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風雲

はじめまして、風雷坊と申します

戦国†恋姫のオリ主モノです。

チートほどではないでしょうが強めの実力に設定しております

基本、オリ主の視点で進んでいく予定ですが三人称の視点もあります


オリ主などの要素が嫌いでない方のみ、ご覧ください

 織田家の領地にある一発屋。その店に太刀と脇差の二振りを腰に差した一人の青年がやってくる。

 だが、店の人間とは違う両手足に甲冑の格好はよく目立った。和服ではない南蛮のような服装に店中の視線が集まったが、この尾張では特に気にすることもない服装でもあったため、視線はすぐに霧散した。


「いらっしゃい!あれ?あんた見ない顔だね?浪人さん?」

「………まあそんなところだ」

「浪人にしては変な格好だね?」

「自分でもそう思う。とりあえず、初めてなんでおすすめもらえるか?」

「あいよー!ちょっと待ってて!」


 青年は一瞬周りを見つつ、すぐ隣にいた老年の男性に声をかける。


「すまない、この領地は誰が収めているんだ?」

「なんだ兄ちゃん?浪人なのに知らないのかい?」

「田舎の生まれで、つい先日ココに初めてやってきた身なもんでね」

「織田の名さえ聞かない村とは……兄ちゃんの格好は一族の服ってところかい?」

「そんなようなものだ。織田の領地だったか。ありがとう、おっちゃん」

「いいってことよ!」


 老人から話を聞き終え、その場で自分なりに今現在自分が置かれてる現状をまとめようと思った矢先に注文したのおすすめの定食が運ばれる。


「焼き魚定食おまちどー!」

「お、これは美味そうだ。頂きます」


 腹が減ってはなんとやらというわけでもあるし、青年は運ばれた定食を怒涛の勢いで食べ始める。

周りの客達は相当腹を好かせていたのだろうかと少しばかり青年に視線を集中させた。




























 尾張にある剣丞隊。

 昼時でも有り、丁度腹を好かせた剣丞隊の頭目出る新田剣丞と剣丞隊の文官である竹中詩乃重治の両名は、食事にしようと近くの一発屋に向かっている途中で、詩乃が剣丞にある人物の話を持ちかけた。


「剣丞さま、『風雲』という人物はご存じですか?」

「いや、聞いたことないけど………どんな人なの?」

「たとえどの勢力であろうが金銭や報酬を与えればどこにでも属すると言われている浪人です」

「傭兵なの?」

「その通りです。もしかしたらその人物が尾張に足を運んでいるかもしれないという情報があります」

「うーん、それじゃ是非とも雇いたいところだね」

「う………」


 雇いたいという剣丞の言葉に詩乃が言葉をつまらせた。

 髪で目線などは見えないが、剣丞は詩乃がどんな表情を浮かべたのかがすぐに解った。詩乃はため息を吐き、困ったような表情を浮かべていた。


「噂によるとかなり気まぐれな浪人らしく、どういった時、どういう条件で雇われるのかがわからないんです」

「え?でも、報酬さえ払えばどこにでも属するんでしょ?」

「私も兵が噂しているのしか耳にしておらず………それに近場での噂は三河。美濃に行く可能性も否定できません」

「もしかしたら美濃に雇われてるかもしれないのか」

「はい」

「その人の特徴がわかればなぁ」

「どうやら、風雲と呼ばれる人物は少し変わった服装だそうです」

「へぇ、どんなの?」

「南蛮のような服装、背中に雪月桜の家紋があるそうです」

「雪月桜?」

「ええ、図に描きましょうか?」

「ちょっと気になるしあとでお願いしようかな」

「ごちそさーん」


剣丞が風雲の服装を訪ね、詩乃がそれに答えたところ近くの一発屋から青年が出てきた。

剣丞達とは逆の方向に向かっていた青年の背中には今しがた話していた雪月桜の家紋が入っており、詩乃は視線を青年の背中に向けて、剣丞に伝える。


「剣丞様、あの人の背中にあるのが雪月桜の家紋です」

「あれが雪月桜か………って、ちょ、ちょっとそこの人!」

「ん?」


 剣丞が慌てて呼びかけると青年は歩みを止めて剣丞たちの方向に振り返る。

 淡い黒い髪に鋭い緑の眼光。剣丞はその眼光からこの青年がかなりの手腕を持つ手練であると感じた。


「もしかしてあなたは風雲って呼ばれてる浪人じゃ!?」

「……確かに最近はそう呼ばれちゃいるな」

「ちょっと話いいですか?」

「俺は今からココの領主に会いに行こうと思ってるとこなんだが………」

「ほ!本当ですか!ちょ、ちょっと待っててください」

「お、おう」


 剣丞の剣幕に青年はたじろぐ。

 なんなんだ一体と零しながら青年は剣丞の言うとおりに素直にその場で待つことにしたのだった。

 それから数分後、話し合いを終えた二人が青年に視線を向ける。青年に最初に声をかけたのは剣丞ではなく、詩乃だった。


「こちらにはどのくらい滞在を?」

「んー、しばらくは居るつもりだ。目的を果たすまではここに居る」

「目的……ですか?」

「天の遣いに会いに来た。そして、俺はそいつを守らなければならない」

「「え?」」

























「お前が『風雲』か」

「確かに………私が風雲と呼ばれている浪人でありますれば」

「その気迫………雇えば勝利へと導くというのも嘘でもなさそうだ」


 食事を終えてから声をかけられてから、少し会話をしたらあっという間に信長公に会うことが出来た。俺の正面からしばらく離れたところにある上座に居るのは織田信長、下座には信長公の家臣が勢揃いである。

 そして、先ほどの少年は信長公の隣に座っているということはかなり上………身内レベルの人間が座る場所にいる。

 とりあえず、名乗りの許可を貰っておくか。

 いつまでも風雲って呼ばれるのもあれだし、信長公の名を呼ぶためにも自己紹介は必要だ。


「風雲というのは諱に近いものであります。名を名乗ってもよろしいでしょうか」

「許可する」

「はっ………名は切銀涼平。これが私の名です。」

「私は、織田三郎久遠信長。ココでは久遠と呼べ。しかし、貴様も剣丞のように真名と諱が同じなのか」

「では、久遠殿と。剣丞というのは天の遣いであられる方の名ですか」

「いかにも………貴様はその剣丞を守るためにここまで来たと詩乃から聞いたが?」

「はっ、その通りでございます」

「何故だ?」


 確かに俺は天の遣いを守るためにココに来た。

 まあ、傭兵家業を続けてて、天の遣いって呼ばれるのが尾張に居ると聞いて、来てみればその探し人から声をかけられたわけだが………。

 どこまで話していいものかわからないな。

 天の遣いってのが俺の知っているのと同じような扱いになってるなら………方法はある。


「天の遣いと同じ国の出身だから………としか言いようがありません」

「同じ国………同じ日の本であろう?」

「正確に言えば日の本であり、日の本ではないといいますか」

「わけわからんことを………」

「久遠、少しいいかな?」


 首をかしげる久遠に隣に座っていた少年が声をかけた。


「なんだ、剣丞」

「ちょっと涼平さんに質問をしたいんだ」

「………ふむ」

「出身っていうのと俺と同じで諱も通称もないのも気になるからね」

「いいだろう。剣丞に任せよう」

「ありがとう、久遠」


 ふむ………会話のやり取りからするに多分この二人は夫婦ってことになるのか?信長公の雰囲気がちょっと変わったし、上座にいるってことを考えるとそれが妥当だと思う。

 とりあえず、少年がどんな質問してくるか………。


「名乗るのが遅れましたが、新田剣丞」

「切銀涼平です、剣丞様」

「剣丞で構わないよ。ちょっと堅苦しいのは苦手なんだ。その代わり、俺も涼平って呼ばせてもらうよ」

「天の遣いであられる方を呼び捨てにするなど……」

「大丈夫だよね、久遠?」

「剣丞が良いのなら私は何もいわん」

「だそうだから、気楽にいつもどおりでいいよ」

「………わかったよ、剣丞」

「ん、それじゃ、涼平。出身って言ってたけどどこの生まれなの?」


 さて、ここからだ。この出身地がわかれば少年………剣丞は本物だ。


「埼玉だ」


 その言葉を聞いて、剣丞は少し驚いた表情を浮かべてから、なんとも言えないような笑みを浮かべた。


「………久遠、この人は俺と同じ場所の出身だよ」

「何!?」


 剣丞の言葉に周りがざわめく。剣丞は本物だ。

 俺と同じくココに呼ばれた人間なのだろう。


「それだけでわかるのか?」

「うん、久遠も埼玉なんて知らないでしょ?」

「知らん。しかし、こやつが嘘を言っている可能性もあるだろう?」

「俺にしかわからない情報だし、埼玉っていう発言はしたことないしね」

「ふむ」


 久遠は剣丞の言葉に思考を巡らせている。

 しかし、この剣丞ってやつは見れば見るほどアイツに似てるんだよなあ。しゃべり方っていうか、雰囲気が似てる?って感じだ。


「大丈夫、久遠。涼平は話した感じ悪い人じゃなさそうだし……それに俺を守るって言ってるし、もし仲間になってくれるなら心強いんだけど」

「……涼平」

「なんでしょうか?」

「貴様、剣丞の臣として腕をふるう気はあるのか?」

「だからこそ、私は此処におりまする」

「……」

「……」


 そうして遠巻きではあるが俺と久遠は視線を合わせる。

 数秒……数分だったかもしれないが久遠の表情が険しく、何かを見定める目から違うものに変わった。


「ははは!気に入った!切銀涼平!貴様を歓迎しよう」

「ありがたき」

「しかし、風雲としての腕は噂には聞いているが、私自身の目でもどの程度の実力なのかを知りたい。誰かと模擬戦でもやってもらいところだが………」

「久遠様、三日後には丁度演習の場。そこで見極めるのがちょいど良いのでは?」


 淡い赤い髪を持つ女性が久遠に発言する。

この女性が纏っているもの………おそらく織田家で一番の実力を持つ臣だろう。


 しかし、模擬戦なんかがあるのか……。よく腕を鈍らせないように実践のように領内で組を作って合戦をするというのは良くある話だ。


「そうだな。良い機会ではあるな。だが、剣丞を守るならば剣丞隊に所属してもらったほうがいいだろう。涼平、三日後の模擬戦で貴様の実力を見よう。まあ、結果はどうあれ剣丞隊に所属することは変わらないが」

「わかりました」

「剣丞、涼平に関しては貴様に全て任せるぞ」

「うん、わかった」

「では、解散!」


こうして、俺は織田家の………剣丞の臣として所属することとなった。

とりあえずは俺がココに来てからの最初の目的を果たすことができた。


これからどうなっていくのかは………なるようになるだろう。

久遠に気に入られる部分などちょっと無理があったか?と思いつつ、一話目は終了です。

オリ主である涼平くん。

彼に関しては色々有りますが作中で語っていこうかと。

勘の良い人はわかるかもしれませんが……


涼平くんの介入時期は織田家総出の演習の三日前です

唐突なタイミングではありますが、この時期が介入させやすい時期だと思ったので

とりあえず、一話目はこの辺で

次回をお待ち下さい

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