お城攻略と新しい仲間?
番外で前の外史書こうとしたけど、中々うまい具合にまとまらないデス。
前の話が短いのでこっちでごまかします。
「……っ」
「あ、涼平。起きた?」
「涼平、おはよー!」
「おう」
俺達は獣道に入ってからしばらく進んだところで、日が落ちるのを待ってから潜入することになった。その間に仮眠を取っていたのだが、結構深く寝入ってしまった為にまだ若干目が覚めきってない。
だが、仕事はしなければならないので、気を引き締める。
ふと、少しだけ剣丞と小波の距離感が近くなっているように思えた。
あ、小波っていうのは松平が客将として送ってくれた忍者である。現代でいうと服部半蔵で有名なあの人である。
俺とは面識がある人物なので、軽い挨拶で終わった。その後に剣丞に「涼平って微妙に顔が広いからすごいよね」と言われた。傭兵時代に世話になった所の武将とは面識あるのだ。
というわけで、俺達は本丸らへんに忍び込み破壊工作を地道に行っている。
ときおり、敵兵に見つかりそうになるも俺と鞠が当身をプレゼントして眠らせている。
鞠は小さい体ながらに綺麗な当て身で相手を気絶させていることから、かなり洗練された技術を持っていることがわかる。
ていうか、この歳でこの技量だと数年後には一葉以上じゃないか?
いやぁ、本当に恐ろしいロリっ子だこと。……卜伝先生ってどんな人だったんだろうなぁ。
そんな鞠の技量などを色々考えていると目的地に到着した。
ふと、鞠がある方向を見ながら俺に小声で話しかけてくる。
「涼平、感じる?」
「あれと遠くのやつか?」
「何かあったの?」
鞠がいう感じるというのは敵の気配のことだろう。一つは近くであるが、多めの気配を遠くに感じる。
遠くの方は逆方向であるから放置していても大丈夫だろう。
剣丞に対して、母屋の影に指差して教えてやる。その方向には俺たちを探しているのか警戒しながら周りを見回している少女がいる。
見たところ隠密とかには関わりがない子だというのがわかるが、その子は槍と刀を武装している。
「剣丞、あれどうするよ?」
「捕まえて大人しくしてもらうかな?」
「剣丞は優しいの」
「あの子は二人に任せるわ。結構、いい筋してる武将だから油断するなよ。ちょいと周りを見てくる」
「うん、わかった」
「いってくるの」
そういって、剣丞と鞠の両名は少女を捕らえようと気配を殺しながら近づいていく。
俺は剣丞たちと離れてから他にあの子のように自分たちに気がついたものが居ないか軽く調べに向かったものの、特に異常はなかった。というよりも異常がなさすぎないか、これ。攻められているにしては警備が甘すぎるような気がするんだが……。
色々考えは浮かび上がるが、とりあえずは少し離れた剣丞の元へ戻ることにする。
戻ると俺たちを探していた子は綺麗に縛られ、その様子を小波も見ていた。離れている間に小波を呼んだのだろう。
剣丞、お前縛るの上手いんだな……。
「涼平、一旦この子を背負って戻ろうと思ってるんだけど」
「ああ……ちょっと辺りを見回ったが、人が居なすぎる。ぶっちゃけ、この感じなら森一家に任せりゃあっという間に陥落出来ると思うぞ」
「え? そんなに?」
「上の人間がとっくに逃げたかもしれないな」
周りを見ただけだがね。
「うん。わかった。とりあえず戻って、もう一度潜入で大丈夫かな?」
「ああ。ま、俺の上はお前だ。それに従うさ」
「ありがとう、涼平」
「でも、その子背負うのはお前の役目な」
「だよねー」
気絶させたのは剣丞なので責任は取ってもらう。
女の子を剣丞に背負わせ、本丸を後にする。その間に見つかりそうになったが俺と鞠が気絶させ、特に苦労すること無く戻ることが出来た。
俺達が本丸を脱出するのと同時に剣丞の仕掛けが作動し、大きな音が響く。剣丞曰く、音は派手なのだが威力はないそうだ。
仕掛け作動後に小波が様子を見に伺ったが、俺の予想通り本丸の動きは散漫だったらしい。森一家も30分もしないで城門を突破したらしいので、本丸が攻められるのは時間の問題だ。
剣丞との話し合いにより、再潜入は混乱を招かないということでそのまま本隊に戻ることとなったがつまらん戦だったので、俺は剣丞隊の面々を連れて駐屯に割り当てられている場所に向かう。
部下たちに自分の武器の調整を指示してから、詩乃から更に駐屯内で自分に割り振られた場所で休むことにした。
それからしばらく。
「涼平ー!!」
目を瞑って休んでいると、鞠の声が聞こえてきた。久遠と話を終えた剣丞と戻ってきたのか。
瞑想をやめて、剣丞の声がした方に向かうと剣丞隊の面々が集まっていた。小波もいる。
俺の姿を確認した鞠が俺に飛びついてきたので、怪我をしないように抱きとめてから剣丞に問う。
「どうかしたか?」
「うん。久遠から言われて今日からこの子が剣丞隊に入るんだ。自己紹介してあげて」
「ほう、そうなのか」
剣丞に言われてからその子を見てみると、ちょっと前に剣丞が捕虜にしていた子がいた。捕虜にした子がすぐに味方になるっ
てのはこういう時代だからなんだろうなぁ。まあ、観音寺城の当主が居なくなってるから仕方ないのかもしれないな。
もしくは織田家に何かしらの思いを抱いているからだろうかね。
とりあえず、自己紹介をしておく。
「俺は切銀・涼平。剣丞隊の……なんだ?」
「涼平は主に兵の全体を面倒見てもらってるよ」
「あと武器方面も涼平さんがやってくれてます!」
武器の調達は俺がしている。鍛冶屋で世話になっていた分、腕のいい鍛冶屋はすぐに分かる。それで調達は俺の仕事となった。一度買って手入れを怠らなければそうそう壊れない武器なのである。
「涼平さんですね……覚えましたわ。わたくしは蒲生賢秀が三女、蒲生忠三郎梅賦秀ですわ」
「よろしくな、梅」
「涼平さんは珍しい甲冑を着てますのね」
「ああ、俺が考えて腕利きに作ってもらった甲冑だ」
篭手と脛当、腰辺りを保護する草摺があるだけのシンプルなものだ。外史に来る前にハマっていた漫画の主人公の服装を真似たもので、見た目としてはほぼ同じである。
一撃必殺系男子目指してます。
梅は俺の甲冑が珍しいのかじーっと俺の甲冑を歩きながら見ている。そして俺の背中辺りに回ってから梅の動きが止まった。
「糸月輪に月と山桜……この家紋、雪月桜っ!?」
「おお、なんか久しぶりの反応だ」
なんか初めて詩乃と剣丞にあった時を思い出すな。
振り向いてから後ろに居た梅を見てみると固まっていたので、声を掛けてみる。
「梅ー? 大丈夫か?」
「風雲!? あなた風雲ですの!?」
「おう、誰が呼んだか知らんがそういう名が広まっているな」
最初に呼ばれ始めたのはいつかは覚えていないが、剣丞たちに会う前には家紋と共にその名で広まっていた。ちなみに家紋は俺が作ったオリジナルだったりするのだが……。
「確かに南蛮風の甲冑に雪月桜の家紋……噂通りなんですのね」
「おう……で、梅は何処に入れるんだ?」
隊の方針を決めるのは隊長である剣丞だ。それを決めたら俺やころで調整してやればいい。
「聞く限りだと多才だからね。何か指揮を任せたいと思ってるんだ」
「騎馬がちょうどいいんじゃないか」
「そうですね。騎馬隊を任せるのはどうでしょう。涼平さんも私も騎馬は得意じゃないですし、涼平さん何故か馬に乗ること少ないですし……」
「馬より俺が走ったほうが速い」
「それはおかしい」
「えっ」
嘘だろ……。自分で全力で走ったほうが速いだろう?と思い、剣丞からのツッコミの後に周りを見てみるとすごい冷たい視線を貰った。主に詩乃からの視線がやばい。化物みるみたいな目をしている。鞠はすご~いと目を輝かせて俺を見ているがな!いい子やこの子は本当に超いい子や……。
出てきそうになる悲しい涙を抑えていると剣丞が話題を戻そうと咳払いを一つ。
「と、とにかく梅には騎馬と足軽の一部の指揮をお願いしようかな」
「先程まで捕虜だった人間にそんな大役をさせてよろしいのですか?」
「梅は裏切るつもりなの?」
「そんな! 一度、織田に与すると決めた以上、どこまでもついていきますわよ」
「なら大丈夫。久遠の為に働いてくれるなら頼りにしてるよ」
「剣丞さまはこういうお方ですので、ただ隊の運用に関しては期待できません。御大将が自ら敵城に飛び込む上に、その護衛をする馬より速いお人は傭兵らしく指揮は微妙ですので、その点はご理解の程を」
指揮は俺がやるより詩乃とかに任せたほうが楽なんだよ。まあ、面倒になって突っ込むのは事実だ。
「酷いなぁ。……事実だけどさ」
「あら。なかなか度胸がありますわね。少しだけ見直してあげましょう。まあ、わたくしが所属する隊の大将ならば、それぐらい気概がありませんとね」
「「えっ!?」」
「……なんですの?」
「い、いやなんでもないよ、あはははー」
何故かひよところが驚き、不思議そうにしている梅にひよがなんでもないと言ってから、ひよところの二人は小声で何かを話している。
なんとなく梅とは気が合いそうである。主に前に突っ込んでいく時は気が合いそうだ。
「あ! お頭お頭! これからみんなで歓迎会しませんかっ!?」
「いいね、やろうか。でも、兵糧は大丈夫なの?」
「大丈夫です! ちゃーんと計算してますから!」
「ころの鍋は美味しいからな。楽しみだ」
「張り切っちゃいますよー! ひよも手伝って!」
「わーい、お鍋お鍋ー!」
そういってひよところの二人は騒ぎながら鍋の準備を始め、剣丞は梅と話しているので飯の時間まで適当に過ごすかな。
一葉のところまでもうちょっと。
鞠のフルネーム聞いた梅ちゃんのリアクションがすごくすき




