浅井と鬼
かなり難航しつつ、投稿。
消しては書いてを繰り返しました。力不足を感じます。
精進します
この話は三者視点に変更しています。
涼平達は堺を出た後に浅井の城にいた。
浅井の城には久遠の妹である市が嫁いでおり、彼女の顔を見るためと夫を改めて紹介するために足を運んでいた。
そのついでに休憩として、浅井に数日滞在する予定となった。
訪問した当日に唐突に市が風雲として有名である涼平と久遠の夫である剣丞と手合わせしたいと言い出し、久遠が許可を出したことで実現した。
最初に剣丞が試合を行った。剣丞と市の勝負は勝利を焦った剣丞が敗北。その後にすぐに涼平と試合ということになった。
風雲として名が知れている涼平が相手と聞いて、市の夫である浅井長政こと眞琴が心配そうに見つめ、剣丞や久遠達もその戦いを見守る。
「ちょわー!!」
「おっ」
市の拳が涼平の横を通り過ぎる。市の武器は拳。その拳には愛と染と書かれた武具を付けており、対する涼平は愛刀をころに預けて、市と同じく素手。
同じ素手であっても涼平の攻撃は打撃だけではなく投げなども含まれており、今回は試合ということもあり涼平の攻撃は市の動きを制限させるような技を多く使っている。
市の突き出てくる拳を避け、彼女の手首を掴んでその勢いを利用して市を投げ飛ばす。
「わっ」
突然の浮遊感に驚きながらも市は綺麗な受け身を取って落下の衝撃を和らげながら、即座に体制を立て直す。
すると、市は笑みを浮かべていることに気がつく。
「随分楽しそうだな?」
「へへっ、お姉ちゃんから風雲を仲間にしたって聞いてたけど本当みたいだね!その辺の将よりも強い闘気を持ってるみたいだし」
「そりゃどうも」
どうも、壬月といい高評価だな俺と思い、市が動き出す前に自分から攻めに入る為に、涼平はこの時初めて構えを取った。
空手において防御の構えとされている前羽から右手と左手を同時に構える型に変える。
その構えを見た市は警戒度を高めた。涼平の纏う闘気が今までの防御的なものではなく攻撃的な闘気に変化したためだった。
「面白いもん見せてやるよ、お市」
「え?」
「行くぞ」
そう言うと同時に涼平は地面を蹴り、一気に市との距離を詰め右手で殴り掛かる。
攻撃と言う割には拳速は遅く軽々と避けられるような動きだったので、市はその右腕を払ってから涼平の腹部を狙うように打ち込む。
だが、お腹に凄まじい衝撃を受けてその場で市はお腹を抑えてしゃがみこんでしまう。
「いたぁ!うー!参りました!」
「はっはっは」
迎撃に入ろうとしていた涼平を見て、降参を宣言する。これ以上続ければ加減ができなくなってしまうと思っての降参であった。
市はお腹を手で抑えたまま涼平に先程の技を訪ねた。
「うー、何あれー」
「夫婦手。俺が持つ技術の一つだ」
「めおとで?」
涼平は先程と同じように左右の拳を同時に構えながら、市に説明を始める。
「右手と左手をつかず離れず構える。これにより、前の手は攻撃もすれば防御もする。後ろの手も攻撃も防御する。謂わば保険さ。相手にとっては後ろの手が思わぬ伏兵になる。実際、お市はそれにやられたわけだしな」
「うー。悔しい! 次は負けないからね!」
涼平に向かって指先を向けて宣言する市に涼平は挑発的な笑みを浮かべた。
「おう、楽しみにしてやる」
市の頭を撫でてから涼平は剣丞と久遠のもとに戻ると久遠が満面の笑みを浮かべながら涼平を賞賛する。
「やるではないか!!」
「不意打ち気味だし、市が降参してなかったら結果は逆だったかもな」
「何を言っておる。市に拳を入れた瞬間に脱力して威力を殺していたろう?」
「げっ、なんでそこまでわかるんだよ」
久遠の言うとおり、涼平は市に当たる瞬間に力を抜いて怪我をしないように調整した。
脱力を加えたのは一瞬だったが、それを見抜いた久遠の観察眼に涼平は改めて目の前にいる将軍に恐ろしさを感じていた。
「どうやら涼平は素手のほうが技量があるようだな。あの状態での脱力はかなりの技術が必要になるだろう。市でもそれは未だに出来ないからな」
「子供の頃から仕込まれていたからな。素手のほうがそういう加減はやりやすい」
事実、過去も武器を持ってはいたが、幼少から染み込んだ武術のほうがいいのだ。
「ほう、涼平は武芸者だったか」
「親父が無手の武術家だったんだ。そっちに比べたら刀の練度は低………」
「……むっ? どうしたのだ、涼平」
会話の途中、涼平の表情が戦場に立つときの顔に変わったのに気が付き、久遠が尋ねた瞬間、耳をつんざく不気味な鳥の声が響く。
何事かと剣丞たちが周囲を見渡した時、茂みから異形のモノが現れた。
「……悪魔っ!?」
「な、なんで? なんで鬼が小谷城の中にっ!?」
「ひよ、落ち着いて! 久遠様と詩乃ちゃんを守るよ! 涼平さん!これを!」
「おう」
ころはひよを落ち着かせてから、涼平から預かっていた刀を渡し、受け取った刀を腰に差してからエーリカの言う悪魔と対峙する。
この間にも鬼は城の塀をよじ登り、城内に入り込もうとしており、詩乃や眞琴が涼平の後ろで指示を飛ばしている。
自分にも指示が来るであろうが、それよりも目の前の鬼を退治しなければならない。
「これが鬼ってやつか」
久遠の言う鬼やエーリカがいう悪魔と出会うのは実は初めてだったりする。
情報だけ得て居たが、やはり実際に対峙してみると目の前の鬼は人外であると認識させられる。
光のない鋭い目と笠から除く角のようなものと、鬼と呼ぶにふさわしい風貌である。
「涼平! 気をつけて! 見た目に反してかなりの膂力があるから!」
「あいよ」
後ろで同じく鬼と対峙している剣丞からのアドバイスに軽い返事をしてから、刀を抜いて構える。
壬月と対峙したときの脇構えではなく、どんな状況にも即座に対応できる万能の構えである正眼の構えを取る。
構えを取った瞬間、対峙した鬼が涼平に向かって袈裟斬りを放つ。
「……ふっ!!」
壬月や桐琴といった武将と武器を交えた涼平に取ってそれは切ってくれと言わんばかりの動きだった。
雑な袈裟斬りを横に移動して避け、避けるときの踏み込みと体重移動を利用して渾身の一振りを放つと涼平の一太刀により鬼は半分に切り裂かれ、あっけない終わり方に剣丞や鬼を何度も見ていた織田家の面々も驚くと同時に、涼平の渾身の一撃の威力を思い知る。
涼平の一撃は剣速、膂力が揃い、彼の持つ刀の性能を十分に利用した一撃。
その一撃は鬼が纏う甲冑すらも両断する剛の剣であった。
久遠に至ってはその一撃を見た瞬間に背筋に冷たいものが走る程のモノだった。
涼平はその場で久遠の名前を叫ぶ。
「久遠!!」
「市も剣丞も居る! 涼平は対応できない鬼を倒せ!」
「了解」
名前を呼ぶだけで涼平が望んでいた的確な指示を貰い、涼平はその場から駆け出し、数が多い場所の迎撃に向かっていった。
数分後。
無事に鬼の大将らしきモノの首を取り、城内に入り込もうとしていた鬼も死者を出すこと無く無事に守り通すことが出来た。
その後に、久遠はこれからのことを皆に伝え、ひよ、ころ、詩乃は織田家に戻り状況を説明するために即座に戻り、涼平は念のための護衛として久遠、剣丞、エーリカと共に遅れて戻ることになった。
最初は涼平もひよたちと共に美濃に戻ろうとしたが、詩乃からの道中に鬼が出る可能性も考慮しての采配であると説明し、残ることになったのだった。
戦闘もそうですが、上手く話を持っていけないのは努力不足ですね。
書きたい話は何個かあるんですけど、そこまでが長い。ガンバリマス




