってからすでに数刻が過ぎて、剣丞と雛が赤組の武将を打ち取り、本陣へと足を勧めた。

 そして、俺は現在、ある人物と相対している……。


「なんでここに居るんですかね」

「やはり此処にいたか」


 俺の目の前にいる人は、織田家家臣である柴田勝家、通称壬月である。

 麦穂―丹羽長秀―からお願いされ、敵陣の後ろから抜けていったら、なんと敵将本人に遭遇してしまった。

 麦穂が後ろから抜けるのは簡単で、控えてる兵を倒すだけだったんだがな。

 俺がこっちから来ているとわかったのは、将が持つ勘ってやつなのか。


「麦穂にはかち合ったら逃げろと言われたがそうはいかなそうだな」

「ほう、逃げずに構えるか」

「いやぁ、あなたの場合逃さないでしょ。知り合いに性格にてるし」


 腰にさしてある刀を抜いて、構える。

 右足を引いて、体は右斜に向けて刀は右脇に取り、剣先を後ろに下げる構え。

 所謂脇構えというものだ。


「ほう」


 どこまで通用するかはわからないが、相手は俺の刀の長さを把握していない。俺も向こうの手立ては知らない。

 唯一わかっていることは壬月は斧を使うということと、麦穂からは五臓六腑に気をつけろと言っていたがなんのことかわからん。

 しかし、斧を構える壬月に隙というものは見当たらない。


「行くぞ、小僧!」

「これでも二十代後半なんだけどなぁ」


 仕掛けてきたのは壬月。

 俺の間合いに入るまでは俺の歩数で約5歩分。

 壬月はその体格の倍以上の斧を俺に向かって振り下ろそうとしている。

 自分の呼吸を整え、一歩前に踏み込み、襲い掛かってくる斧に合わせて刀を切り上げる。


「ふっ!!」

「むっ!!」


 斧と刀がかち合う。

 互いが触れた場所が衝撃波となって周囲の草を揺らし、お互いの武器でそのまま鍔迫り合いとなる。


「私と打ち合えるとは、いい刀を持っているな!」

「世話になった鍛冶屋の作品は頑丈さが取り柄らしくてな。旅に出るときに貰ったもんだ」

「良い鍛冶屋だな!紹介してくれてもいいぞ!」

「その内な」


 鍔迫り合いをしている状態から一瞬だけ力を抜くと、壬月は急に力を抜かれた影響で俺の方によろめく。


「何っ!」

「ぜあっ!!」


 倒れかかる壬月の横を抜け、上段から渾身の力を込めて振り下ろす。

 でも、わかる。この人は簡単に俺の攻撃を食らうような人ではない。


「くっ!」


 巨大な斧を盾代わりに俺の振り下ろしを受け止る壬月。

 しかし、衝撃までは受け流しきれなかったのか険しい顔を浮かべている。

 このまま続けても同じように防がれるのを見越し、その場から数歩だけ下がる。壬月はゆっくりと立ち上がり楽しそうな顔して俺を見る。


「剛かと思えば柔、柔と思えば剛。中々の腕だな」

「そりゃどうも」

「そろそろ加減抜きで立ち会おうか」

「できればもう少し加減していただけないかなーと」


 一応演習だし……つっても、今日の演習は稲葉山の軍勢が横槍してくる可能性も見越して、装備は実践と同様である所謂ガチ装備ってやつだ。怪我しない程度に本気で戦うってのは意外と難しいものだ。

 そろそろ壬月は加減をせずに俺と戦うつもりだ。


「次は加減をせんぞ!」

「ホント、困ったもんだ」


 斧を横に向けて構える壬月の発する氣の量が増えている。ということは御家流を放つつもりなのだろう。御家流ってあれだよな、ゲームとかで言う必殺技みたいなもんだよな?

 多分、麦穂が言っていた五臓六腑というのは御家流のことなんだとおもうのだが、昔居たとこではこういうの無かったから、初見だと回避方法が本能とか直感で避けるしかないから面倒なんだよな……。

 こういう時はあれだな。


「行くぞ!涼平!」

「………じゃあな」


 逃げるに限る。

 無理に彼女に立ち会う必要はないし、彼女があの構えをしているということはすぐに走りだしたりは出来ないはず。後ろから追いかけてくる気配もない。

 念のためにと壬月が追っていくるのを目視で確認しようとした瞬間、俺の足元の地面がはぜた。

 え、こんなの聞いてないんですけど。


「逃がさん!」


 先ほどタメてた氣を地面に流して地面をふっ飛ばした。壬月の御家流は斧に触れた部分を氣による衝撃波でふっとばす感じか?

 意外と冷静ではあるが空中に浮いた衝撃で手にしていた刀を手放し、地面に転がる。急いで立て直そうと身を起こしたが、首元に壬月の斧が突きつけられる。

 いつの間に回りこんだんだよ……。


「彼処で逃げ出すのには驚いたが、ここまでのようだな」

「逃げれると思ったんだが……参ったよ」


 もう少し戦いたかったが、壬月の方が上手だったか。壬月は降参を宣言した俺を討ち取ったと高らかに宣言し、俺の織田での演習はココで終わってしまった。

 攻めることよりも逃げを選択した結果ではあるが、やっぱり……。


「負けるのは悔しいよなぁ」


 俺が負け壬月が勝ち名乗りをしてから数分後に麦穂の戦略や麦穂の攻めに対して剣丞や雛の奇襲によってこの戦いは白組の勝利に終わった。

 同時に稲葉山の連中は演習中に攻め込んでくることはなかった。

書いてる時に家が停電して文章の半分以上が消え、書き直しました。

みなさんも途中保存などはこまめに行ってくださいね


涼平くんの服は妖怪首置いてけさんのあの服装をイメージしてます


次回は突撃!稲葉山!の予定で書き進めていきます

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